名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

現代音楽

ベスト・オブ・コンテンポラリー001 「マリン・ボングを聴く」

Best of Contemporary さて今回から始める新シリーズは、すでに進行中の「俺の視聴部屋」シリーズとは違い、もう少し専門的に一人の作曲家を掘り下げてみようと言うものである。もちろんアイキャッチとシリーズ名は某FM局の某番組のパロディである。 記念す…

コンテンポラリーの回廊 俺の視聴部屋2

コンテンポラリーの回廊 俺の視聴部屋2 さて今回も世界中の新しい音楽を、この遅れきった国日本に紹介してこうではないか。JAPANがどうのCool Japanなんて本当にバブルの亡霊まだいたのと言う感じで、口にするのも恥ずかしいというものだが、まあどうやら文…

シリーズ我が国の作曲家006「栗原泰」

我が国の作曲家 この研究をしているとしばしば出会うのがほとんど資料が残っていない、もう存在を肯定することも難しいという作曲家である。 そんな作曲家の書いた「楽譜」がと登場してしまうと、誰かのペンネームでない限りその作曲がいた事になってくるの…

コンテンポラリーの回廊 - 俺の試聴部屋1

コンテンポラリーの回廊 どうも榊山です。アイキャッチ画像とタイトルからピンとくる方も多いでしょうが、NHK-FMで片山杜秀先生のお送りされるところの「クラシックの迷宮」の「私の試聴室」のパロディをやってみようと思いつきではじめてみました。 まあ内…

5thコンサート曲解説-Night Walkers & Shuffled City/冨田悠暉

先日公開されたオンライン・コンサート「名古屋の作曲家たち」の楽曲紹介をしようと思います。 前回は作曲者のなんすいが「組曲『新栄』」の解説をしてくれましたが、今回解説するのはコンサート冒頭で演奏された2曲、「Night Walkers」と「Shuffled City」…

ウクライナの作曲家入門編

ウクライナ 知っての通りウクライナという国はロシアの侵略を受けている真っ只中である。ウクライナは私が幼い頃はソ連の一地方であったが、ソ連解体とともに独立国になった。 とはいえ歴史的には様々な国や勢力の支配を受け、1917年にはじめてウクライナ人…

最大のファンタジー作曲家、逝く - ジョージ・クラム追悼とその音楽

George Crumb 偉大なるファンタジー作曲家、ジョージ・クラムが死んだ。2022/2/6のことだった。92歳の大往生、しかしそれでも私はもっと生きてほしかった。そしてあの世のファンタジーを聴かせ続けてほしかった。 今回は私が敬愛してやまない作曲家の一人だ…

RMCチャンネル人気動画ランキング2021

RMC 私の個人研究に名大作曲同好会のご理解を頂いて協力関係を作り、毎週1曲のペースで忘れられた音楽、知られざる音楽を紹介しているRMCチャンネルですが、2021年の人気動画ランキングとその理由などを纏めてみようかと思います。 このチャンネルはすでに10…

我が国の作曲家番外編4「資料について」

シリーズ我が国の作曲家 もうこのブログの読者の方なら、私が日本の忘れられた作曲家や、再評価の進んでいない作曲家について真剣に調べ、音源化しあるいはその経歴についても纏めていることはご承知だろう。 しかしこの研究も中々骨が折れるもので、普段平…

ヤバい変拍子の世界

今日は変拍子の話をしましょう。 「あーハイハイ、5/4拍子とかね?」 と思ったそこのあなた、僕も少し前まではその程度の認識でした。 しかし、世の中にはもっとはるかにヤバい拍子の曲が存在します。 この記事では、混沌とした変拍子の世界へ足を踏み入れて…

スティーブ・ライヒはミニマルなのか

Clapping Music 我が名作同も逡巡と試行錯誤の中、このコロナ禍での音楽活動を模索、実行している。在野から世界へという我々の野望は、ただのありふれたキャッチコピーや政治家の公約とは違い、人生と魂をかけた決意と言っても良いものなのだ。こんなことく…

怪異と音楽

某有名幽霊の方 夏も分かりやすいほどにあっさりと過ぎ、秋の只中、一気に涼しくなり、忌まわしきコロナもちょっと小康状態。皆様、ご健康にお変わりはありませんか? なんだか夏があまりにも一気に過ぎていってしまったので、私はちょっとだけ懐かしくなっ…

自然共生と音楽 - レイモンド・マリー・シェーファーに寄せる

冬のカナダ 訃報というものはいつも突然飛び込んでくるものである。カナダの大作曲家、レイモンド・マリー・シェーファーが亡くなった。コロナ禍に世界が揺れる2021年8月14日のことだった。 この時期、人の死の知らせを聞くとどうしても「そのこと」が頭をち…

HIROSHIMA - FUKUSHIMA

原爆投下 8/6は広島に原子爆弾が投下された日である。続いて8/9には長崎にも原爆が投下された。日本人なら誰もが知る痛ましい歴史の1ページである。 そしてこのことが日本を唯一の被爆国とならしめ、平和憲法とともに右に左に様々に語られ、利用されている。…

三善晃のイカれた合唱曲5選

みなさん、合唱曲といえばどんな曲を思い浮かべますか? 多くの中学や高校では合唱コンクールがあるでしょうから、「コスモス」とか「青葉の歌」、「YELL」とかが定番かも知れませんね。 が。 「合唱曲ってキレイで感動するよね~~」 そう思っているアナタ…

