名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

トリップへようこそ~サイケデリックトランスの世界《前編》

はじめに

こんにちは、gyoxiです。

 さて、今回はサイケデリックトランスについてのお話になります。

nu-composers.hateblo.jp

過去の榊原さんの記事でもちらっと取り上げられていたのを覚えていらっしゃる方がいるかもしれませんね。

 

で、私、高校時代

 

「はあ...いろいろと辛い......せめて合法でトリップできたなら......そうだ!脳内で快楽物質作り出せるようになったら良いんじゃないか!!

 

というのがきっかけでサイケデリックトランスを聴くようになり(結局作り出せるようにはなれませんでした)、一時は音楽プレイヤー内のデータがフリーDLのサイケで埋まる、という高校時代がありました。

 

...で、音楽雑食人間と化した今ではあんまり聴かなかったりする訳ですが、曲がりなりにもサイケデリックトランスが好きだった自分、この魅力を是非伝えたい、ということでサイケデリックトランスに関して独断・偏見を織り交ぜつつ語っていきたいと思います。

そもそもどういうジャンルなんじゃい?

はい、いつもの如くwikipediaさんの出番です

サイケデリックトランス: psychedelic trance)は、ゴアトランスから派生したよりサイケ色が強まった140BPM前後のビートのトランス1990年代初頭からこのジャンルに属する音楽が出始めた。イギリスイスラエルゴアブラジル、そして日本で盛んな音楽である。サイケデリックトランスミュージックは、「フルオン」、「ミニマル」、「ダーク」および「ダークフルオン」、「プログレッシヴ」、「モーニング」、「アンビエント(サイビエント)」などに分類される。

はい、引用おわり。過去のブログ記事でも書かれていたように、Tranceのサブジャンル内でもことさらキマッてるジャンルですね。まあそもそも、Tranceというジャンルが、

そのリズムやメロディは、さも脳内の感覚が幻覚催眠を催す「トランス状態」に誘うかの様な様式からトランスと呼ばれている。

Wikipediaで説明されているように、ドラッグ・カルチャーと近しいジャンルな訳でありますが、そのTranceがヒッピーの聖地であったゴアに持ち込まれて独自発展を遂げ、そこからさらに発展と進化を繰り広げたものがサイケデリックトランスという分野になります。で、その発展がとにかく多色で面白いんですが、まあ、細かなサブジャンルに関しては後々。とりあえず「キマッてる音楽なんだな」と覚えておいていただければと思います。

どうやって楽しむものなんじゃい?

 ま、長々と説明してもアレなのでとりあえず一曲聴いてみましょうか。


X-Dream - Children Of The Last Generation

「いやいや、こんな音楽どうやって楽しめやいいんだよ!」

と思う方がいるかもしれない。それはそう、かく言う自分も最初は何が良いのかさっっっぱりわかりませんでした...なのでここではサイケデリックトランスをどう楽しめばよいのか?について書きたいと思います。

”摂取”してみる

展開を重視している曲やカッコよくてノレる曲もあるが、催眠的な繰り返しがサイケデリックトランスの魅力の基本となっている。その単調さをどう楽しむか、ということなのだが、とっておきの聴き方を伝授したい。

 

今回はイヤホンで聴くことを想定する。音量はいつもより少し~かなり大きめに設定する。次に頭の中に空洞があるのをイメージする。そして耳から入ってくる音がその空洞へ届き、空洞の中で広がり、反射し、音で満たされるイメージを持つ。ただそれだけ。他は何も考えない。ただ頭の中で音楽が響いていると考える...考える......

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耳から入った音楽は脳内で反響する(イメージ図)

 

するとだんだん気持ちよくなってくる。最高。多幸感。

 

サイケデリックトランスに限らず、ハウスやテクノでもこの聴き方は応用できるので是非この聴き方を試してみて欲しい。ただこれ、体調の悪い時にやるとたまに気分が悪くなったり頭痛がひどくなったりするのでご注意を。

作業用BGMに使ってみる

上のような多幸感を求める聴き方もあるが、サイケデリックトランスはその単調さゆえに作業用のBGMとしても適している。「とりあえず集中したいけど、なんか音楽流しておきたいな~」なんて時に少し小さめの音量で流しておくと、耳を満たしつつ作業に集中できるのでオススメ。

