名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

日本音楽

クラシック音楽という呪い ~ ピアノ小品の出版に寄せて

作曲家のトイドラ、もとい冨田です。 私事ですが、僕のピアノ小品集「夜の窓辺にて」が先日発売されました! 5年前に書いた曲集を改訂し、このたび正式に出版していただけることになったのです。 しれっと榊原副会長の曲も出版されている bridge-score.com …

RMCチャンネル人気動画ランキング2023

RMC 年々、年末の雰囲気がなくなりもう師走になって私の担当も年内最後になったとは思えない状況です。相変わらず各種感染症は減るどころか、過去にない流行となっていますし、世相も荒れるばかり。嫌なご時世でしたね。今年は個人的にも環境の変化が大きく…

ヘテロフォニーの死 - 西村朗の訃報に接して

西村朗 2023年、収まらぬコロナ禍の中9/7に大きな訃報が飛び込んできた。我が国を、いやアジアを代表する作曲家、西村朗の突然の死である。私は、久しぶりに、いや一柳先生以来だからそれほどでもないが、思わず「えっ!」と声を上げてしまった。西村先生は1…

坂本龍一の死と彼の偽オリエンタリズム

坂本龍一 去る2023年4月上旬、コロナ禍も下火の春にそのニュースは国民に飛び込んできた。教授こと坂本龍一が3月28日に大腸がんに倒れ亡くなったと。 ある世代にとっては志村けん同様、彼の死も一つの原風景の消失であろうし、思想を同じくする者にとっては…

我が国の作曲家シリーズ 番外編5 成田為三の楽曲発見!

シリーズ我が国の作曲家 新型コロナが低調になる中、梅毒、サル痘に続き、マールブルク病、鳥インフルエンザの人への感染といったように、令和という時代は本当に感染症の時代となってしまいました。恐ろしいやら、以前の生活が懐かしいやら思いは複雑ですが…

コンクール受賞者を追う 第1回日本音楽コンクール

コンクール本選演奏 続くコロナ禍のなかで音楽というコンテンツ自体にも、喜ばしい方向ではない変化が出てきている。その一つに作曲コンクールが挙げられるだろう。通常作曲コンクールは譜面審査を抜けた本選で、その作品をオーケストラが演奏し、聴衆と審査…

シリーズ我が国の作曲家006「栗原泰」

我が国の作曲家 この研究をしているとしばしば出会うのがほとんど資料が残っていない、もう存在を肯定することも難しいという作曲家である。 そんな作曲家の書いた「楽譜」がと登場してしまうと、誰かのペンネームでない限りその作曲がいた事になってくるの…

RMCチャンネル人気動画ランキング2021

RMC 私の個人研究に名大作曲同好会のご理解を頂いて協力関係を作り、毎週1曲のペースで忘れられた音楽、知られざる音楽を紹介しているRMCチャンネルですが、2021年の人気動画ランキングとその理由などを纏めてみようかと思います。 このチャンネルはすでに10…

年のはじめに歌う歌

賀正 みなさまあけましておめでとうございます。 旧年中はコロナの激震に揺れる中、名作同をご支援ご注目頂き本当にありがとうございました。本年も、我々一同頑張ってまいりますので、引き続きご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。 さてお正月…

我が国の作曲家番外編4「資料について」

シリーズ我が国の作曲家 もうこのブログの読者の方なら、私が日本の忘れられた作曲家や、再評価の進んでいない作曲家について真剣に調べ、音源化しあるいはその経歴についても纏めていることはご承知だろう。 しかしこの研究も中々骨が折れるもので、普段平…

童謡「てるてる坊主」の謎

どうも皆様お久しぶり。 トイドラ会長こと冨田です。 昨日、名大作曲同好会は4thアルバムの配信を告知しました。 名大作曲同好会4th Album「YOURS HOURS」特設サイト 今までのアルバムに比べて内容・量ともに破格の出来です。 これは本当に必聴ですよ。 ……と…

