名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

歌もん問答

なにが正解なの?

ずっと答え探してた

 

 

 

 

軟水:こんにちは。軟水と申します

 

丸山:こんにちは。丸山といいます。どうぞよろしく

 

軟水:早速ですが、今回は丸山さんの方から何か主張したいことがあるとお聞きしたんですが、それは一体何なのでしょう

 

丸山:よくぞ聞いてくれました。私が主張したいこと、それはズバリ、「全ての音は"歌"である」ということなのです

 

軟水:全ての音は”歌”…?どういうことですか

 

丸山:文字通りですよ。この世界で鳴っている全ての音は、実は”歌”だったんですよ

 

軟水:そんなことないと思いますけどねえ

 

丸山:まあまあ、普通はそうですよね。

丸山:ではこの場を使って、一度"歌"とはなんなのか、定義を考えてみましょうか

 

軟水:"歌"の定義、ですか…

 

丸山:軟水さんなら、”歌”をどのように定義しますか?

 

軟水:うーん…

 

 

”歌”とは、人間が音程のある旋律に沿って話す言葉のことである。

 

 

軟水:こんな感じですかね。

 

丸山:悪くないと思います。しかし、この定義ではやや不十分かもしれませんね。

 

軟水:この定義に漏れるような”歌”があるということですか?

 

丸山:では、この曲は知っていますか?

 

youtu.be

 

軟水:名曲じゃないですか。もちろん知ってますよ

 

丸山:そう、山下達郎の名曲「クリスマス・イブ」ですね。では、この曲の"歌"をよく聴いてみて下さい

 

軟水:(よく聴く)

 

丸山:おわかりですか?歌の途中、「Sirent Night~」と「Holy Night~」の間で「うぉ~お~ぉいぇ~えい」という声が聞こえますよね

 

軟水:合いの手的なやつですよね

 

丸山:この「うぉ~お~ぉいぇ~えい」は、”歌”ですか?

 

軟水:ええ…、まあ、”歌”なんじゃないかな。一応「Wow」とか「Yeah」とか書けるし、私の「音程のある旋律に沿って話す言葉」という定義にも反していないと思うので、これは“歌”でしょう

 

丸山:なるほど。では、この「うぉ~お~ぉいぇ~えい」がもし、何の言葉でもないただのハミングだったとしたらどうでしょう?この合いの手は”歌”では無くなりますか?

 

軟水:うーん、、、いや、それでも”歌”というべきかもしれない

 

丸山:私もそう思います。”歌”において、必ずしも意味のある言葉を言っている必要は無い。例えばコーラスだって、"歌"から仲間はずれにするのは不自然でしょう

 

軟水:それもそうですね。では、定義を直しましょう

 

 

”歌”とは、意味の有無を問わず、楽曲の中で人間がメロディを付けて出す声のことである。

 

 

軟水:これで文句ないでしょう…

 

丸山:おや、何か遠くから筋肉質な声が…

 

youtu.be

 

軟水:ぶりんばんばん だ!!!!

 

丸山:この曲は基本的にラップ調で構成されていて、明確な音程の無い旋律に合わせてリズミカルにリリックが刻まれています。そして、時には明確な音程を持つ"歌"に自然な流れで混ざっていきます

 

軟水:最近では、こうしたラップを取り入れた”歌モノ”は珍しくなくなって来ましたね

 

丸山:続けざまに、これはどうでしょうか?

 

youtu.be

 

軟水:ラップですら無い。曲をBGMにして好き勝手喋っているだけだ

 

丸山:しかし、こうした朗読とラップに明確な境界線は無い。どれくらい曲に合わせているかなんて、聴く者の裁量でどうにでもなってしまうのですから。

 

軟水:そしてそれは、旋律の明瞭な音程という観点にしても同じ…

 

丸山:そうです。シンギングもラップもリーディングも、滑らかに繋がっているのです

 

軟水:だとすれば…

 

 

”歌”とは、楽曲を構成する要素のうち”人間の声”に由来するものである。

 

 

軟水:ここまで定義を広げれば、もう十分でしょう

 

丸山:どっこい…

 

youtu.be

 

