なんすいです。
私がYouTubeで高評価した動画を紹介する記事を前に出したんですが、今回はそれの音楽編です。
普段はSpotifyで音楽をdigしている私ですが、どうしても1つのサブスクアプリで音楽を聴いていると、おすすめのジャンルが偏ってきたり、堂々巡りになったりして、なかなか新しい音楽に出会えなくなってくることもあります。
そこに新しい風を吹き込んでくれるのが、実はYouTubeなどの動画サイトで流れてくる音楽だったりするんですね。
流行りものやミームなんかもSpotifyよりYouTubeの方が敏感に反応していたりするのもアドバンテージですし、そもそもサブスクで流していないけどYouTubeでは聴ける、みたいな曲も結構存在しています。
今回はそんなYouTubeで私が高評価している音楽たちをご紹介します。玉石混淆かもしれません。お楽しみ下さい。
- トマトを炊くと炊飯器爆発/友達は野菜
- 少女レイ(いよわRemix)/みきとP・いよわ
- ロゼッタプラネット/永田権太
- イワシがつちからはえてくるんだ(しふおRemix)/ころんば・しふお
- ラーメンたべたい/矢野顕子
- WE ARE 共産党!/雇用のヨーコ
- SATBのための《金魚オブセッション》/清水チャートリー
- てるてる/r-906・Garech
- しなこワールド/あぃりDX・しなこ
- ふしぎなメルモ/宇野誠一郎
- 金管四重奏のためのソナタより III. Rondo/YUNO
- 人マニア/原口沙輔
- △▽/ju sei
- Luchtballon/Joost
- ソウルフードを君と/七尾旅人
- スクラップあそばせ/いはくし
- M@GICAL☆CURE! LOVE ♥ SHOT!/SAWTONE
- 雪に、遠く/animebrass
トマトを炊くと炊飯器爆発/友達は野菜
早速出ました。私が全国の音楽好きに激推ししているアーティスト、「友達は野菜」です。
このアーティストは、とにかく野菜に関するシングルをアップしまくっていて、めちゃくちゃ多作ですがまだ認知度は高くありません。
一方、多作すぎて新着動画として流れてきやすいことが功を奏し、新着動画からこのアーティストに辿り着いた人が僅かにいるようです。私もそうです。
たくさん出すって大事なことですね。
肝心の音楽の内容は、独自性に溢れ、一貫したスタイルを確立しており、まさにまだ見つかっていない天才と言うべきものかもしれません。
素朴な内容の歌詞に、無駄の無い音楽性やボーカロイドの機械声がマッチしています。
なお、YouTubeだけでなく各種サブスクでも配信しているのでSpotifyでも聴けます。
少女レイ(いよわRemix)/みきとP・いよわ
ボカロ曲の「少女レイ」を、「きゅうくらりん」などでお馴染みのボカロ作曲家であるいよわがRemixしたものです。
いよわ特有の語彙が詰め込まれた良Remixになっています。
いよわのRemixは本当にかっこいい時と普通のピアノアレンジみたいだなという時がありますが、今回は特別気合い入ってるなーという感じがします。
この動画は、色んなRemixから新しいアーティストを開拓しようとしていた時期に見付けました。
この方法のdigは、しばらくやってると系統が同じようなアーティストたちのテリトリーが可視化されていくので、若干おすすめです。
ロゼッタプラネット/永田権太
一時期マリオカートのサントラをずっと聴いていたんですが、この曲だけ好きすぎて高評価してました。
ごーーーんと響くピアノの低音が思い切ってて良いですよね。マリオカート8版のロゼッタプラネットのBGMはこのピアノが無いので結構物足りなく感じます。
作曲者の永田権太はニンテンドー64の時期から任天堂作品のゲーム音楽を多数手掛けていて、マリオカート7のBGM作曲にあっては「所謂レースゲームのBGMにならない」ことを意識したとコメントしているようです。
ロゼッタプラネット以外にも珠玉のBGMが揃っているので、皆さんもぜひマリオカートのサントラは聴いてみて下さい。
ゲームのサントラなんかは、サブスクに流してないものも多数あるので、その点YouTubeに軍配が上がることがあります。
イワシがつちからはえてくるんだ(しふおRemix)/ころんば・しふお
まず原曲を知らない方に説明すると、原曲「イワシがつちからはえてくるんだ」はころんばというアーティストによるUTAU曲で、特定の界隈の中では聖典とも言えるほど有名過ぎる曲ですが、そうでない人達はたぶん全然知らないというような曲です。
その界隈とは、ころんば、またこれと同一人物でないかと言われている2号.というアーティストを狂信し、作風を真似て曲を作ったりする、所謂「2号兄貴リスペクト界隈」と呼ばれるものです。(界隈民の曲は「界隈曲」と呼ばれます)
