こんにちは、ぎょくしです。
最近Twitter(現:X)にてこのような投稿を見かけました。

中年オタクって昔の神アニメを「俺たちの時代」として語りがちだけど、実際はハルヒやまどマギやCLANNADみたいな名作は若い子でもみんな見てるわけで、むしろその時代を生きた人しか知らない当時ならではのクソアニメを語ってほしい
— 不対電子 (@electlone) 2026年3月1日
そして、この投稿のリプライには、「こんなアニメがあって...」「あんなアニメあったよなぁ!」と、各々が時代に埋もれた作品がズラリと並んでいました。さらには、「このアニメの名前をここで見られるとは!」というリプライもついており、自分もホクホクした気持ちでリプライを眺めていたのですが...
『いや、そもそもクソアニメってなんやねん...!』
クソだ!と言いたい気持ちはよくわかる
クソアニメ、というと世間的には様々な定義があります。予算や製作時間の問題から作画が大きく崩れてしまっているアニメ、「ストーリーに魅力が無い」と言われるアニメ... 逆に、「取るに足らないほどくだらない(≒面白い)アニメ」という肯定的(?)な意味で使われている場合もありますが、基本的には否定的な文脈で使われる言葉でしょう。そしてある程度アニメを観まくっている人なら、そんな作品に行き合ったことはあるでしょう。
「ああ、クソアニメだったなぁ!」
アニメ視聴にはそれなりの時間と労力が伴います。期待感を持って観始めたアニメが酷い仕上がりだった... そんな時、この言葉を吐きたくなる気持ちは正直よくわかります。
どんな作品にも必ず1人はファンがいる
それでも、私には「クソアニメ」という言葉を使うことがどうしてもできません。理由はシンプルで、「どんな作品にも必ず1人はファンがいる」という考えが自分の中にあるからです。私はもっぱらマイナーな作品をdigするのが好きなタイプのアニメ視聴者です。そしてそれ故に、「こんな作品に、こんなにも熱いファンがいるのか!」という瞬間を何度も体験してきました。
コメットさん☆との出逢い

例えば、『 Cosmic Baton Girl コメットさん☆』という作品をご存知でしょうか。1967年に放送された「コメットさん」という二世代に渡る特撮シリーズのアニメ版です。この私が存在を知ったのは、大学二年生くらいの頃。「なんとなく気になるなぁ」という思いはありながらも、打ち切り作品であること、配信がないこと、視聴手段はDVDのみであることなどから、なかなか手が出ませんでした。そんな中、とあるTwitterで知り合ったコメットさんファンの方からこのアニメをを猛烈にオススメされ、思い切ってDVD BOXを買って視聴したのでした。
...めちゃくちゃ良かったです。王子様を探して地球にやってきたコメットさんと地球の人々の交流。優しく、どこか切ないストーリー。派手さはありませんが、じんと心に残る作品でした。

その頃ちょうど、東京でこの作品の上映イベントが開催されました。そして、会場で目にしたのは、コメットさんを観にきた世代を超えたファン達の姿でした。失礼ながらも、「この作品ってこんなにも多くのファンがいたのか!!!!!」と気づかされたのがこの時です。
だから自分は「相性」で語る
その後もマイナーな作品を観るたびに、SNS上でその作品を心から愛しているファンを必ず目にしました。そしてその経験から、「そんな人達のためにも『クソアニメ』なんて言葉そうそう使うもんじゃないな」と思うようになりました。だから私はアニメのレビュー記事を書くときには「(自分に)合いませんでした...」とか「刺さりませんでした...」のように、『自分との相性』で表現しているのです。
...まあ、色々言ったところでこの元ツイートが投稿されているのはあのTwitter。きっと投稿者も「クソアニメ=王道作品にはない“味”を持っている特異な作品」くらいのニュアンスで使ったのでしょう。(事実、リプライ欄や引用で「クソアニメじゃないけど...」という前置きのもとで素晴らしい作品たちを挙げている方々も多数見かけました。)
でも問題がまだある
ただ挙げられていた作品名を見て、嬉しいと同時にこうも思いました。
「でもこの作品って今見る手段ねぇんだよな〜」
そう、バカみたいな値段の中古DVDを買うか、違法視聴をするか、くらいしかない作品が多すぎるのです。
昔はもっと大変でした。私が大学生の頃は配信サービスが充実しておらず、コメットさんはもちろん、ぴえろの魔法少女シリーズやニチアサ作品を含め、世界名作劇場作品すらほぼほぼ配信されていない、という状況でした。そこから時が流れ、現在ではあらゆる作品が配信にて視聴可能となりました。しかし、アニメを深く掘り進めていると、観る手段のない作品に必ずぶち当たります。その度に私は、悲しいような悔しいような、やるせない気持ちになるのです。
ああ、配信なきアニメたちよ
自分が観たものだと、こんな作品が挙げられます。
臣士魔法劇場 リスキー☆セフティ
上記のツイートを起爆剤として盛り上がった話題の一つが「WOWOW放映作品」。「リスキー☆セフティ」もその一つです。不運続きの少女「桂木萌」の前に見習い死神の「リスキー」と見習い天使の「セフティ」が現れて... といった始まりですが、途中で異世界の話になったりと、内容が自由奔放で独特の作風でした。ED曲「夜明けの風ききながら」(坂本真綾)は名曲中の名曲です。でも配信なし。中古DVDもほぼ見ない。
旋風の用心棒
こちらの作品は、黒澤明の「用心棒」を原本に、現代風にアレンジした作品です。二つの勢力が睨みあっている鬼無宿という町に降り立った「谺丈二」。それをきっかけに、町の均衡徐々に徐々に崩れ始めて... 途中「誰やねんこれ!」となるくらいには作画が崩れるのですが、それを上回るほどにストーリーが面白いミステリー作品です。ラストシーンは必見。でも、ほぼほぼ入手困難。
ペンギンズ・メモリー 幸福物語
ペンギンが松田聖子の「SWEET MEMORIES」を歌っているあのテレビCM。そこから着想を得て作られたのがこの作品です。可愛い見た目とは裏腹に、戦争でPTSDを負った主人公「マイク」が故郷を離れて別の町で暮らし始め、そこで「ジル」という女の子と出会うも...といった、ほろ苦いアメリカン・ニューシネマ風の作品となっています。こちらは配信どころかDVD・BD化すらされていない。
我々は財布の口を緩くして待っている
こんな作品はまだまだ山のようにあります。「中古屋で買えるよ」「youtubeとかに載ってるよ」そう言われることもあります。でも、それでは公式にお金が入りません。俺たちは正規の方法で公式にお金を払いたいんだ。
最近は、昔のアニメがリバイバル上映されたり、周年でグッズが販売されていますが、それでもやはり足りない!公式の皆さん、俺たちは財布の口を緩くして待ってるから、どうか、どうか我々を上手いこと客にしてください。
...今回は、そんなオタクの叫びのチラ裏でした。