名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

東方曲紹介~永夜抄編~

 久しぶりのブログになります。最近は花粉症のために頭がぼーっとしていますが、なんとかやっています。

 

 今回は東方プロジェクトの個人的お気に入り楽曲紹介第二弾です。前回は東方幻想郷東方紅魔郷の曲について紹介しました。

 

nu-composers.hateblo.jp

 

 今回は、東方永夜抄の中で個人的にお気に入りの楽曲を紹介していこうと思います。

 「発表順にいけば次は妖々夢では?」と思う人もいたりいなかったりするかもしれませんが、個人的に妖々夢より永夜抄の方が好きなので今回は妖々夢をすっ飛ばして永夜抄の曲紹介をします。いつか妖々夢も扱いたいですが、なんとなくそんな日は来ない気がします。

 

 

 最初の曲はこちらです。

 

 タイトル画面テーマの永夜抄~Eastern Night

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 東方永夜抄は、ものすごく大まかに言うと月が偽物に入れ替えられるという異変を主人公サイドが解決するというストーリーです。また、月に関連して竹取物語や日本の古典的伝承がモチーフになっており、曲も全体的に和風で趣のある仕上がりになっています。生死や時間も作品のテーマになっているので落ち着いた雰囲気になっているのかもしれません。

 「永夜抄~Eastern Night」はそのタイトルテーマということで、月が夜空に浮かび草が揺れている優しくも厳かな雰囲気が体現されています。これは永夜抄全体を貫いている雰囲気と言えるでしょう。

 

 お次は2面ボスのミスティア・ローレライのテーマ曲「もう歌しか聞こえない」です。

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 「もう歌しか聞こえない」というタイトルを聞いて、なんとなく小田和正の「もう歌は作れない」を連想した人もいるんじゃないでしょうか。ちなみに私は連想しました。「これはもしや何かのオマージュか…!?」と思われた方、残念ですがなんのオマージュでもありません。

 

 「歌は元気の元。悲しい歌なんか歌って感傷的になってるんじゃないわよ。自殺したくなる様な歌なんて以ての外!」

というのが作中のミスティアのセリフとしてあるようですが、「歌は元気の元」と言い切っている割には曲が初めから終わりまで全て不穏に聞こえました。

 ミスティアのことはそこまで知らなかったので改めて概要を調べてみましたが、やっぱり結構悪属性な気がします。*1

 

 ただ、注の表に載っている登場作品をいくつか持っていたので本棚から持ってきて片っ端から確認してみると、書籍の方では普通の陽気な妖怪という感じなのでやっぱり善属性な気がしてきました。どっちなんだ。人間を襲う時だけ害悪なのかもしれません。

 話を戻すと、この曲は不安や妖しさを感じる曲のように感じます。暗闇の不安感と似ていて、そこら辺がミスティアのテーマ曲たる所以なのかもしれません。

 イントロのリズム感のある入りから、幽かに聞こえるドラムの、特にシンバルの音が一層不気味さを掻き立てています。その後のAメロの静かに流れているメロディはそれ単体ではそこまで不穏には聞えませんが、それ以外の要素と合体すると微妙に明るいとは言えない曲調になっているように感じます。

 

 次は、4面ボス博麗霊夢のテーマ曲「少女綺想曲 ~ Dream Battle」です。

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 なんといっても初っ端の「デーン」からの火花が弾けたような「パンっ」が一番好きです。正直少女綺想曲と言えばここと、あとは冒頭のメロディラインが真っ先に思い浮かびます。正直この「デーン」と「パンっ」で選んだのでこれ以上の感想はありませんが、パワフルながらも綺麗で良い曲です。この曲はゲームセンター東方という二次創作で使われていますが、私はこれを本当によく見ていたので思い出深いです。

 

