名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

デジタルJ-Pop楽曲362曲のテンポを測定したら衝撃の事実が判明した件

【はじめに】

こんにちは。Niynuh Swidffelです。

みなさん、デジタルJ-Pop、聴いてますか。つい昨日VTuber事務所最大手のホロライブ所属の不知火フレアさんが「Silent Flame, Never Fade」というオリジナル楽曲を公開しましたが、その曲のジャンルがまさしく「デジタルJ-Pop(デジポ)」なのです。

デジポの詳細についてはzephyrさんが詳細なHowTo動画を上げていらっしゃるのでそちらに譲りますが、近年その勢いを再び取り戻しつつあるように思います。

(↓zephyrさんの解説動画)

https://www.youtube.com/watch?v=2hOhew6bjOM

 

そんなデジポですが、ジャンル名が指すようにJ-Popの要素を強く持っており、デジポの分析をすれば日本のポップスの流れをひとつの側面から見ることができるのではないかと考え、これまでにメロディのリズムなど分析を進めてきました。

(↓デジタルJ-Popを代表してfripSideのメロディのリズムを分析した記事)

https://nu-composers.hateblo.jp/entry/2025/10/19/190000

 

今回はその続編として、「デジタルJ-Popのテンポを詳細に分析する」をテーマに記事を書こうと思い立ちました。

対象となるアーティストは、2000年代初頭からアニソンやゲーソンなど幅広く活躍している八木沼悟志氏率いるfripSideとそのルーツとなった浅倉大介氏率いるaccessの2グループとしました。

【分析対象について】

今回テンポを分析する楽曲は、変化を通時的に見るために上記の2つグループの全楽曲(原則として音楽サブスクリプションサービスで視聴可能な曲)とします。最終的にはfripSideから236曲、accessから126曲が集まりました。

【分析結果(fripSide)】

それでは早速分析結果をお見せしたいと思います。私にできる限り正確に測定したつもりですが、もしミスなどあればコメントで教えていただけますと幸いです。

fripSide楽曲の分析結果①

 

fripSide楽曲の分析結果②


(fripSideは過去に2回ボーカルが入れ替わっており、現在の阿部寿世・上杉真央体制は第3期(phase 3)と呼ばれています)

まず第1期のテンポを見ると、多少浮き沈みはありますが全体的に見て上昇傾向にあることが分かります。

次に第2期のテンポは、第1期や第3期と比較して変化が少ないように見えます。これは、第2期は多くのアニメタイアップ曲を提供しておりアニソンの89秒という厳格な枠に収めるために同じようなテンポの曲が増えたのではないか、と考えています。

次に第3期のテンポですが、第2期よりは変化が大きいものの、まだサンプル数が少なく具体的に特徴を捕らえることが難しかったです。

分析結果の2枚目に移ります。

平均値・平均値(上下カット)・中央値・最大値・最小値のうち4つで「第1期<第2期<第3期」という大小関係があることが分かりました。かなり明確に違いが出ていたので分析結果を見た時とても驚きました。

総合すると、fripSide楽曲は「時代を経るごとにややテンポが速くなっている」ということが分かりました。

【分析結果(access)】

accessの分析結果①

accessの分析結果②

続いてaccess(AXS)楽曲の分析結果です。

accessは1995年に一度活動を休止しており、その後2002年に復活した以降と分けて2つのシーズンとして分析しました。

こちらはfripSideよりもさらに顕著に変化が現れていました。第1期では3.9%に留まっていたBPM141以上の曲が、第2期では43%にまで増加しています。結論としては「時代を経るごとに明らかなテンポの高速化が見られる」ということになりました。

【おまけ】

accessの分析結果をざっと見ていて気がついたのですが、やたら10の倍数のテンポが多い。

一体いくつが10の倍数なのかと気になりカウントしてみた結果、126曲中85曲(67.4%)が該当するという衝撃的な事実が判明しました。もしかしたら作曲担当の浅倉大介氏はそこまでテンポの数字にこだわりがなく、大雑把にテンポ設定しているのかもしれません(これはあくまでもいちリスナーによる見解です)。

【おわりに】

以上がデジタルJ-Popのテンポ分析レポートでした。時代を経るごとにテンポが高速化しているという考えは間違いではなかったようです。今後もデジポの分析をさまざまな観点から行っていこうと思います。それではご覧いただきありがとうございました。またいつか。