他にも、ネットミームやネットロア系が好きな層や、音MADをよく見る層にはこの曲を知っている人もいるかもしれません。2号.が音MAD作者であったことから、彼の曲で音MADが作られることはよくあります。そしてこの動画もまた、数ある音MADのひとつです。
私自身ネットミームを愛好していたため、こうした界隈曲をよく聴いていた時期もありましたが、今となってはこうしてご紹介するのも少し小恥ずかしい所があります。
それでもこの動画をご紹介するのは、このしふおによるMADが比較的新しい素材で構成されていたからです。
まどマギのまどかは出てきますが、ほむらとのストーリーをなぞるとかではなく、マギレコのMADになっていたり、あとは最近の人気アニメ「お兄ちゃんはおしまい!」が使われていたりしています。
2号.やころんばはとっくに活動を辞めているため、界隈曲の世界に新しい世代が入ってきづらいだろうと思っていたんですが、ちゃんとこれは新世代の音MADになっており、それにちょっと感動して高評価を付けました。
MADのクオリティも高く、無駄の無い美しいMADだと感じました。
ラーメンたべたい/矢野顕子
Spotifyに無いのでYouTubeでいつでも聴けるように高評価してます。
Spotifyにも出して下さい。
ずっとカラオケで練習してますが、全く様になりません。矢野顕子は歌が上手いんですね。
WE ARE 共産党!/雇用のヨーコ
日本共産党「カクサン部!」雇用担当部員である雇用のヨーコによる、共産党の歌です。
この歌が共産党の活動としてどれくらいプラスに働いてるのかは知りませんが、曲自体は私の大好きなアーティスト、内田温に似てるとこがあって好きです。結構名曲だと思います。
あらゆる団体などがかわいい二次元キャラクターで大衆の性欲やサブカル趣味に擦り寄ってる一方で、このキャラクターで踊らせているところに、社会派な生真面目さを感じますね。
SATBのための《金魚オブセッション》/清水チャートリー
副会長の拓くんに教えてもらいました。
金魚がセッションをしているとしか言いようがありません。
現代アートと言われるものの難解な印象に苦手意識を持っている人達にこそ聴いてみてもらいたいですね。本当は現代音楽に価値など無いので、全然肩肘張らなくて大丈夫なのです。
てるてる/r-906・Garech
曲はr-906のボカロ曲「まにまに」を使っています。
下ネタや淫語を連発した政見放送で一躍有名になった政治家、後藤輝樹の音MADです。後藤輝樹が定着したあたりから、奇抜な政見放送で目立とうとする候補者が増えてきたような気がしますが、同じタイミングで当の後藤輝樹は一転真面目な内容の政見放送へと転換していきました。クールだ。
この音MADでは、最新(にして最終?)の政見放送で後藤輝樹が全編に渡りラップを披露したものを利用し、過去の政見放送を交えながらまとめあげたものになっています。
もちろん内容だけでなく、音MADとしても粋を尽くされた名作です。こういうMADと梅本佑利の現代音楽作品を交互に聴いたりすると、だんだんどっちがどっちかよく分からなくなってきて、euphoriaを味わえます。
しなこワールド/あぃりDX・しなこ
先月私が書いた「歌」に関する記事のドロップとしても掲載しましたが、改めて高評価動画としてご紹介します。
しなことは、原宿系動画クリエイターで、ベビタピトーキョー原宿店の店長として日々ASMRの動画などを投稿したりして人気を集めています。
さて、そんなしなこちゃんがアーティスト活動として初めて上げたシングルがこの曲というわけです。
この曲の特徴はなんと言っても、曲中にひっきりなしに「咀嚼音」が入っていることです。
それも結構ぐちょぐちょしたグロテスクな音とかも入っていて、正直初めて聴いた時は凄く不快な気持ちになりました。
しかし、音楽で不快になった時こそ、作曲家としては成長のチャンスです。
私は三日三晩「しなこワールド」を聴き続け、咀嚼音を「歌」として受容し、高評価を押すに至りました。その後、しばらく出来るだけ不快な音を出しているASMRを聴き漁り、私の美的聴感覚は一層歪んでしまいました。
私が受けた不快は今後の自分の作曲で仕返ししたいところです。
ふしぎなメルモ/宇野誠一郎
「ふしぎなメルモ」は、手塚治虫がテレビアニメ用として制作した作品で、子供の性教育を意図して作られていることで知られています。
本動画の曲はそのオープニングテーマ。サブスクにはアレンジバージョンしか上がっておらず、たぶんYouTubeとかでしかオリジナルは聴けないと思います。
このオリジナルが、本当にかっこよすぎる。
作曲者は宇野誠一郎という人。何の人だろうと調べてみたら、「ひょっこりひょうたん島」のテーマや童謡「アイアイ」などを作った人らしいです。
アニメも結構面白く、リメイク版ですが公式が1話をYouTubeに上げてるのでぜひ。
金管四重奏のためのソナタより III. Rondo/YUNO
わぁぁぁぁ、、、!!!!!!!
