こんばんは。
みなさんは、ライブに行ったことはありますか? アリーナとかドームとか路上とか場所には色々ありますが、やはりライブハウスなるものが音をアンプリファイする小編成だと程よい距離感で私は好きです。
でまあライブハウス(俗にハコという)にも色々あって、地下アイドルが主にやってるところだったり、バンドが主にやってるところだったり。
で、思うわけですよ。
「アングラがやれるイカれたハコに行くしかねえ!!!!!!!!!」
行くしかねえ
そうです。この連載、ノイズミュージックをろくに生で聴いたことがない*1やつが書いてたんですよ。死んだ方がいいと思うだろ? 私もそのせいか知らないですが希死念慮がすごいので聴きに行きましたよ。
いや、食いに行きましたよ。
ノイズカレーをね!
ノイズカレー、来名。
10月某日、ノイズカレーが名古屋に現れるという噂を風の噂で聞きつけ、私は鶴舞にあるライブハウス、鶴舞Daytripの扉を叩いた。
ノイズミュージックをやっている人間に対してそこはかとない恐怖感を感じていたので、なんすい会員も道連れにした。
↑そこはかとない恐怖の原因
もし命の危険が生じた場合、なんすいを生贄にして私だけ逃げるという算段である。
そういえばライブについて説明するのを忘れていたので、ここでしてしまおう。
がごぜ
日本のインダストリアルハードコア界を代表するミュージシャン、進入禁止が主催するイベント。進入禁止なのに、このイベントにあーしが進入しちゃっても、いいんすかね? 氏は当日一番激しいノイズミュージックを披露していた。こんな感じの↓
激ヤバノイズイベントであると覚悟して聴きに行ったが、ノイズを中心としながらも、アンビエントやミニマル、南インド古典などかなり聴きやすい音楽も多かったので意外と全部見られました。比較対象がノイズなので、なんでも聴きやすい音楽になってしまうね。
ちなみに名古屋でノイズ・アングラ系のイベントというと栄のリタというライブハウスが有名で、こちらは当会会員のgyoxiさんが詳しいはずなので、きっとそのうち記事にしてくれるんじゃないかという気がします。
ということで、聴いた中でも特に印象に残った方々を紹介しようかな。
ノイズカレー
とりあえず進入に成功した我々はノイズカレーを聴いた。
知った上で聴きに来ているのだが、実際にステージで調理する様はシュールだった。他の多くの演者がモジュラーシンセでノイズを発していたのに対し、ノイズカレー氏はアンプを直接操作してノイズを発するなど視覚的に映える表現だった。いや、そもそもカレーを調理している時点で視覚的に映えまくっている。
30分くらいで演奏は終了したように思う。カレーを作るにはいささか短いのではないか?
演奏終了後、トイレに行こうと扉を開けると、そこにはノイズカレー氏がいた。
「ここからが長いんですよ」と言いながらカレーを調理していた。当然ではあるが、あれで終わりではないのだ.......。
それから約1時間後、完成したノイズカレーが売られていた。
実食
うまい。ノイズカレーというくらいだから超激辛カレーかもしれないと覚悟して食ったが、美味しい。スパイスが効いていながらも同じく加えられたチーズがまろやかな味わいにしている。
「よく言われます」とはノイズカレー氏の談。
性闘士☆準矢
茨城の古河からやってきたラッパー。最低最悪の下ネタを、超大味のサンプリングに乗せて歌う。歌詞を覚えきれていないので見ながら歌う。これがヒップホップ(?)。
酒が入っている時に見たので私は面白く見れたが、見る時と場合を間違えると大滑りしてしまいそう(というか、する)なスリリングさがある。だがそこが良い。ヒェアー。
ノイズカレーと仲良しらしく、ノイズカレーと併せて名古屋にやってきた。明らかに浮いていたが、彼が浮かないライブってマジでなんなんだという感じもするのでそれでいい。
一応ヒップホップ文化圏の中には存在するらしく、固定ファンのノリが納屋橋の地下に生息するラッパーのそれだった。彼らはずっとセックスとオナニーの話をしていたが、見ず知らずの私に話しかけてくれたりテキーラのショットを奢ってくれたりするなど、とてもいい人たちだった。人は見かけによりませんね。よるよ。
ちなみに彼曰く名古屋の音楽事情は特殊らしく、演者も客も変な人が多いとのこと。あなたもだいぶ変ですよ。
さて、性闘士☆準矢のその正体はいしつかねこというベーシストである。昔Vulpes Vulpes Schrenckiというバンドをやっていた時に準矢の人格が生まれたらしい。人間の業は深い。本業よりもこっちの方が人気が出てしまって本人的には複雑な心境の様子。そういうところも含めて面白い。今はsolesというバンドもやっているらしい。
平岡俊之+この子の三つのお祝いに with和代人平
ウォーターフォン+怖い話+光絵という編成。
ウォーターフォンとはホラー映画の効果音でよく使われる(初出はエルム街の悪夢だったかな?)怖い音の出る楽器である。実物初めてみた。
このウォーターフォンを操るのがホラー映画音楽作曲家の平岡俊之氏である。エフェクターを駆使することによってかなり多彩な音表現がなされていて面白い。
そんなホラーな雰囲気を最大限に高めるのが和代人平氏である。なんかやけに狭いライブハウスだな〜と思っていたのだが、それは彼のキャンバスがど真ん中にぶち立っていたからなのであった。キャンバスは光が当たるとそれに応じて光るようになっており、それを利用して光絵を作る。そのためライブハウスの照明は完全に落とされ、和代氏の持つペンライトとキャンバスのみが怪しく光るのだ。
そんな雰囲気で怖い話を聞くのだからかなり臨場感があってよかった。
Plugman
モジュラーシンセサイザーミュージシャン。モジュラーシンセを使ってやばいビートを繰り出す。途中からアーメンブレイクかましていてそれはそれでよかったが、前半マジでどうやって出しているのかさっぱりわからない謎の音でブレイクコアしており興味深かった。個人的にモジュラーシンセはいつか手を出してみたい分野の一つです。
林栄一+野口UFO義徳
サックスとジャンベによるフリー・インプロビゼーション。トリ。
林栄一氏はサックス奏者で、かなり著名らしかった。家に帰って色々調べたら、山下洋輔や大友良英、忌野清志郎と共演しており本当に著名でした。無知ですまない。私は山下洋輔を愛聴しているため、彼の演奏を知らず知らずのうちにたくさん聴いていたことになるのだが、まさかこんなところで実際に見ることになるとは思いもよらない話である。
各種さまざまなアングラ音楽詰め合わせでとてもいいイベントだったと思う。名古屋は文化不毛の地とはよく言うが、なんだかんだ色々あるのだな。
ちなみにこれだけ聴いて2000円。安すぎる。おすすめです。
*1:6年前に特殊音楽研究会のキタダさんのパフォーマンスを見たことが一応ある