ムソルグスキー作曲「組曲 展覧会の絵」は皆さんご存知ですね。そう、“あの曲”(がトップバッターにくる組曲)です。
この組曲の概要をザッと説明致しますと、
『展覧会の絵』はムソルグスキーが、友人であったヴィクトル・ハルトマンの遺作展を歩きながら、そこで見た10枚の絵[1]の印象を音楽に仕立てたものである。ロシアにとどまらずフランス、ローマ、ポーランドなどさまざまな国の風物が描かれている。
といった組曲になっています。
元はピアノ組曲ですが、今だいたいの人が思い浮かべるのはラヴェルの編曲版です。私も多分それ聴ばっかり聴いてます。
で、私はこの組曲が好き。
特に好きなパートをいくつかピックアップしますと、
古城
中世の古城の前で,吟遊詩人が歌う情景を描いていると言われるこの曲は、古城の持つ独特の美しさ、そして寂しく静かな感じが音楽で綺麗に描き出されていて好き。ファゴットとサックスの奏でる音がエロいのも好き。
卵の殻をつけたひなどりのバレエ
この作品の元となった絵は、バレエの衣装デザインだ。1分ちょっとの短い曲だけど、雛鳥(の衣装を着た子どもたち)がちょこまかと踊っている感じが出ててめちゃくちゃ可愛い。
鶏の足の上の小屋
「どういうこと?」ってな感じのタイトルですが、これはスラヴの伝説に出てくるバーバ・ヤガーという妖婆の住む小屋のこと。「妖婆襲来!」って感じのとにかくバリカッコいいパートから始まり、突如静かに身を潜めたあと、またバーン!と登場する感じが良い。
で、この「鶏の足の上の小屋」に続く、この組曲のラスト曲が
キエフの大門
な訳です。察しの良い人なら分かると思いますが、ナニコレ珍百景で流れる“例の曲”です。この曲はハルトマンがキエフの門再建計画ぼコンペに出した絵が元となっています。まあ結局、その再建計画は頓挫したそうですが。
そんなキエフの大門ですが、改めて聴くとめちゃくちゃすごくね?
聴いたことある人もない人も、まあとりあえず一度聴いてみましょう......
いやすごいね、うん。
この凄さを盛り上がりグラフで表現してみましょう。はい、こうなりました。
では具体的にどこがどうすごいか言語化してみましょう。
先程もお話しした通り、この曲の前の曲は「鶏の足の上の小屋」です。で、前の曲が「おお、次はどうなるどうなる...!?」ってなった所でクライマックス感あるあの主題がジャーン!と始まる訳です。また、このジャーーーン!はもう一回続きます。しかも盛り上がり的には一回目のジャーン!から完全にギアチェンジしていることが聴いてとれます。もうこの時点で気分はクライマックスです。100%の高揚感な訳です。
そのうち全体がスッと静かになって、落ち着いたメロディが演奏されます。ここで我々は少し落ち着きを取り戻すのです。ふう....
しかしまた、例の主題が始まります。しかも今回は重厚感のある感じで演奏され始めます。心の声としては「うおおおおおおおおお...!(低音ボイス)」といった感じです。
また、スッと静かになりました。次はどうなる...?と身構えていると、カーン...カーン...と鐘の音なんかが鳴り始めて、ジワジワジワジワーーーーーーーーーーっと曲が盛り上がっていきます。
で、盛り上がって行った先で例の主題がジャーーーーーーーーン!となります。聴いている側としては「おおこれこそが、まさしくクライマックスだ」となる訳です。気分は120%の盛り上がりです。これぞまさしく最高のラスト...!
が、このままでは終わりません。また曲がちょっとだけ静かになって、曲がまたジワジワと盛り上がり始めます。120%のここから更に盛り上げようとするのです。こんだけ盛り上げておいてまだ盛り上げるのかよ!ちなみにここらへんからがナニコレ珍百景で流れるパートです。何気なく聴いてるかもしれませんが、あのパートに辿り着くまでにはこれだけの盛り上げがあるのです。すごいね。
で、堂々のラストです。もうすごい。圧巻のラスト。気分は150パーセント、いやこれはもう200%...!!!!!!!!!!!!!!
おわりに
というわけで今回は、キエフの大門の凄さについて長々と話しました、何気なく聴いてた人は是非一度音楽単体でじっくりと聴いてみてください。
というチラ裏でした。