どうも、名作会会長の冨田です。
自分は今年度大学を卒業してから、作曲家として活動すべくインプットを重ねる日々を送っております。
そんな研究成果を生かし、前回はベートーヴェンの作風をものまねして一曲作ってみました。
今回はピアノの詩人・ショパンをものまねしてみましょう。
ショパンとは
ショパン(Frédéric François Chopin)は、ポーランド出身でフランスにて活躍した作曲家です。
1810~1849年を生きたと言われ、前期ロマン派を代表する作曲家とされています。
ピアノ独奏曲の作曲が大変多く、ピアニズムと言えばショパンといったイメージがありますね。
さて、今回彼の作風をモノマネするにあたり、参考にした曲は2つあります。
「革命のエチュード(Op 10 No.12)」と「黒鍵のエチュード(Op.10 No.5)」です。
特徴点の分析
2曲に共通して言えることは、装飾音が大変多いということ。
右手・左手ともに過酷な連符がちりばめられていますが、単なるアルペジオの音型ではなく、倚音や刺繍音、経過音といった非和声音がかなり多用されています。
演奏効果の高い激しい連符に、装飾音によるきらめきが加わることで、和声感が大変豊かなものになります。
また、ショパンの用いる装飾音は、非和声音が強拍にくるというのも特徴です。
非和声音というのは、「ある和音の中に構成音として含まれていない音」のことを言います。
例えば、「ド・ミ・ソ」という和音が鳴っているとき、メロディが「レ」を弾いたとすると、「レ」の音は「ド・ミ・ソ」の中にありませんから非和声音ということになり、瞬間的に音がぶつかってしまう(不協和音)ことになります。
そうした不協和音は、西洋古典音楽では目立たないよう弱拍に配置することになっています。
ところが、ショパンはそうした不協和音を敢えて強拍、つまり拍の頭に置き、耳慣れない和音の響きを積極的に導入したのです。
☆POINT☆
・細かく激しい連符
・ちりばめられた装飾音
・強拍の非和声音
また、半音の動きを積極的に取り入れている点も特徴です。
「革命のエチュード」では大量の半音刺繍や半音階的経過音が出てきます。
「黒鍵のエチュード」でも、やはり第2主題の終わりがけに左手の半音階的経過音がでてきます。
とても挑戦的な和声が導入されており、転調感が高いシーンです。
☆POINT☆
・半音進行の多用
また、いずれの曲もたいへんキャッチーで、ポップ音楽のように耳に残る曲です。
主題が明瞭でメリハリがあり、聞いたときに耳に残りやすいのも彼の特徴でしょう。
☆POINT☆
・明瞭でキャッチーな楽曲構成
ものまね曲、完成
……以上のポイントを踏まえて、ショパンをものまねしてみました。
この曲は僕が作ってみた曲です。
ショパンっぽさを感じていただけるでしょうか?
なお、「革命のエチュード」「黒鍵のエチュード」の詳細な分析はこちらにアップしています。
興味があれば見てみてください。