軟水:えーーー!昔のHIKAKINじゃないですか。これはさすがに”歌”ではないですよ

 

丸山:でも、ヒューマンビートボックスは人間の声ですよ

 

軟水:声…なのかなあ。喉を震わせてなかったら声とは言えないんじゃないかな

 

丸山:だとすると、定義の方が不十分だったということになります。何故なら、ラップなども含めた、人間の言葉によるサウンドを”歌”の範疇に入れていますが、人間の言葉の中には喉を震わせずに発音する無声音がたくさん含まれていますからね

 

軟水:そう言われればそうなのかも…

 

丸山:ということは、無声音も"歌"として許容されると。となると、こういうのも”歌”といって差し支えないですね。

 

youtu.be

 

軟水:鼻をすする音……歌……?

 

丸山:人間の身体に由来して発せられる音ですから、言語の無声音と何の違いもありません。

 

軟水:確かに…

 

丸山:つまり、人間の身体によるものなら何でも、歯をカチカチ鳴らす音も、手拍子も、関節パキパキも、排泄音も、すべて”歌”なのです!

 

軟水:そうなのか!!!

 

丸山:さらには、こんなのも…

 

youtu.be

 

軟水:ええ~~~~~~~~???????

 

丸山:何ですか?

 

軟水:いや、何ですかも何も、だって、サックスの演奏じゃないですか。これはさすがに…

 

丸山:人間の息、運指によって発せられた音ですよ。この曲がった金属塊一つごろんと置いてあっただけで、勝手に音が出ますか?これは紛れもない”歌”です

 

軟水:身体以外のアイテムを使うのはルール違反じゃないですか?

 

丸山:冷静に考えてみて下さい。人間の声による歌唱だって、「空気」が無ければそもそも聞こえないわけですよね?

 

軟水:むむ…

 

丸山:「空気」だって立派な外部アイテムです。そもそも己の身一つで”歌”が成立しているというのが誤りだったのです

 

軟水:アァ…ウワァァ…

 

丸山:口腔内の唾液も歌唱のテクスチャーに多少の影響を与えているだろうし、鼻をすする音は鼻水無しには鳴らないし、排泄音は糞尿無しには奏でられない(あと便器も)

 

軟水:…………(己の限界を超える悟りの境地を迎え激しく痙攣している)

 

丸山:ここまで来れば後はたやすい。人間は、デスクトップ・ミュージックの世界を創り出し、人間の指がキーボードやマウスに触れるだけで、あらゆる音を奏でることが出来るようになりました。音響とは、重ね合わされた波でしかありません。この世界の全ての音は、それと真に同じ音が人工されるようになったのです

 

軟水:だから、この世界のあらゆる音は、”歌”だったのです

 

丸山:素晴らしい

 

 

 

 

 

 

こうして軟水は丸山と完全に分かり合ったことにより、一つに融合してしまった。

しかしそこで初めて、丸山の内に巧みに秘められていた「悲しみ」を、軟水だった存在は理解するのだった。

 

「”歌”とは何なのか?それは、私自身が”歌”であると信じられるものだけだ。音楽は私のためだけにあるのだから、私の信じるものこそが、どんな理屈にも先行するのだ」

 

そして融合した二人は、次世代の”歌”を切り拓くミソフォニクパイオニアアイドル、「しなこ」になったのだった。

 

youtu.be

 

しなこんちゃ
こんにちは~しなこです
みて、きいて、たのしいしなこ
ぜひぜひ最後までご覧ください
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なにが正解なの?
ずっと答え探してた
原宿が教えてくれた
正解がない ことが正解だって!

 

こんな服きるの?
そんなの食べるの?
あんなのアリなの?
アリだよ自由でいいんだよ!

 

わくわくパクパク しなこワールド
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誰にもならない
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しなGO~!

 

せーの!
みて!きいて!たのしい!しなこんちゃ!
みて!きいて!たのしい!しなGO!
みて!きいて!たのしい!うれしなこ!
みて!きいて!たのしい!おやすみし~

 

しなこっこっここっこっこっこっこっこっこっこっここっこ
しなこ!
しなこっこっここっこっこっこっこっこっこっこっここっこ
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