名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

私は見た!中国の真実

こんにちは。榊原です。
9日間、中国に行ってました。
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シンポジウムの出席のために行ったので、観光とかではないのですが、南京~揚州~開封~北京と、かなり多くの都市をまわりました。なので、今日は感想を書きます。
海外留学とかをした人間がよくやる、クッソ雑な比較文化論を展開して一人だけ気持ちよくなってる、アレです。

 

細部は粗いが、デカくてすごい

中国を一言で表すとするならば、細部は粗いが、デカくてすごい国です。
一般的に思われている印象通りの感想を抱いてしまいした。なので、これから先の文章にはよく聞く話しか載ってないのですが、まあ真実って概してそういうもんですよね。。

 

建築

話を元に戻すと、とにかく全てのスケールがデカいです。
まずホテルがデカいです。
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というか、これが大学の所有物らしいです。日本のビジホは俺に謝れ。
なお地震がないからか建築は簡素で、中心にデカい柱を立てて、その周りにいろいろくっつけてビルにしてました。too many earthquakerこと日本人としては色々不安になってしまいます。
そういうのが都会にはそこら中に立ってます。

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そして光ります。

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中国人に聞いたら、

「中国のビルはめちゃ光ってるけど、なんで光ってるのか俺には理由がわからん」

と言われました。

なんでだよ!と思いましたが、日本に帰ってきてビルを見ると意外と光ってるのであんまほかの国のこと言えないかもしれません。

ちなみに都会には一軒家なんてものは存在しません。そんな土地はねえ!

 

シンポジウムが開催されるまで日にちがいくらか開いていたので、向こうの共同研究先の教授が博物館につれてってくれました。中国渡航目的は観光ではないと言ったな、あれは嘘だ。

 

当然のようにでかい大仏が置いてあります。
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展示方法はかなり派手で、かつ大味です。展示物の絵や彫刻は色彩豊かでしたが、雑と言わざるを得ないです。

チームラボみたいにビカビカ光り輝く間もありました。

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こういうの見てると、あ~細部は割と気にしない国なんだな~という理解(あきらめともいう)になってきます。

というわけで、博物学というよりはアトラクションとしての機能が強かったです。
南京と北京の両方で同じようなのを見たので、割とスタンダードな展示方法なのではないかと推測します。

 

史跡名勝では当時の服装を着て写真を撮るのが流行りみたいです。これは日本と一緒ですね。

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こういうことをするのは日本だとディズニーランドとかUSJにいそうなシティボーイ・シティガールみたいな見た目をした人間でした。そういうところは一緒じゃなくてもいいのにと個人的には思います。

 

紫禁城黄河も見ました。

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P.M2.5でカッスカスなのは置いておいて、デカいです。

個人的に、中国人のスケールのデカさ・大味さは広大な平野、大河を日ごろ俯瞰していたことに由来するように思えるのだが、皆さんはどう思うか。


交通

中国はそれはそれはもう広いので、車での移動が必須です。が、慣れないと運転は厳しいでしょう。*1

なぜなら二輪が多いからです。大通りにはそれ専用のレーンがあるほどです。

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二輪は全て電化されており、乗用車も半分ほどが電化されています。なのでガソリンスタンドが全然見当たりませんでした。
この二輪がそれはもう自由に動きまくるので、運転難度を跳ね上げています。
いや、自由に動き回るのは二輪だけではなく、乗用車もです。中国の交通マナーは日本のそれとはは大幅に異なっています。まず信じられないことに車線変更ではウインカーを焚きません。合流したくて待ってても誰も入れてくれません。自分から突っ込んでいく必要があります。それが故にしょっちゅうクラクションが鳴っています*2)。路駐が多いです。あと渋滞も酷いです。今回は運良く遭遇しませんでしたが、よく事故も起こるらしいです。当然ですわな。
なんですが、それで怒ってる人を一人も見ませんでした。よく言えばおおらかな、悪く言えば鈍感な国民性と言えるでしょう。あるいはなんでも日常化すると怒ることはなくなるのかもしれません。逆に日本人はめちゃくちゃ神経質なのかもな〜ともまた同様に思いました。

