前回までのあらすじ
クッッッソサボってたけど、ようやくエスペラントを本格的に勉強しようと志した私。時を同じくして、「八ヶ岳エスペラント集中学習」なるイベント情報が舞い込んだ。なんやかんやあって参加することになったので、ほな行ってきます。
八ヶ岳に行くゾ
という訳で行きます、八ヶ岳。とりあえず目指すは最寄駅の甲斐小泉駅です。
意気揚々と出発しましたが、まず乗るのは連休初日のしなの号。切符の前日購入に失敗していたので、「こりゃ自由席狙いしかねぇな...」と考えていましたが...なんと!グリーン車が一席だけ空いているではありませんか!背に腹はかえられません。重課金した私は、まず2時間ほどかけて塩尻駅へ...
塩尻駅で乗り換えて1時間、諏訪湖を横目にしつつ小淵沢駅へ向かい...
さらに小海線に乗り換えて...
やっと着きました!甲斐小泉駅!
この時点で到着した達成感がすごいのですが、本番はこれからです。さて、どうなることやら...
到着!エスペラント館
近くの店で昼食にありついた私は食べ終わると早速、ドキドキする気持ちを抑えつつ、「八ヶ岳エスペラント館」へと向かいました...
つ、ついに着いた...
しかし入っていいものか...外で若干ウロウロしていると、ほかの受講者らしき人が中に入って行きました。これは俺も覚悟を決めて入るしかねぇ...!
...と、中に入るなり、名前を確認され、寝室へ案内されて、ベッドメイキングをさせられました。そう、ここでは、自分のベッドは自分でベッドメイキングしなければいけないのです。なんとなく、中学・高校の合宿の感じを思い出すのでした。
なお、ベッドメイキングには電気毛布を敷くように言われました。ここ八ヶ岳は山というだけあって夜は寒く、5月といえど油断はできません。自分も、3月〜4月初旬くらいの装備を持ってきていました。
ベッドメイキングが済んで、居間へ戻ると、ここからは各自勉強に取り組んでください、と言われ、ヌルッと合宿が始まりました。とりあえず手始めに、私は単語帳作りをすることにしました。単語帳(ペラペラめくるやつ)作りには1時間ほどかかるので、作り終えた頃にはちょうど三時のティータイムです。
で、三時のティータイム。この合宿に参加するほぼ全員が居間に集いました。8人程度しかいませんが、年齢層は20代くらいから80代くらいとめちゃくちゃ広いです。
んで、全員が集まったところで自己紹介が始まりましたが、ここで一つの問題が発覚しました。
「自己紹介ができない」
自己紹介はエスペラント学力検定4級でも求められる重要スキルなのですが、私、何も対策をしておりません。しかし、皆さんは、大体の人が割とちゃんとエスペラントで自己紹介していきますし、中には完全にペラッペラ話せる方までいます。いよいよ自分の番が回ってきました。これはやるしかねぇ...
Mia nomo estas "gyoxi".(私の名前は“ぎょくし”です。)
...よろしくお願いします...
※"gyoxi"の部分は実際は本名
他に自分のことについて(日本語で)色々尋ねられましたが、自己紹介はマジでこの程度しか話せませんでした... もっと勉強しねぇとな...
ティータイムの後はまた各自勉強に戻りました。自分は持ってきたテキストを進めました。確か、丁度前置詞の章を進めました。だがしかし、この章本当に長い!英語よろしく、エスペラントもまた大量の前置詞が存在しているのでちょっとテキストを進めるだけでも大変な労力を費やします。近くに主催の藤巻先生がいらっしゃったので
「いや〜前置詞の章が大変です...w」
と話してみると
「そりゃあ大変ですよ、前置詞のことだけで本一冊書けるくらいですから」
と教えていただけました。どうりで大変な訳ですわ...こんなちょっとした質問ができるのも、合宿の良さの一つですね。
その日は疲れからか、肩こりがあまりにも酷かったので、合宿メンバー内でただ一人、風呂に湯を張って入浴したのでした... 明日の為に俺は眠るぞ!
エスペラント館の周りには
2日目も1日目と同じように自分でテキストを進めました...が、お昼を過ぎるとそれにも疲れてきたので、ちょっとだけ勉強をサボって、外に散歩に行くことにしました。外では鳥たちが囀っており、何処からか何かの植物の綿毛がふわふわと漂ってきている、そんなのどかさです。めちゃくちゃ雰囲気良いな、おい。
そしてまたここ八ヶ岳は、やはり山というだけあって景色も良いのです。その証拠に...
