名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

同じ曲しか聴けない病

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こんにちは。皆さんお元気ですか。僕は元気ではないです。何故ならこの名作会ブログに書くネタが底をつき始めたからです。

 

このブログのネタ、ということはそれは音楽の話題だ。音楽の話題が底をつき始めたというのは、すなわち、「音楽の話題のインプットが少ない」ということ他ない。インプットが少ないからアウトプットも出来なくなる。それは当たり前のことだ。

 

じゃあ普段音楽を聴いていないのか?そう問われると答えはノーだ。音楽を聴かない日は1日だってない。それも「なんとなく流れてくる曲をなんとなく聴く」のではなく、イヤホンを付け、自分で曲を選んで聴いている。

 

じゃあそれだけ音楽を聴いていながら何故インプットが少ないのか?答えは簡単、私が「同じ曲しか聴けない病」にかかっているからだ。

 

「同じ曲しか聴けない病」、それはその名の通り、新しい曲に触れていくことが出来なくなる病だ。いつまで経っても同じ曲しか聴けない。何度も何度も同じアルバムを繰り返し聴いてしまう。「いつものプレイリスト」ばかり聴いてしまい、プレイリストが全く更新されない。あるアルバムの特定の曲だけ何度も聴いてしまって、アルバムに入っているその他の曲を全く聴こうとしない。などなど、その症状は様々だ。

 

昔はどんなジャンルもある程度満遍なく聴いていた。今よりは確実に音楽に対して柔軟性があった。自分が聴いていた音楽といえば専らクラブミュージックだったが、気になる音楽ジャンルがあれば、インターネットで片っ端からその音楽について調べていたし、youtubeに上がっている1時間ほどのMIXを何本も聴いていた。

 

だが、いつの間にかその病に蝕まれていた。私は物事に対する興味を失ってしまった。そしてなにもかも消極的になった。「おっさんになると音楽が聴けなくなるんだよ」なんて言葉を聞き流していたら自分が本当にその立場になってしまった。

 

思えばこれは他の趣味についても言えるかもしれない。私はアニメを観るのが趣味の一つなのだが、一年に数ヶ月、何を観ても面白くない時期があるのだ。なんとか頑張って、観たことのない作品を一話観てみようとはするのだが、なんとなくその続きを観るのは今ではないと感じてしまう。そしてそんな時には、ただただベッドに横たわるしかないのである。

 

「同じ曲しか聴けない病」と一言で『病のせいにしてしまう』ことこそが、一番の病なのかもしれない。だがこの無限ループに陥ってしまった原因も、そこから抜け出す方法も何も分からないのだ。

 

この病から抜け出す方法をなんとか捻り出してみるとすれば、一つは無理にでも、自分で音楽を一曲一曲聴いていくことだろう。実は、一時期ひたすら自分の知らないアニメのオープニングだけを聴いていたことがあった。もちろんあまり興味を惹かれない曲も山のようにあったのだが、この修行のおかげで「こいつを何度でも聴いていたい...」と思えるような曲に何曲も出会うことができた。

 

また、他の方法として色々な音楽の流れる場所に出かけてみるのも一つの手だろう。最近自分もあまり足を運ばなくなってしまったが、クラブがその場所の一つだ。普段あまり注目もしていなかった曲が良い雰囲気の中で流れると、「あれ、この曲良いかも」と思えることが何度かあった。そういう点で、クラブは新しい音楽に出逢うのに最適な場所だと言える。

 

ただ、自ら新たな曲を探すという行為には相当な精神力が欲求されるし、クラブに行くという行為にもまた体力が欲求される。「病は気から」なんて言葉もあるし、結局はそこに落ち着くのではなかろうか。そういえば最近運動不足がちだったな。週末はランニングにでも出掛けてみるかしら。

 

最後に折角なので、最近の「これしか聴けないアルバム」を紹介しましょうか。私の最近のお気に入りは東北新幹線の「THRU TRAFFIC」だ。東北新幹線は作編曲家の鳴海寛と、同じく作編曲家の山川恵津子のユニットで、「THRU TRAFFIC」はそんな東北新幹線の唯一のアルバムなのだ。収録されている曲は主にシティ・ポップなのだが、その内容がまた素晴らしい。特に好きな曲は「女性の側から別れを切り出す日」と言われている9月14日を静かに歌い上げた「September Valentine」だ。コーラスが素晴らしいので一度是非聴いてみてほしい。

 

 

ではまた。