五輪と音楽

オリンピック まもなく東京オリンピックが開幕する。 コロナ禍で延長されたが、そもそもの開催年であった去年の西暦を変えず「東京オリンピック2020」と称したまま開催されるそうだ。2021年には誰もコロナ禍が収まっているだろうと甘く考えた結果がこの名前…

自作曲あけすけ解説シリーズ③「夜の窓辺にて」~楽曲編その2~

~前の記事~ ピアノ小品集「夜の窓辺にて」 /冨田悠暉 - YouTube 曲のタイトル 前回では、「あつくって ねむれない」まで解説しました。 今回はその続きいってみましょう。 【もくじ】 街のからすの守り唄 好きな子ができて…… 母さんが ねずに ないてる よ…

自作曲あけすけ解説シリーズ②「夜の窓辺にて」~楽曲編その1~

~前編~ 気づけば。もう6月も中旬に差し掛かろうとしています。来る6/26、名作同は1年ぶりにコンサートを挙行するわけでして、今はその準備に追われております。そうわけで、ブログの更新が1週間遅れたことはご勘弁を……と弁解させてもらったところで、今回…

土俗性と祭儀性について

祭儀 来る6/26にはいよいよ我々名作同のおくる第4回ピアノコンサートがライブ配信される。 nu-composers.main.jp また、これに関わるクラウドファウンディングもおかげさまで達成し、現在ネクストゴールチャレンジとなております。御礼を申し上げるとともに…

自作曲あけすけ解説シリーズ①「夜の窓辺にて」~ライナーノーツ編~

私たち名大作曲同好会は、芸術に向き合いながら表現を模索する仲間たちを募集しています!!! 芸術を磨きたい方、発信の場を探している方、芸術家を応援したい方、私たち「名作同」の会員になってみませんか??? 気になる方はHPから気軽にお問い合わせあ…

「四季を巡る」自作解説④ 榊山大亮「last day of summer for 2 pianos」

last day of summer for 2 pianos 先に行われる名大作曲同好会第4回「ピアノコンサート」。今回はコロナ禍という未曾有の事態にあってオンライン配信でお送りすることになった。 nu-composers.main.jp 他のメンバーも書いていることかも知れないが、配信コン…

我が国の作曲家005 「淸一二」

シリーズ我が国の作曲家 最近は番外編が続いていた本シリーズですが、今回は久しぶりに研究経過発表の意味も込めて「淸一二」について書いてみようと思います。 相変わらずこの作曲家を知る人はごくごく僅かでしょう。そしてその再評価の機運も全く高まって…

スペクトル学派の技法 初級編②

~前回~nu-composers.hateblo.jp 今回は、実際にスペクトル学派の技法を使ってどのように作曲するのか、自作曲の解説を通してお教えします。 【もくじ】 「変調」で素材を増やす 変調とは スペクトルの弱点、それは―― 次の曲に向けて 「変調」で素材を増や…

スペクトル学派の技法 初級編①

音楽は時代と共に変化しています。 その変化には2つの側面があって、それは文化的な変化と技術的な変化。 つまり、時代の流れの中で過去の価値観が新しい価値観に塗り替えられていくのが前者、 技術が発展して昔できなかったことができるようになるのが後者…

子供のための作品と作曲家の作風について

ピアノ教室 我々作曲家にはふとした瞬間にやってくる依頼がある。それは「子供のためのピアノ曲」というやつだ。事実私も数曲この手のご依頼を受けたことがあるのだが、よくこのジャンルについて考えると、案外難しいものであることが分かる。 -え?簡単に弾…

個人的音楽が芸術なら、青木龍一郎も芸術家ではないのか ―「HASAMI GROUP=現代音楽」説―

”現代音楽” 個人主義の台頭 HASAMI GROUPに見る個人主義 1.ありがとう 2.てて様 3.景色がほしい 総括 HASAMI groupは現代アートではないか ”現代音楽” 現代音楽という言葉ができてから、いったいどれほど経ったのだろうか。今様色が今や今様ではなく、…

我が国の作曲家シリーズ「番外編3」

我が国の作曲家シリーズ 皆様あけましておめでとうございます。 旧年中は名作同も新型コロナウイルスの蔓延で思ったような活動ができず、非常に苦しい思いを致しましたが、皆様におかれましては、ご健康にお変わりはございませんか? 中国武漢を発生源とする…

我が国の作曲家シリーズ「番外編2」

我が国の作曲家シリーズ 久しぶりのこのシリーズだが、今回はこのシリーズで取り上げるような忘れられてしまった作曲家でもなければ、無名のままひっそりと消えた作曲家でもない。確固たる仕事と、足跡を残し日本音楽史にその名を刻んだ作曲家2名である。無…

同詩異曲のススメ

天気/草野心平 同詩異曲-つまり同じ詩に別の作曲家が別の曲をつけた音楽のことである。 皆さんは案外この同詩異曲が多く存在しているということを知らないのではないだろうか。 特にPOPSなどではメロ先といって、まずメロディを作ってから歌詞を流し込んで…

悪魔の第七旋法 "ロクリア" の封印を解く 最終話「実用と譜例」

前回までで、ロクリア旋法がだいぶ実用的ということが分かっちゃいました。 ここまできたら、後は作曲するだけ。というわけで、僕が実際にTLTを用いて作曲したピアノ曲集、「夜の窓辺にて」からいくつか譜例を見てみましょう。 【もくじ】 譜例1:「あめん…