名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

fripSideのメロディを分析してみる【リズム編】

はじめに

こんばんは。Niynuh Swidffel(ニーヌ・スウィドゥフェル)です。

私の大学生活も2年と半年が経過し、いよいよ卒業論文に取り組む時期になってきました。

作曲を始めて以来、私はfripSide八木沼悟志氏の作風に強い影響を受けた作品を多く制作してきました。普段の生活の中でfS楽曲を聴く際もできるだけその特色を掴むように聴いているのですが、そのルーティンのなかでふとあることに気が付きました。

「3-3-2のリズム多くない??」

「3-3-2のリズム」というのは、

3-3-2のリズム

このように音価の比率が3:3:2になっているものを指します(私のオリジナル用語です)。

あまり意識せずに聴くと3連符のようにも聴こえ、しかし実際には3つめの音が16分音符ひとつ分短くなっているため、前へ前へと進む力を持っているリズムです(要出典)。

fripSideの楽曲群ではこのような独特のリズムが多く用いられているのではないか、という仮説のもと、実態を明らかにすべく"fripSide楽曲の構造"を研究テーマに据えることに決めました。今回はそのテーマに関する記事の第一弾として、「メロディのリズム」に注目した記事をお届けします。

 

 

分析対象楽曲

only my railgun(2009.11)

LEVEL5 -judgelight-(2010.2)

future gazer(2010.10)

Heaven is a Place on Earth(2011.8)

way to answer(2011.12)

sister’s noise(2013.5)

eternal reality(2013.8)

black bullet(2014.5)

Two souls-toward the truth-(2015.12)

今回のリサーチでは、以上の9曲を分析の対象とします。なお、楽譜のデータは

バンド・スコア fripSide Single Collection(株式会社 シンコーミュージック・エンタテイメント)(2014年9月30日初版発行)

Two souls-toward the truth- バンドスコア(ヤマハぷりんと楽譜)

https://www.print-gakufu.com/score/detail/145359/?srsltid=AfmBOopCddI_Mp5YsYxkq55n98sP9zNZbicAAnI0WvCzcJaoA-6pm17D

を参考にさせていただきます。

分析の手法

上記の楽譜を観察し、「3-3-2のリズム」を含む以下の6つのリズムの登場回数をカウントすることとします。

3-3-2

2-1-3-2

2-1-5

1-2-3-2

2-1-3-1-1

3-3-1-1

結果

さっそく結果を発表いたします。

また、左の「p◯」は参照した文献でのページ数を表しています。

only my railgun』の集計結果

『LEVEL5 -judgelight-』の集計結果

future gazer』の集計結果

Heaven is a Place on Earth』の集計結果

way to answer』の集計結果

『sister's noise』の集計結果

eternal reality』の集計結果

black bullet』の集計結果

『Two souls-toward the truth-』の集計結果

以上が9曲の分析結果になります。これらはリリース日に沿ってバンドスコアに配置されており、おおまかに時系列的にみることができます。それでは早速グラフに起こしてみましょう。

各リズムの累計登場回数のグラフ

各リズムの累計登場回数のグラフ(対数軸)

分析してみて

分析楽曲数が9と少なく、充分にリズムの傾向を掴むことが難しかったのですが、特に『future fazer』には「3-3-2のリズム」が頻繁に登場するなど、ざっくりとした分析はできたのではないかと思います。また、『Two souls-toward the truth』はBPMが190と今回の分析対象楽曲で頭抜けて早いテンポであり、そのためか譜割りがかなり単純化されており、今回対象となっている16分音符中心のリズムは全く登場しなかった、というのはとても興味深い結果でした。

 

話はそれてしまいますが、もしかしたらBPMデュレーションにもなんらかの相関があるかもしれないですね。

というわけで追加でグラフを作成しましたのでおまけとして掲載しておきます。

テンポとデュレーション

 

テンポとデュレーション(トレンドライン付きのグラフ)

 

Heaven is a Place on Earth』を除いたグラフ

Heaven is a Place on Earth』を除いたグラフを試しに作ってみたところ、相関係数を表すR2値が約0.8とかなり強い相関がみられました。fripSideの楽曲はアニメタイアップのものが多く、89秒という尺が厳密に定められているアニソンの事情を鑑みると当然の結果といえるのかもしれませんね。

おわりに

今回は「fripSideのメロディを分析してみる【リズム編】」ということで、fS楽曲にみられる特徴的なリズムをカウント、可視化してみました。今後もメロディやその他の要素に関してのリサーチを進め、卒業論文の形にまとめていきたいと思っています。その進捗をこのような形で綴っていきたいと考えていますので、お付き合いいただければ幸いです。

宣伝

来週末、10月26日に東京流通センター(TRC)にて開催されます音楽系同人即売会M3に、「日芸商業音楽研究会」としてサークル参加いたします。サークル会員6名によるオムニバスアルバム、デジタルJ-Popを中心とするJ-Popアルバム、2.5次元舞台のオリジナルサウンドトラックの新規3アルバムを頒布する予定ですので、M3にいらっしゃる方はぜひ「第二展示場2階 ク-05y」にお越しください。

 

youtu.be

 

youtu.be

 

youtu.be

 

それではこれで今回の記事を終わりとさせていただきます。拙い文章ではありましたが、お楽しみいただけましたら幸甚の至りです。

それではまた次回の記事で。