このように天気が良いと富士山がめちゃくちゃ綺麗に見えるのです。こりゃ最高ですね。
また、この近くには「三分一湧水」という名所もあるそうなので行ってみることにしました。
つきました。これは、昔々、湧水を三つの地域に平等に届けるために作ったものだそうです。何度か土砂崩れで破壊されたはものの、その度に復元されて現在の形となっているようです。
近くには公園もあり、多くの人達がそこを訪れ、子どもたちが元気に走り回っていました。
GW感を満喫したところでそろそろエスペラント館に戻ります...
自己紹介ができるようになりたい!
散歩から戻ってきたところで、問題が山積みであることに気付きました。そう、まだロクに自己紹介すらできないのです。このままでは合宿に来た意味がありません。
と、困ったところで、とりあえず先生に相談すると、「では対策をやりましょう」と言っていただくことができました。
〜10分後〜
簡単な自己紹介ができました。なんだかすげぇ達成感です!やった!(これを試験までに覚えなければいけないことを忘れてはいけませんが)
では早速言ってみましょう。
Mia nomo estas gyoxi.
(私の名前はぎょくしです。)
Mi havas 26 jarojn.
(私は26歳です。)
Mi estas la inĝeniero de aŭto-kompanio.
(私は自動車会社のエンジニアです。)
※一部嘘の情報を含む。
おお!それっぽい!たったの3文だけですが、自己紹介が出来なかったあの頃と比べると大違いです!やったぜ!
この後も面接時に訊かれそうな質問の対策をしていただくことができました...参考図書まで探して持ってきていただけました...本当に...ありがとうございます...(頑張って覚えます...)
使う人がいてこそ、言語がある
夕食のあと、軽くお酒を飲みながら雑談をしていると、先生がこのようなことをおっしゃっていました。
例えば「ら抜き言葉」というのが有名な誤用に挙げられます。
「食べられる」が、ら抜き言葉だと「食べれる」に。
しかし、「食べられる」という言い方は尊敬の「〜られる」と混同されるかもしれません。
その点、「食べれる」という言い方は“可能”の意味のみをよく表していると言えます。
このように「言葉の誤用」というのは進化の一つと考えることもできるのです。
なるほど...今まで言葉なんて何気なく使っていましたが、こう言われて、言葉の奥深さというものに気づくことができたような気がします。
そしてまた、このようなこともおっしゃっていました。
言語というのは、簡単に作ることができます。
例えば、今ある言語に何かしら新たな文法規則を追加すれば、それはもう新しい言語です。
しかし、実際に使われなければ意味がありません。
皆に広く使われてこそ、『言語』であると言えるのです。
確かに、架空言語や人工言語なるものはそこそこ多く存在していますが、実際に使用されているものとなると数はかなり限られてきます。そう考えると「皆に広く使われてこそ」という言葉がますます重く感じられました。また、「自分もちゃんとエスペラントを使えるようになりたいな」とぼんやり考えたのでした...
2日目はこんな感じであとは寝ました...
アムリラートコーナーは存在した!
3日目、残り少ない時間をどう過ごそうかと考えていると、他の受講生の方に「二階にことのはアムリラートのコーナーがあるよ」と教えていただきました。そういや二階は全くノータッチだったので、それは是非行かなければ。
というか館内の説明をしていませんでしたので、ここで説明します。私が3日間勉強していたのは、「メイン棟」で、寝泊まりしていたのは「宿泊棟」になります。「メイン棟」と「宿泊棟」は分かれていて、メイン棟から宿泊棟へ行くには一度外へ出るような構造になっています。メイン棟の今から階段を数段下がると、そこは図書室になっており、エスペラント関係の書籍がそれはもうズラッと並んでいるのです。
で、その図書室には二階へ続く螺旋階段がありまして、その階段の先に小さくはありますが、ことのはアムリラートコーナーがあるわけです。
おお...これはまさしくアムリラートコーナー...!私も持っている「百合でおぼえるエスペラント」の他に、公式ガイドブックや過去のイベントで使われたらしきカードのようなもの(???)も置いてあったりして、これは眼福、眼福... ちょうどこの頃、新作の発売をかけたクラウドファンディングが開催されており、なんとか成功して欲しいもんだな...と強く願ったものです... なおクラウドファンディングの結果は大成功で、そのうち新作の「ことのはレルナード」が、出ます!!!!買えよ!!!!!!!!!!!
そして合宿の終わり...
そんなこんなで楽しかった合宿ももうおしまい、昼食を食べ、最後はみんなで協力して掃除をし、解散となりました。こんなにガッツリ勉強できる機会なんてなかったので、すごい満足感と充実感です。機会があったらまた来たいな、八ヶ岳...
おわりに
と、いうわけでこれが「八ヶ岳エスペラント集中学習」の一部始終となります。ちょっとだけでも合宿のイメージを掴んでいただけたら、幸いです。そしてもし、興味があるなら次回開催の機会を待って是非参加してみてください。きっとあなたの想像を超える体験が待ち受けていますよ!
ではまた!
~つづき~