 畳み掛けていきます。4面ボス霧雨魔理沙のテーマ曲の恋色マスタースパークです。

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 これはもはや説明はいらないような気がします。魔理沙のテーマ曲で一番有名な曲といっても過言ではないでしょう。魔理沙が所有しているミニ八卦炉から繰り出される恋符「マスタースパーク」というスペルカードがもとになっていると思われます。というかこのスペルカードがもとになってなかったらペンとリンゴを間違えるくらい意味が分からないのでこのスペルカードがもとになっていると断言します。このスペルカードとミニ八卦炉も魔理沙を象徴するものなので、そういう意味でも代表的な曲だと言えるでしょう。

 全体的にテンポの速い曲で、ポップで軽く可愛い音色のAメロから、パワフルなサビまでの流れが鮮やかで印象的です。一回目のサビが終わった後も、背後でいかつめのギターが鳴っている一方でメロディがポップな音が鳴っていますが、この二面性が曲全体を貫いているように思われます。また、2回目のサビの後半で急に勢いを落とす構成が緩急あって癖になりました。

 

 続いて5面ボス鈴仙・優曇華院・イナバのテーマ曲「狂気の瞳 ~ Invisible Full Moon」です。

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 サビ前のギターで一気に元気が出る曲です。YouTubeのリプレイ回数を見てもやはりそこがダントツで再生されています。高校生の頃はこの曲はサビ前のギターのみに価値があると周囲に語っていましたが、今聞くとサビ含めそこまで悪い曲ではないと思いました。ただ個人的にはAメロがちょっと穏やか過ぎる気がするし、全体的になんだかんだ優等生感があるのが減点ポイントです。優曇華らしいといえばそうかもしれませんが、優等生らしさは嫌いなのでちょっと惜しいなと思ってしまいます。

 

 

 いよいよ6面に突入です。6面Aボス永琳のテーマ曲「千年幻想郷~History of the Moon」です。

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 さっきから「Invisible Full Moon」やら「Dream Battle」やら「Eastern Night」やら英語がやかましいですが、月は幻想郷にとっての異世界だからかもしれません。10秒で考えた憶測ですが。

 これは永夜抄で一番好きな曲です。タイトルの「千年幻想郷」も月の住民であった永琳が、この先はずっと幻想郷の民として生きていくんだという覚悟が感じられて胸の奥が熱くなる思いがありました。そして私は歴史に弱いのでタイトルで結構やられていたのですが、曲を聞いてさらに胸の中心部が熱くなりました。

 曲調がパワフルなので、太陽と対照的におしとやかに輝く月というよりかは、燦々と光を放つ力強い月のイメージがあります。特にサビのトランペットは力強くも決して粗削りなものではなく、厳かでどこか自信や知性を感じさせるものになっています。その全てにより強者感と、そして永琳の人間性をあらわしているように感じます。

 

 最後に、Extraボス藤原妹紅の「月まで届け不死の煙」です。

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 鉄琴の部分が美しいです。全体的にドラムの音色が鋭く、特に鉄琴が主要のパートでその音がはっきりと聞こえ、それが鉄琴の優しい音色と対照的で鋭くもふんわりとした印象を抱きました。このふんわりとした心地よさはなんとなく終わらない永遠のように感じられ、ドラムはそれに付随した妹紅の激しい感情を表現しているのではないでしょうか。あと、サビのメロディの儚さが妹紅とマッチしていると感じました。

 曲自体ももちろん素晴らしいのですが、私としてはキャラクターがとても好きなので、若干その補正が入っているかもしれません。

 

 

 以上で紹介は終わります。さくっとした紹介にはなってしまいましたが、この記事をきっかけに原曲や、もしくはアレンジなども色々聞いてくださると嬉しいです。

 

 前回に引き続き、特に4面以降は好きな曲としてピックアップされる傾向にありました。主要キャラがメインになってくるので、曲も重みをもったものが中心になるからだと思いますが、今度は1面ごと2面ごとにどれが一番好きな曲なのか選手権を開催しようかなという気になりました。

 

それでは、アディオス。