~前回までのあらすじ~
4度圏音楽の和音の形と和声進行ができたらしい????
覚えて帰れ「TLT」
今まで当たり前だと思われてきた音楽は、いずれも完全5度主体のものでした。
これは、前回の記事でもお話しした通り。
なので、そういった従来の音楽をここでは5度圏音楽と定義することにしましょう。
しかし、主体とする音度は完全5度以外にじつは完全4度でもよく、その場合成立するのは4度圏音楽ということになります。
この4度圏音楽という概念こそが重要であり、まだ世界で僕以外に誰も体系化していない(たぶん)大発見の理論です。
そして、この4度圏音楽を僕(トイドラ)が体系化したものを、ここで
Toydora Locrian Theory
略して、
「TLT」
と名付けます。
いやー自分の名前がついた理論があるってキモチいいですね!!!
4度圏音楽の和音構造
「で、結局4度圏音楽ってなんなの????」
という人のために、ばっちり説明しておきましょう。
と言っても、そう難しいもんでもありません。
要するに、5度圏音楽の構造をよ~く見極めたうえで、
「完全5度」を「完全4度」に置き換える
だけで、4度圏音楽は完成します。
まず、和音について考えてみましょう。
僕は前回の記事で、5度圏音楽の和音の構造についてこう説明しました。
1. 主音と第3音との音度関係(長和音 or 短和音)
2. 主音・第3音それぞれからの完全5度堆積(3和音 or 4和音 or それ以上……)
以上の2つのファクターから和音は構成されています。
つまり、しいて言えば和音は5度堆積からできているのです。
この文章に手を加え、完全5度を完全4度に置き換えるとどうでしょう。
1. 主音と第3音との音度関係(長和音 or 短和音)
2. 主音・第3音それぞれからの完全4度堆積(3和音 or 4和音 or それ以上……)
以上の2つのファクターから和音は構成されています。
つまり、しいて言えば和音は4度堆積からできているのです。
なんと。
実に簡単に4度圏音楽の和音が完成してしまいました。
この“和音”は、見た目には3度と2度を交互に堆積したいびつな形になっています。
5度圏音楽の和音は綺麗な3度堆積の形になっていましたが、そんなのは結果論なので、TLTではめげずにこのいびつな和音を使っていくことにします。
4度圏音楽の和音進行
そうしたら、次は和音進行について考えてみたくなりますよね?(なれ)
こちらも考え方は全く同じです。
前回の記事で、僕は次のように述べました。
(5度圏和声の)基本的な進行は、どれも根音が完全5度下行(完全4度上行)する進行ですよね。
従来の音楽では、Ⅴの和音がⅠの和音に解決するという役割を担っています。
つまり、トニック(T)に解決するドミナント(D)ということですね。
和声進行の基礎となるツー・ファイブ(終止定型)の進行では、上の画像のように完全5度進行(D進行)が2回繰り返されます。
で、これを4度圏音楽に翻訳するとどうなるのか?
(4度圏和声の)基本的な進行は、どれも根音が完全4度下行(完全5度上行)する進行ですよね。
わーいできた。
根音が完全4度下行する進行は、従来和声では「S(サブ-ドミナント)進行」と呼ばれます。
「副D進行」みたいな意味ですね。
ただ、TLTにおいてはこの進行は「主」であり、「副」ではないので、これをS進行と呼ぶのはふさわしくない気がします。
だから新しい名前を与えましょう。
今日からこの進行はE(エニモッド)進行です*1。
上の画像では、TLTにおけるツー・ファイブ的な何かを実践しています。
和音で言うと「Ⅶ-Ⅳ-Ⅰ」という進行なので、しいて言うならセブン・フォーでしょうか(????)。
「TLT」の激ヤバ発展性(ヤバい)
ここまでサクサクと話を進めてきましたが、実際にTLTを使うに至るまでにはたくさんの課題がありました。
結論を先に言っとくと、それらの課題は全部突破され、無事実用段階にまでこぎつけました。
や っ た ぜ 。
というわけで、僕がTLTを用いて作った曲たちを参考までに載せておきましょう。
特に理由もなく書いていた弦カル1楽章が仮完成。
— 冨田 悠暉(トイドラ) (@toidora) August 9, 2020
「B-minor」と書いてあるけどこれはもちろんBマイナーロクリアンということなので、いわゆるロ短調ではない。
久々に絶対音楽を書いたかも。 pic.twitter.com/f8jx0fE4VQ
これまでTLTにどのような発展があったかというと、
- 4度圏音楽にも長・短音階があることを発見
- 変格ロクリア旋法の導入により汎用化に成功
- 4度圏対位法を発見
- 限定進行音を発見
- 和声進行の主要な動力を発見
- 日本和声との類似性を発見
…………などなど。
これらについてもいずれ語っていきたいと思っています。
TLT和声法に関しては、いずれ理論書の自主出版も考えていますのでお楽しみに(楽しみにする人いるのか???)。
【次回】