どうも、パブリックアート・ハンターのなんすいです!!!
↑パブリックアート・ハンター試験
皆さんは、パブリックアートって知ってますか?
パブリックアートとは、美術館やギャラリー以外の広場や道路や公園など公共的な空間に設置される芸術作品を指す。
設置される空間の環境的特性や周辺との関係性において、空間の魅力を高める役割をになう、公共空間を構成する一つの要素と位置づけされる。
街中に、よくわからん変な形の彫刻とか置いてたりしますよね。
そういうの大体パブリックアートです。
多くの人が、まじまじと見ることは無くとも、なんとなく日常の中でパブリックアートと出会っているんじゃないでしょうか。
海外、日本問わず、たくさんのパブリックアートを街中で見ることが出来ます。
パブリックアートの大きな特徴は、「公共空間の中にある」ということだと言えるでしょう。
自ら美術館に出向いて作品を見に行くのではなくて、生活の中に突然アートが出現する、という体験。
ハプニング的にアートと人が関わりながら、公共空間を形成していく仕組みは、パブリックアートならではの面白さです。
そんなわけで、パブリックアートの有名な作品をいくつか見てみましょう。
「LOVE」/ロバート・インディアナ
正方形の中に「LOVE」の文字がギュッと配置されたデザイン。
「Love & Peace」の象徴として人気を博し、今では世界各地にこの彫刻が置かれています。
日本だと新宿に設置されていて、映えスポットしてやはり人気の様子。
なお、「LOVEのVとEの間をカップルで手をつなぎ通ると結婚できる」というジンクスがあるようです。
こういう風に作品が一人歩きして文化を形成したりするのも、パブリックアートの面白いところですね。
皆さんも新宿に行った際は、イボイノシシとかと一緒にくぐってみてはいかがでしょうか。
「明日の神話」/岡本太郎
禍々しく鮮やか、そしてめちゃめちゃでかいこちらの絵。
言わずと知れた巨匠岡本太郎の代表作でもあります。
第五福竜丸事件における水爆の炸裂した瞬間がモチーフになっていて、凄惨な過去を乗り越えていく人間の強さを表現しているらしいです。
現在はこの大きな絵が渋谷駅に公開展示されており、誰でも自由に見ることが出来ます。
ポジティブなメッセージ性ではあるものの、パッと見ギョッとする怖めの作品が公共空間に配置されて多くの人の目に触れているというのは、珍しくも素敵な風景だな〜と思います。
パブリックアートの失敗事例
とはいえ、先程の「明日の神話」もやはり、設置された当初は
「公共に展示する絵にしては怖すぎ!!!」
などと批判もあったようです。
パブリックアートの特性上、社会や地域の人々と軋轢を生んでしまい、結果撤去に追い込まれてしまうといった事例は少なくありません。
「傾いた弧」/リチャード・セラ
タイトルのまんま、傾いた弧状のでかい板。
作者のリチャード・セラは、板金を使った巨大な作品を作る彫刻家として知られています。
「傾いた弧」は1981年、マンハッタンの連邦ビル前に設置されました。
しかし、この作品はすぐに批判にさらされることになります。
「でかくて怖い!」
「通行の邪魔」
確かに!
「傾いた弧」は、その圧倒的な大きさと威圧的な質量で広場の通行を抜かりなく遮り、めちゃめちゃ公共空間の邪魔者になってしまっていました。
結局、この作品は広場から撤去されることになりました。
このように、人々の邪魔になったり、表現によって不快感を誘ったりといった理由で、せっかく設置されたパブリックアートがやむなく撤去、ということが結構あります。
ストリートピアノ
ストリートピアノも、公共空間に設置された文化装置として見れば、一種のパブリックアートであると言えます。
所謂パブリックアートと比べると幾分馴染みやすく、また誰でも参加出来るという点で、可能性を秘めた文化だと思います。
しかし、ご存知の方もいるかもしれませんが、最近ストリートピアノの世界でも「撤去」騒動がありました。
“駅ピアノ”マナー違反続出…半年で撤去【知っておきたい!】(2023年4月25日) - YouTube
ルールを守らず利用する人が多く、苦情が寄せられた結果の撤去でした。
やっぱり一般に開かれたサービスはよほど気を付けないと成立しなくなっちゃうんですね。
そもそも、一般に開かれたと言っても、現状日本のストリートピアノはほとんど「ピアノが上手いYouTuberが音数の多いボカロアレンジを弾くだけのステージ」と化しています。
もちろん上手いしかっこいいんだけど、せっかくのストリートピアノ、もっと多様に使われても良いのにな〜〜〜と思います。思いませんか。
【
YouTuberのストリートピアノ企画も飽和して、とうとう混迷の時代という感じがしますね。
この姿で一体どんな奇怪な調べを奏でるのかと思ったら、そこは東方アレンジを弾きまくってしっかり大衆にウケて帰っていくわけですから、何なんだよという感じです。
「世界に一つだけの花」の選曲はちょっと面白いです。
日本のストリートピアノ界隈はすべからくこういう感じのパフォーマンスを量産しているだけになっていますが、撤去騒ぎでYouTuberの活動が槍玉に上げられる中、今後はどうなっていくんでしょうか。
パブリックアートとなかよく
アートというのは、実用的な価値観から最もかけ離れた存在です。
でも作品を誰かに見てもらうためには、社会的な関わりが必要不可欠。
特にそれを生業にしているアーティストたちはもれなく、アートが本来そぐわない「大衆社会」とどのように関わっていけば良いのかという問題について、頭を悩ませています。
そんな中で、パブリックアートという概念は、アートと社会の関わりそのものをアイデンティティとして持った、逃げ場の無いアート分野であると言えるでしょう。
本来自由であるべき表現が公共の邪魔にならないよう制限されたり、往々に矛盾を抱えがちなパブリックアートですが、だからこそ大きな可能性を秘めた世界でもあると信じたいですね。
次回の記事では、名古屋で実際に見ることが出来るパブリックアートをご紹介したいと思います。
皆さんもぜひ機会があれば、街中のパブリックアートをまじまじ鑑賞してみてはいかがでしょうか。