名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

鉄道の発車メロディから思う「文化の保存」

2025年も関東在住、Southernです。

 

都心部在住の方とは切っても切れないものはいくつかあると思います。
その中でも通勤・通学・その他さまざま、鉄道には助けられている人が多いことでしょう。
え?遅延ばっかりで腹立つ?それはごもっとも。

 

E127系V2編成(2023年12月撮影)

 

そんな鉄道の世界にも音楽はいろいろあるもので、電車が近づくと鳴る接近メロディ、車内で駅出発・到着前後に流れる車内メロディなど、意識して聞いていれば意外と隠れています。
その中でも今回は電車が動き出す直前に流れる発車メロディについて、思うことを書き連ねていきます。

 

 

鉄道の発車メロディについて


そもそも鉄道の発車メロディは歴史が長いようです。

1951年(昭和26年)には旧国鉄豊肥本線豊後竹田駅でレコードを使用し、列車の発車時に「荒城の月」を流していたという記録が残っており、これは発車メロディの嚆矢と言える。

――Wikipediaより引用


発車ベルも風情を感じられて良いものはありますが、やはり何かしら音楽が流れている方が耳が心地いいところがありますね。

 

いずれにせよこの記録から70年以上経った今、少なくとも関東のJR管内ほぼすべての駅で多種多様なメロディが流れるようになりました。電車での旅行が好きな私のような人間にとっては、移り行く景色とともに流れる音がなんともたまらない瞬間があります。
ご当地系で私の印象に残っているのは、大井町駅の「四季(「春」第一楽章/「秋」第三楽章)」、三鷹駅の「めだかの学校」、仙台駅の「青葉城恋唄*1」あたりでしょうか。

 

 

 

ダイヤ改正の影響を受けて


てな感じで普段使わない路線に乗ったりするとテンションが高まったりするのですが、つい最近南武線に乗ったときはそんな気分にはなりませんでした。

鉄道大好きな方ならご存じの通り、2025年3月のダイヤ改正南武線ワンマン運転を開始
その流れで発車メロディが電車本体から流れる2種類のみになってしまっていたのです。

 

割を食ったのはこの区間にあったご当地メロディでしょう。
例を挙げると、登戸駅の「ドラえもんのうた」、武蔵溝ノ口駅の「Jupiter」などがありました。

 

 

これら個性の強かったメロディはすべて淘汰されてしまったということになります。

これについては、端的に言って無個性極まれりではないかと思うのです。

 

昨今の「文化軽視」という風潮


あらゆるものに対するコストがここ数年で跳ね上がっているのは、皆さまも意識されているはずです。そして、そのコストを何とか抑えながら、より困難になった需要の見極めに奔走している企業は数知れないことでしょう。いつもありがとうございます。
もちろん各鉄道会社も例外ではないはずで、しかも昨今の人員不足にも対応しながらの運用がきわめて難しいことは容易に想像がつきます。

 

頭ではそれをわかっているつもりなのですが……しかし私自身文化人の端くれであり、「効率化による個性の排除」により、文化的に健全な状態ではなくなっているのではないかという疑問がよぎらずにはいられないのです。
例えるなら、カードゲーム大会に来たら全員が同じデッキで同じ戦い方をしているかのように感じてしまいます。もっと言うなら、私自身が経験した学校教育をも想起させます。

 

この事例に限った話ではなく、今日では「文化」が軽視されがちだと私は思っています。
「博物館資料の廃棄も検討」と発言したどこかの偉い人や、歴史ある神宮球場秩父宮ラグビー場の建て替えに関する話題、鉄道に絡めるなら旧原宿駅舎は今後どうなるのか? など……失うには惜しく、しかしいま維持するには難しい文化が、日本には数多く残っています。
それでも、資料の保管場所や予算、建築基準など、現実的にどうしようもない部分があるのもまた事実でしょう。きっとこういった事業にかかわる誰もが、「文化」を手放すことと、「現実」との落としどころに頭を悩ませているに違いありません。

 

神宮球場を建て替えたところで、今のこれを超えられるとは思えないのも事実……

 

とにもかくにも、私にとってはまだまだ不勉強なことも多いです。「失われそうな音楽の文化、他にもあるのでは?」と思っている今のうちにいろいろ調査し、どこかで報告できたら良いなと思ったりしたいものです。

 

今も、そして明日も


発車メロディの統一は、当記事の執筆中も着々と進んでいます。
いま私が良く使う経路もそれ以外の路線も、いずれはメロディがすべて元に戻ってくれるよう、陰ながら祈るしかありませんね。

 

△個人的に気に入っている発車メロディ。突然短調になるのが好きです

 

近く私は、また仙台へ行きます。
帰路に就くときに青葉城恋唄を聴き、少なくなった風情を感じられたら良いなぁと思います。

 

 

 

 

……と、ここまで書いて締めようと思っていたのですが。
更新直前でもうひとつ、最近起こっているメロディ変更の傾向に気が付きました。

 

 

最近の曲なんか変拍子多くねぇ????????

 

 

次回の執筆に続く………

 

*1:原曲は全く知らないのですが趣味でちょくちょく仙台に行くことがあり、帰りの新幹線に乗るとき流れるところが良いんですよね。また来たくなる衝動に駆られます。