名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

Various Artistsが一番ヤバい

榊原です。

 

音楽配信サービス(サブスク)って便利ですよね。
世界中ありとあらゆる音楽に一瞬でアクセスできるなんてまさに夢のようです。でも私思うんですよ、ほんとうにあらゆる音楽にアクセスできているのか? とね。
今回私が言いたいのは、サブスクに登録されていない音楽は聴くことができないとかそういう話ではないんですよ。サブスクに登録されている音楽の中ですら、到達するのが極端に難しい地平が存在し、そこは魔境であるということが私は言いたいわけです。そして中でもVarious Artistsが一番ヤバいと。

 

Various Artistsのやばさ① 他に情報が一切ない

ミュージシャンの表記がVarious Artistsになる場合、それはだいたいコンピレーションアルバムなので、そのアルバムに曲を出しているミュージシャンたちが、サブスクにその一曲しか出していないということは往々にしてあります。一曲しか出さないくらいなので、宣伝とか、ましてやSNSアカウントやHPの類が一つも存在しないというのも多いですね。サブスクが台頭した結果、趣味人による本当にただ出しただけの曲が無数に存在することが明らかとなったわけです。マジで最高の事実ですよね。

 

Various Artistsのやばさ② マジでたどり着けない

マイナーなミュージシャンに到達するにはいくつか方法があります。

まず一つ目は「似たミュージシャンから探す」です。ある曲・ミュージシャンを聴いていると、それに似た別のミュージシャンをお勧めしてきます。大体堂々巡りになるので使い物になりません。

二つ目は「AIによるレコメンド」です。なんかいろいろ聴いてると、なんか勝手にプレイリストが作られたりするので、それを聴きます。堂々巡りになりがちですが、たま~~~~に超マイナーな曲を流してくるので油断なりません。ソシャゲの***連ガチャに射幸心があおられるのと感覚が似ています。

三つ目は「SNSから拾う」です。SNS(特にX)ではやたらマイナーな音楽に詳しいおじさんがたくさんいるので、そいつらのポストをチェックします。これもまた玉石混交で、やたら批評家ぶるくせに紹介してる音楽がしょうもないジジイ一周遅れてるジジイを排除するのに時間がかかります。排除できたら有用に機能するかと思います。

四つ目は「音楽配信代行サービスの新曲一覧から探す」です。BIG UP!やTune Coreといった音楽配信代行サービスは、毎月・毎日配信される音楽をどこかしらに公表してくれているので、それを片っ端から聴きます。大変骨が折れる上に実りが少ないのでお勧めしません。

(あるいは友達に聞けばいいのですが、友達がいません)

さて、Various Artistsは前項で述べたとおり、一曲しか出してなかったり、ネットに情報が一切なかったりするのがざらです。となるとSNSから拾うのは困難を極めます。一番拾いやすいのは「音楽配信代行サービスの新曲一覧から探す」ですが、この方法は現在進行形で出版されている音楽に対してのみ有効であり、旧譜を探すにはあまりにも向いていません。昔のVarious Artistsを探すとなると、「似たミュージシャンから探す」と「AIによるレコメンド」を使いこなす必要があります。運ゲーです。マジでたどり着けません。

 

Various Artistsのやばさ③ クオリティがピンキリ

コンピレーションアルバムの宿命なんですが、めちゃくちゃクオリティが高いものと低いものに分かれてしまいます。クオリティが極端に高いものはみんなが評価するので、まあまあ見つかりますが、そうでないもの、つまりゴミ曲のコンピはほとんどの人間が評価しないのでAIによる推薦を全くうけません。でも実は本当はそういうゴミ音楽のほうがこの世には多いんですよね。別にそんな曲わざわざ探し出して聴かなくていいじゃないかという意見はごもっともなんですが、目をむけられてないだけで本当はそこら中ゴミ曲だらけなの、ヤバくないですか......? 俺はゴミにスポットをもっと当てたい。

 

ということで、Various Artistsのヤバさを分かっていただけたでしょうか。わかっていただけましたね?

 

次回「お前は春日井アイドルを知っているか」に続く