名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

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渋谷系の時代③ 小沢健二編

~前回の記事~

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 お久しぶりです榊原です。さて、超弩級不定期連載「渋谷系の時代」、時が流れコロナウイルスでイベントも流れ、みんなが存在を忘れた頃に戻って参りました。

今回は小沢健二ということで、フリッパーズギターの有名な方をざっと見ていきましょう。ただ個人的にそんなに好きじゃないのでさらっと流すかもしれません。

 

ソロデビュー~1st Album

1993/7/21 天気読み

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1993/9/29 犬は吠えるがキャラバンは進む

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フリッパーズギターの時とは打って変わってすげーシンプルになりました。小山田曰く尾崎豊みたい」。たしかにもうちょいリバーブ強めにしたらそう聞こえなくもないかも。

そっかー、小沢健二ってこういう曲書く人なんだね~。

 

と思わせておいてからの

2nd Album

1994/8/31 LIFE

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こう。

それなりに編成も大きくなりました。

ここで思うのが、小沢健二はJPOP的なんだな~ということです。フリッパーズギターはかなり洋楽志向のサウンドだったわけですが、ソロになるとかなりメロディーがキャッチーになっています。小山田が早々に訳わからん方向に行ってしまったのとは真逆で面白いですね。

 

JPOP的とはいえ、当時は小室ファミリー全盛期(こういうの)だったこともあり、オザケンのこじゃれたサウンドはかなりインパクトが大きかったとも思います。

 

特にこの曲。

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まあ下ネタ曲なんですが、この曲は日本語ラップ史上重要です。

というのもラップが日本に輸入されたのが80年代、そこからじわじわ普及していき日本語ラップが誕生。そしてメジャーで売れ始めたのが90年代なんですが、その日本語ラップが売れる先駆けとなったのがこの曲(とEAST ENDのDA.YO.NE)なのです。

普通に小沢も歌ってるのが結構重要で、普段ラップを聴かない層にもラップが認知される切っ掛けになったのではないかと、そう思うわけです。

まあぶっちゃけこの曲シングルカットして50万枚くらいしか売れてないんですが、それでも後世への影響はすさまじいんじゃないかな~ヒプノシスマイクとかあるし。

 

ちなみにこのアルバム自体は売れに売れ、彼は渋谷系の王子様と呼ばれるまでになりました。

後クッソどうでも良いですが、彼女のことを子猫ちゃんと呼んでいました。わーお気障だぜ。

 

なのでこんな曲もあります。

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なおその彼女とは破局しました。やったぜ。

 

あとなんかこの年に紅白出たらしいです。すごいね。

 

3rd Album

1996/10/16 球体の奏でる音楽

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ここで急に古風なジャズテイストのアルバムを発売。

急なジャンル変更(しかも地味)は今であれば全然売れなくなりますが、CD全盛期の1996年だからかなんとオリコン一位を記録。しゅごい。

このままポップスター街道突き進むんじゃねえかな~しらんけど。と誰もが思っていたであろう1996年。

 

が、

 

このまま六年経過しました。

 

4th Album

2002/2/27 Eclectic

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アルバムが発売されましたが、このときシングルカットなし・MVなし・メディア出演ほぼなしという商業的に致命的な3ない運動が起こっており、あまり売れなかった様子。どうやらこのころ売れ続けるのに色々疲れていた様です。ポップスターも辛いですね。

 

個人的にはこのアルバムが一番好きです。00年代特有の硬質な音、ウィスパーボイスっぽいボーカルなのも小沢っぽくなくて新鮮ですし。

 

そしてまたしばらくの間が空いて。

 

5th Album

2006/3/8 Ecology of Everyday Life 毎日の環境学

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お前誰?

今回も前作に引き続きプロモーションゼロでひーーーっそり発売されました。

小沢健二のおの字もない、純然たるエレクトロニカです。本当にお前は誰だ。小沢健二がほとんど歌わなかったのもあってか、マジで売れなかったらしいです。そもそもそんなに流通していないのもありますが。

 

小沢健二らしくない攻めたアルバムであることは評価しているのですが、同年に小山田圭吾が出したアルバム「Sensuous」のほうが明らかに出来が良いので、どうしても印象に残らないです。不遇のアルバムです。

あとEcologyの和訳は生態学の方が適切で、環境学明らかに誤訳ですが、東大文学部英文学科卒のオザケンがそう言うんだから僕の方が間違ってるんだと思います。きっとそうです。

 

そしてさらに10年以上の月日が流れ......。

 

復活~6th Album

2017/2/22 流動体について

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2019/11/13 So kakkoii宇宙 

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小沢健二の帰還を待ち望んでいた私は、小沢健二がマジでただのおじさんみたいな見た目になってて泣いてしまいました。

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ただのおじさん

いやそりゃ普通のおじさんなので当然ですが、ただでさえそんなに上手くない歌が更に残念な感じになってて残念です......。

 

それも別にどうでも良くてですね、一番残念なのは歌詞がなんか絶妙に区切れが悪くて絶妙に滑ってる気がすることです。フレーズが間延びしてしまっている印象が強いです。全然So kakkoiくねえよ......。

 

結論

LIFEEclecticは結構面白いと思いますが、最近はおじおば向けに過去の焼き増し劣化コピーを作ってる感が否めないです。でも彼が本格的に売れたことで渋谷系やヒップホップが日本に浸透していくことになったので総じて良い感じです(????)。

 

そして渋谷系の時代④へと続くーー。次がいつになるのか皆目見当が付かないーー。