完璧すぎる…
凄い綺麗な折鶴を見た気分です…
この曲聴く度若干凹みます。
人マニア/原口沙輔
上がったばかりの全然再生数無い段階で見つけて、こりゃ凄いべと思って高評価してたものです。いつの間にかとんでもないです。
△▽/ju sei
ネットだとゲット出来る情報がかなり少ないんですが、ちゃんとした活動をしてそうなバンドという感じがするので、もっと色んな曲を聴いてみたいところです。
アルバムがCDとして出てるようです。
Luchtballon/Joost
オランダのヒップホップアーティストであるJoostの曲で、タイトルは「熱気球」という意味です。
一時この曲だけしか聴いてないくらいにハマっていた時期がありました。泣きながら聴いていました。
Music Videoも素晴らしいです。
ソウルフードを君と/七尾旅人
MrsGreenAppleの「コロンブス」という曲のMVが差別的とか前時代的とかで炎上した時があって、その時に引き合いとして誰かが上げていた曲が、この曲です。
曲のイントロと同時に始まるナレーションは、コロンブスの逸話から始まりますが、その内容は西欧の侵略者たちがアメリカ大陸の先住民たちの故郷を奪った「負の歴史」に目を向けた、シニカルな内容になっています。
そして、なんやかんや語ったあと、それでもそこに生きる人々のアイデンティティとしてあり続けた「ソウルフード」にスポットを当て、メインテーマが始まります。
旅人として現地の人々と触れ合う経験の中で曲を作る七尾旅人にしか書けない、ソウルフルな歌だと感じました。
スクラップあそばせ/いはくし
歌愛ユキというボカロによる曲です。
歌愛ユキといえば、「強風オールバック」みたいなかわいい歌を歌う小学生ボカロのイメージですが、この曲ではそんなユキに口の悪い高速ラップを歌わせています。
なかなか聴けないユキの低音ボイスを聴くことが出来ますが、これがなかなかかっこよく、ちゃんとボカロでやる意味がある曲だなーと思いました。
曲と歌詞がただめちゃくちゃにかっこいいです。
M@GICAL☆CURE! LOVE ♥ SHOT!/SAWTONE
これが最後にご紹介する曲になります。最後はやっぱりこれでしょう。
初音ミクの英語の曲です。
日本語のアイドルコールのダサさから一転本場の英語歌詞がかっこよすぎて、日本語話者を辞めたくなってしまいます。「うりゃおい」って本当になんなんでしょう。不快に思ったならそれは成長のチャンスです。
雪に、遠く/animebrass
本当の最後です。
これはYouTubeじゃなくてニコニコなので番外編というわけです。本当はニコニコのマイリス動画を載せるつもりは無かったんですが、最近ニコニコ動画が復活したのに関わって、最後にご紹介したくなりました。
この曲はYouTubeにも無く、ニコニコでしか聴くことが出来ません。ニコニコがサイバー攻撃によりダウンした時は、この曲がもう二度と聴けないんじゃないかと恐ろしくなったものです。
最悪作曲者ご本人に連絡を取って音源を上げてもらおうとまで考えていたんですが、本人のTwitterで「作った曲の音源自分もどっかやっちゃったから、ニコニコ復活しなかったら今までの曲は本当に闇の中に葬られてしまう」旨のツイートをしていて、愕然としました。
再び聴くことが出来るようになって本当に良かったです。
皆さんも、今聴ける音楽を大切に。。。