クラブに行って聴いてみる

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2016年 栄のaboutさんでのイベントにて

ある程度サイケデリックトランスに耳慣れてきたら、クラブイベントに行って音楽を体感する、というのも楽しむ一つの手段だ。このようなイベントでは会場がサイケデリックに飾り付けられていたり、レーザーやVJの映像演出なども相まって、家で聴くのとは全く違った臨場感があって最高ですよ。

 

イベントを見つける方法としては、サイケデリックトランスのDJさんのTwitter等をフォローするというのがとても有効だ。本人が出演するイベントの他に、その人の知人DJが出演するイベントやその人が応援しているイベントに関する情報が流れてくるので、イベントに関する情報収集がしやすいというメリットがあり、オススメだ(その他のジャンルのイベントについてもこの情報収集がとても有効)。

 

また、TRANCE LIFEさんを利用するのも手段の一つだ。主に東京でのイベントが中心となっているが、時々名古屋でのイベントについても掲載されており、出演するDJさんの情報等についても掲載されているので、イベントについて調べるときの一つの糸口となるだろう。

 

trancelife.net

《番外編》「クラブ」について

クラブという場所について、「チャラそう」「行ってナンパでもするのか?」ということを言う人がいるが、自分の経験の限りでは、クラブでナンパをしている・されている場面というものを見たことがない。というのは、クラブイベントが多彩化してきており、さらに自分でそこから行くイベントを選んでいるからだ。もちろん、ナンパが横行しているようなクラブもあるし、踊ってると白い目で見られるようなハコもあるらしいが(自分は行ったことないし行きたくもない)、サイケ専門イベントはもちろんのこと、音楽ゲーム曲にフューチャーした「音クラ」や、アニソンがかかる中オタク達がオタ芸打ってるような「アニクラ」、とにかくみんな踊りまくってるハードコアテクノ専門イベント、はたまたノイズミュージックやドローンアンビエントLIVE演奏があるイベント等々...「俺たちはこういう音楽が大音量で聴きたいんだ!」という思いのもとに人が集まっているイベントがたくさんあるのだ。なので、クラブといっても様々なイベントがあることを覚えておいてほしい。

 

そういったイベントでは、不特定多数というよりは「ある程度特定の多数」が客になっているので、クスリの売人がフラッとやって来てクスリが密売されていれば速攻でグループの中でバレて摘まみ出されてしまう。すなわち、「クラブではドラッグが蔓延している」というウワサも偏見に過ぎないのだ。まあ、完全にゼロという訳でもないだろうが、自分自身については、国内のクラブでクスリを売られたようなことは一度もなかったし(ドイツの超巨大なハコではありました)、遭遇率はゼロと考えて良いだろう。

 

ただ、その「ある程度特定の多数」というのがまた厄介で、イベントによっては”内輪ノリ”が大きいところもあり、場合によってはとんでもないアウェー感を感じることもある。なのでもし初めてクラブに行くのであれば、「そのイベントに行ったことのある友達と一緒に行くこと」は何よりの安全策であるし、そんな友達が居なくても上で述べたような「SNS等を用いた事前の情報収集」はある程度やっておいた方がよいだろう。

 

あとよく言われることは「クラブ行って何すりゃいいか分からない」というものもある。それについては簡単、ただ音楽に身をゆだねて身体を揺らしていればいい。中にはカッコよくおどっている人もいるが、そんな人はほんの一握りだ。音楽を聴き、軽ーく頭や身体を揺らし、たまに軽くステップを踏んでみたりして音楽を全身で楽しむ。これこそクラブの一番の楽しみ方だ。また、他のお客さんと話してみるのも良いだろう。わざわざイベントに足を運ぶ人は、基本的にはそこでかかる音楽が好きでそのイベントに来ている訳なので、きっと音楽に関する話題も合うだろう。

おわりに

さて、番外がかなり長くなってしまいましたが、今回はサイケデリックトランスがどんな音楽なのか、そしてそれをどう楽しめばいいのか、ということについて述べてきました。さあ、そろそろ聴いてみたくなってきたでしょう?次回は、サイケデリックトランスの中のサブジャンルについて、例を挙げつつ見ていきたいと思います。

 

《次回に続く》