土俗性と祭儀性について

祭儀 来る6/26にはいよいよ我々名作同のおくる第4回ピアノコンサートがライブ配信される。 nu-composers.main.jp また、これに関わるクラウドファウンディングもおかげさまで達成し、現在ネクストゴールチャレンジとなております。御礼を申し上げるとともに…

「四季を巡る」自作解説③ 榊原拓「星色の水面」

我々は、かつての四季を失いつつあるだろう。 こんばんは。榊原です。センセーショナルな見出しを書いてしまいました。さて、今回はピアノコンサート用に書き下ろした曲「星色の水面」について書きます。 これは楽譜の表紙の一部 過去の記事にも書きましたが…

我が国の作曲家005 「淸一二」

シリーズ我が国の作曲家 最近は番外編が続いていた本シリーズですが、今回は久しぶりに研究経過発表の意味も込めて「淸一二」について書いてみようと思います。 相変わらずこの作曲家を知る人はごくごく僅かでしょう。そしてその再評価の機運も全く高まって…

我が国の作曲家シリーズ「番外編2」

我が国の作曲家シリーズ 久しぶりのこのシリーズだが、今回はこのシリーズで取り上げるような忘れられてしまった作曲家でもなければ、無名のままひっそりと消えた作曲家でもない。確固たる仕事と、足跡を残し日本音楽史にその名を刻んだ作曲家2名である。無…

我が国の作曲家シリーズ004 「三谷俊造」

シリーズ我が国の作曲家 名作同の企画連動記事や、大作曲家の追悼記事などでご無沙汰となっていた本シリーズ、久しぶりの今回は三谷俊造を取り上げます。といってもその名前にピンとくる人は極僅かなのではないでしょうか。何よりその作品に触れたことのある…

我が国の作曲家シリーズ003 「成田為三」

シリーズ日本の作曲家 皆さんお変わりありませんか?とりわけご健康には留意されておられますでしょうか? まったくひどい世相になったものです、前回の原稿執筆をしていた頃は気にもしていませんでしたが、世の中新型コロナウイルス問題一色となってしまい…

我が国の作曲家シリーズ002 「林松木」

シリーズ我が国の作曲家 お久しぶりです。榊山です。名作同では新作のCDの発表があった関係で、緊急企画をやっておりましたが、皆さんお楽しみいただけましたか? そしてCDはお求めいただけましたでしょうか? ということで、不可解な疫病への不安が社会に満…

我が国の作曲家シリーズ001 「細川碧」

がしょ~ん! 皆様あけましておめでとうございます。どんな年末年始をお過ごしになられましたでしょうか。私はいつものように、酒に酔いしれ、友と語り合う良い時間を過ごせました。本年も名作同を始め、あちこちでしっかりと仕事をしてく気持ちを新たに臨ん…

「君が代」はハ長調ではない 〜日本音楽の真実を暴く〜 その③

前回→ 「君が代」はハ長調ではない 〜日本音楽の真実を暴く〜 その② - 名大作曲同好会 nu-composers.hateblo.jp 今回は、日本固有の音楽がどのように損なわれていったのか、実例を見つつ追っていきましょう。 特に、今回は「演歌」というものに注目したいで…

「君が代」はハ長調ではない 〜日本音楽の真実を暴く〜 その②

前回→ 「君が代」はハ長調ではない 〜日本音楽の真実を暴く〜 その① - 名大作曲同好会 nu-composers.hateblo.jp ――現代の日本で、陽旋法は曲解を受けている。 ――勘違いされた”陽旋法”は歌謡曲などに乱用され、いかにも”日本古来の”顔をして居座っている。 ――…

「君が代」はハ長調ではない 〜日本音楽の真実を暴く〜 その①

どうも、会長のトイドラです。 今更気づいたんですが、僕今んとこブログに音楽関連の記事を何一つ上げてないんですよね。 作曲同好会の会長のクセに、音楽系の記事を書けないと思われるのはマズい。 というわけで、そろそろ会長っぽい記事を書くことにしまし…