現代音楽って聞いて何を思い出しますか?
・難しい!
・音楽に聞こえない!
・吐き気がするっ!
・笑っちゃうwww
・真面目に何やってるの?
・どうしてこうなった?
・あれでお金もらうの?
・詐欺にはならないの?
……………す、すいません
現代音楽の難しさや意味不明さはまず
一般的な音楽にある三原則
・メロディ
・ハーモニー
・リズム
これらが普通の形ではないことに起因すると思われます。
まず「どうしてこうなった」
について見てみようと思います。
そもそも音楽というのは
「既成概念を破壊する」
ことを義務付けられているという側面があります。
なので大昔から
それまであることを
ひとまず模倣し、
それを発展させ、
最終的に疑って破壊する
という一種不毛なことを繰り返しています。
ただ現在に有っては模倣ばかりが目立つんですけどね。
ともあれそうやっていろいろ疑ってると行き着くんですよ
「調性っていらなくないか?」
ってところに。
なんで行き着くかについては紙面の都合で踏み込みませんが、
とにかく行き着くんです。
ドビュッシーは中心音は複数存在できるかもといい、
ワーグナーは永遠に終わりのない転調を作り、
コルトレーンは代理構図の発展の後に終止は崩壊することを発見し、
スクリャービンはそもそもトニックが支配する構図が誤りだとし、
まあこうやって同時多発的に
調性は袋叩きに合いました。
その果に現れたのがこちらの印象的な髪型の方
シェーンベルクです。
「調性システムに変わるシステム見つけたわ」
ということで12半音が等価に存在できる新システム
「十二音技法」
を編み出します。
かくて調性は打倒されてしまいました。
次は和音でしょうか。
いいえ、上の十二音技法は和音をも破壊し尽くしたので
次はリズムです。
こちらはメシアンという作曲家です。
平泉成ではありません。
「十二音技法が音のシステムなら、音楽全体に波及可能である」
かくて音楽のすべてを数理的に操作するモデルが完成してしまいます。
「トータル・セリー」
と呼ばれます。
そしてこれが一大ブームを巻き起こします。
メシアンの弟子である
いかにもフランス人な顔立ちをしています。
非常な論客であり、
かつ高名な指揮者である彼は
このセリエリスムを推し進めていきます。
しかし大問題が生じたのです。
「誰が作っても似たような感じになるじゃん!!」
「つーか演奏困難じゃん!!」
一斉に行き詰まってきます。
しかし論理性だけは最強なのでなかなか捨てられません。
困り果ててるところに、
とどめを刺した人がいます。
こちらのキノコ研究家の方です。
彼の名はジョン・ケージ
現代音楽を知らない人でも
名前は聞いたことあるという人は多いでしょう。
本当の大天才、
常人とは全く違う思考をする人です。
ちなみに印象的な髪型のシェーンベルクのお弟子さんでもあります。
彼が見つけたのは
「偶然性の音楽」
「不確定性の音楽」
と呼ばれる概念。
偶然性というのは、
何が起こるか作曲者にもわからないもの。
不確定性というのは、
曖昧な指示によってはっきりと実態が確定しないもの。
は?
そうなんです。
要は適当にやったらどうなるかという発見です。
普通は子供の遊び程度の次元なんですけどね。
大変なことがおきます。
「トータル・セリーの音楽と、適当に弾いた音楽には響きの上で大差はない」
とんでもないことが起きてしまいましたが
長くなるので今日はこのへんで一回幕にしましょう。
こうやって人々は何を考え、何をしたのかをみながら聞いてみると
ちょっとだけ難解な世界が手元に近づいてきます。
つまらない見栄やプライドよりも、
好奇心が大切なんですね!
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