こんにちは!なんすいです。
突然ですが、皆さんは人の作品をパクったことがありますか?
いいえ、確実にあるでしょう。 生きることはパクリの集積みたいなものですからね。
己のパクリを認めることから、全てが始まります。
なんすいのパクリエピソード
私は小・中学生時代、貴重な時間をほとんど何かをパクることに使っていました。いくつか挙げると、
- 「でんぢゃらすじーさん」の特に面白かった話をそのまま丸パクリした漫画を書いていた
- 丸パクリ漫画の特別大長編として、昔のドラえもん映画のあらすじをパクったものを書いていた
- 「ザ・ドラえもんズ」からもパクっていた
- 「スーパーマリオくん」からもパクっていた
- 青い鳥文庫の「夢水清志郎」シリーズに夢中になり、長身丸メガネの名探偵と三兄弟が登場する劣化コピー小説をずっと書いていた
- 「コンドルは飛んでいく」を私が作曲したことにしていた
他にも色々やっていたと思います。
このうち特に「夢水清志郎」のパクリ小説については、私のオリジナル小説として学校のみんなに定期的に読んでもらっていて、かなり好評を受けていたのですが、ある時一人の友人に「これパクリだよね?」と指摘されました。
指摘を受けた時の、「俺終わったわ」と全身の血の気が引く感覚は、今でも鮮明に覚えています。何と言い返してその後どう収拾したのかについては、さっぱり記憶がありません。
なぜ、パクってしまうのか
さて、こんな恐ろしい事態を避けるために、人の作品をパクるということは出来るだけやりたくないですよね。
でも、どうして人はパクリをしてしまうのでしょうか。
名古屋市内に在住の100人に聞いてみました!
- 世の中には思わずパクリたくなるような優れたアイデアがいっぱい存在するから
- 人のアイデアをパクることで手軽にウケたい
- わざとパクるつもりは無くても、その作品が好きすぎた結果、無意識にパクってしまうことがある
いかがでしょうか。
特に最後の「無意識パクリ癖」は厄介ですよね。身近な所では、ユーモアを言ったりする時にこの無意識パクリは発生しやすいと思います。
自分が言ってウケたユーモアがそっくりそのまま何かのパクリだった、なんて知れた日には、その場で腹を切って死ぬべきです。
パクるとどうなるか
では、パクると(パクリがバレると)どうなってしまうのでしょうか。
名古屋市在住の100人に聞いてみました!
- 原作者に怒られる
- みんなに怒られる
- 他の創作物についても何かのパクリじゃね?と疑われる(創作者としての価値が下がる)
- 原作者を超えられない
これはミャンマーのThu Kyaw Thu HD Production というアーティストの曲なんですが、なんかどこかで聴いたことがありますね。
YouTubeのコメント欄では案の定パクリとしてめちゃくちゃ叩かれています(主にミャンマー人から)。
また、Thu Kyaw Thu HD Productionのこの曲以外の曲にもちらほら「これも何かのパクリか〜?w」といったコメントが寄せられています。一つパクリをしてしまうと、全部疑われてしまうんですね。
そして、日本の人達のコメントを見ると、パクリに対して怒っているというより、むしろ面白がっているコメントが多いです。確かに、大流行したラップの曲をミャンマーの人がミャンマーすぎるMVとともに堂々とパクっているのは面白いですが、同時に「この曲が原曲を超えていない」故の余裕もあると思います。
パクリがパクリである限り、原作のレベルを超えることは有り得ないのです。
パクらないために
では、うっかりパクってしまわないためにはどうすれば良いのでしょうか。
私なりの答えを挙げておきます。
①幅広いコンテンツを常に吸収し続ける
パクリであったとしても、何かを作って形にするのには相当の労力を使います。
その労力を要してまでパクってしまうということは、それほどに一つの作品に心酔してしまっているからだと思います。
ということは、一つの作品にハマってしまう前に、色々摂取しまくれば良いということです。
思わずパクリたくなるような素敵な作品を10個、20個とどんどん発掘していきましょう。パクリたいものが多すぎて、訳が分からなくなってしまうはずです。
そして、そのうちにあなたは、これまでに見つけた素敵な作品達の素敵だと感じた要素をキメラ融合させた一つの作品を書き上げます。
それはもう、立派なあなたの創作の芽なのではないですか。(どうでしょう。)
②逆に、刺さった作品を飽きるまで何度も何度も鑑賞し直して、最速で飽きる
先程の理屈だと、一つの作品に心酔している状況から抜け出せば良いので、逆にハマった作品を飽きるまで舐めまわし尽くしてしまうのも有効だと思います。
下らない二番煎じを産んでしまう前に陳腐化させてしまいましょう。
③堂々とパクる
そもそも、パクリが悪だと誰が決めたのでしょうか。
榊山先生の過去記事で、「良いパクリ」の例が紹介されています。
良いパクリとは?…それは、パクることに意味があり、思慮があるということではないでしょうか。
あなたがパクリを恐れる時があるとしたら、それはやましい気持ちがあるからです。堂々とパクリましょう。
では具体的にどうすれば、良いパクリが出来るのか?
