どうも、名作会会長の冨田です。
自分は今年度大学を卒業してから、作曲家として活動すべくインプットとアウトプットを重ねる日々を送っております。
この連載は、クラシックの大作曲家たちの作風を研究し、ものまねで一曲書いてみようという趣旨です。
第4回からめちゃめちゃ間が空いてしまいましたが、最終回となる今回はドビュッシーのものまねに挑戦しました。
クロード・ドビュッシーとは
クロード・ドビュッシー(Claude Debussy)は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてフランスで活躍した作曲家で、当時非常に多くの作曲家に影響を与えた存在でした。
古典的な和声法をことごとく否定し、長調でも短調でもない旋法を用いた作曲や、機能和声に全く捉われない(どころか敢えてその逆を行く)和声を用いて作曲しました。
というわけで、今回モノマネをするにあたり参考にした曲は2曲です。
まずは、非常に有名な曲である「亜麻色の髪の乙女(La fille aux cheveux de lin)」。
そしてリストの「エステ荘の噴水」に霊感を得て作られたといわれる「水の反映(Reflets dans l'eau)」です。
特徴点の分析
なんといっても、ドビュッシーの特徴といえば和声です。
クラシック音楽の時代を生きていながら、彼はとにかく古典のルールを破りまくることに心血を注いでいました。
まず、古典では避けられていた3度進行。
連続5度・8度が生じるために避けられていた平行和声。
そして連続5度に、
民族的な音階であるペンタトニック(連続5度)、
クラシックではふつう用いられない4度堆積和音、
V→IV と進行してしまう禁則・弱進行、
ずれ和音、
ホールトーンによる無調・・・
・・・などなど。
よくもまあこんなにアンチ古典を敷き詰めたな、というくらいの密度です。
とにかく古典的な和声理論に挑戦し、しまいには構成音をとにかく半音ずつずらして偶成和音を盛りまくる、という境地に至っています。
「水の反映」14小節目~の難解なコード進行や、
14小節目~の半音ずつずれていくようなコード進行などですね。
☆POINT☆
・とにかくありとあらゆるアンチ古典的なチャレンジ
なお、それぞれの曲についての個別解説はこちらの動画でしています。
ものまね曲、完成
……以上のポイントを踏まえてものまねをしてみました。
ドビュッシーの難解な和声を意識しつつ、発展的な変拍子を取り入れて作曲しました。
単純なドビュッシーの模倣ではありませんが、随所にドビュッシーっぽい香りが散りばめられているのが分かると思います。
ドビュッシーはとにかく反逆的な和声を愛用していて、分析を受け付けないところがあります。
非常に独特で難解ですが、とにかくアンチ古典を徹底しているということができます。
皆さんもぜひ、ドビュッシーっぽい曲を作って僕に聞かせてください。