パクリ伝道師の私が、特別に一つライフハックをお教えしましょう。
それは、「全然違うジャンルでパクる」ことです。
- 古典音楽の手法を現代音楽でパクる
- クラシック曲の手法をポップスでパクる
- 打楽器曲での手法をピアノ曲でパクる
- 絵画での手法を音楽でパクる
など…
ハマった作品の「良いなぁ」と思う要素を抜き出し、それを別のジャンルに渡らせてパクるのです。
もちろん、あるジャンルの作品はそのジャンルの特性に縛られながら作られているので、必ずしもそっくりそのまま別ジャンルでパクることは難しく、工夫を要することがあります。
しかし、その工夫によって、単なるパクリだったものはオリジナリティの輝きを持って新しい価値を持つのです。
例えば、オーケストラ曲で真似したくなったかっこいい展開をピアノ曲でパクリたいと思って分析したら、楽器の数ありきの展開だった。となると、パクりたい要素をピアノ曲の形でどう実現させるか頭を悩ませる必要があります。少なくとも、原曲の手法をそのまま流用させるだけでは使い物になりません。しかし、もし実現させるための工夫を思い付ければ、それは新たな手法の発見と言って差し支えないものです。
このように、別のジャンルに渡らせてパクってみると、上手くいけばオリジナリティの獲得に繋がるのでおすすめです。(これはもうほとんど、立派な創作アプローチの一つだと思いますが)
いかがでしたか?
みなさんもパクリとは上手に付き合っていきましょう。
ポップスの世界においては、「Remix」という概念がありますね。
これは、原作者に対するリスペクト、つまりこの曲はこれのパクリですよ、と宣言した上で発表する、いわばパクリのメインストリームです。
Remixの世界では「良いパクリ」と「悪いパクリ」が混在しているのが特徴です。Remix曲を色々聴いてみると、クールで新鮮なパクリがどのようなものなのか結構発見があると思います。
というわけで、最後に私のおすすめRemix/アレンジ作品を挙げておきます。さようなら!
完PAPA宣言(PPAPA)/ピコ太郎
さだまさしの「関白宣言」のアレンジです。
ラジオ体操第一ハンガリー風味(短め版)/animebrass
オウミ住宅フレデリカ/伯方
令丈ヒロ子による小説「若おかみは小学生!」のRemix。アニメ版は主人公おっこの若おかみとしての成長を丁寧になぞるが、対して劇場版はおっこが両親の死を受け入れ成長する過程をメインに据えた構成になっています。
EUPHORIA(魔人制作)
アダルトゲーム「EUPHORIA」のRemix。ほんとにRemixされてるのでストーリーがまるで分かりません。
(本当に優れたRemixは、誰かに教えてもらうのでは無く、あなた自身の手で掴み取るものです)