 

会期の前後には教授の金魚の糞として大学を3つほど訪問したのですが、昼食と夕食はほぼ毎食過度の歓待を受けました。
常にこれです。
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まじ美味いです。まじ美味いんですが、毎食これなのでだいぶ飽きます。しかしここで飲み食いしないのは中国的にはマナー違反らしいということは事前に知っていたので、頑張って沢山食べて飲みました。
なお地方によって歓待の仕方にも違いがあるようで、北京では比較的おとなしめだったのに対し南京はホスト側が次々と客人の席に訪れバリバリと白酒を注ぎ乾杯をして飲みまくっていました。比喩抜きで2分に一回は乾杯します。*3

さらに言うと地方都市の方が歓待の度合いが強く、揚州(南京の上くらいにある、名古屋よりちょいデカいくらいの都市)に行った時は「南京はアヒルだが、揚州ではガチョウが名物なんだ。食べてみてよ!」「ガチョウの舌は高級食材なんだ。食べてみてよ!」というように名物を次々と勧められ、我々はされるがままに食べ続けました。

ちなみに、中国料理と言えば辛い印象があるかもしれませんが、全然辛くありませんでした。曰く、辛いの苦手な人も結構いるし、そもそも辛いのは四川料理だけだとか。まあ、そうだよねー。逆に広東料理は味がしないそうです。それは違うと思います。

全体的に旨味の強い肉料理が多かった印象があります、意外に思うかもしれませんが、味噌や醤油がある日本料理のほうが味濃いし、だいぶ塩辛いと思います。特に名古屋めし、お前。中華で濃いのは甘みと旨味、あと油です。こいつらのせいで胃が大変なことになります。

なお中国の物価は安いので、これらの料理は日本で居酒屋で飯食うくらいの価格で食えるらしいです。信じがたいですね。(かわり?に酒は超高い)

 

そのほか

本屋がない

文革後初めて渡日した世代の、偉いおじさん(日本に30年間いたらしく、日本語が超上手い)が教えてくれました。確かに紫禁城周辺に一つ、北京の繁華街に一つの計二つしか見てません。日本だけでなくアメリカと比べても極端に少ないらしいです。
彼曰く中国人には本を読む文化があんまりないそう。

 

北京の大気はやばい

PM2.5が常に舞ってます。

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えー、これは雲とかではありません。ガチスモッグです。

朝起きたらこれだったので、マジ今すぐ日本に帰りて〜と思いました。

 

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これは15:00ごろの太陽ですが、フツーに肉眼で見えます。太陽光がチリに反射して赤いです。モネの「印象 日の出」みたいになってます。

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あれも産業革命期の煤煙で汚れた空のせいで太陽が赤く見えてるらしいので、北京の空は実質モネです。


(ご老体はマスクとかしてましたが)彼らは慣れきってしまって平気そうです。北風が吹くと晴れるんだ〜と言っていましたが、それは日本に飛んでくるのでは????やめろ

 

プロパガンダ

最後にみんな大好きプロパガンダについて一応書いておきましょう。書かないとウソになりますしね。

中国の町中には

 

そこにも

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あそこにも

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そこらじゅうにプロパガンダがあります。空港について入国した瞬間からあります。

 

一番よく見るやつはこのスローガンです。

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この24文字のスローガンには、ゴシック体で強めのやつから、スタイリッシュな広告風のものまでいろんなパターンがあります。
昔からあると思いきや、意外なことに2010年代になってから制定されたものらしいです。どうも習近平体制以降プロパガンダが強化されているようですね。

 

なおこれを見て中国は危険な国なんだ......日本に生まれてよかった......と思うのはアホです。日本で見られる身近なプロパガンダとしては「非核平和宣言(都市)」とか「竹島は日本の領土」とかがあります。要はプロパガンダそれ自体は日本にも全然あるので、中国のそれを見るだけでプロパガンダアレルギーを発症するのは感情的がすぎるということです。

中国が日本と明確に異なる点は、公的機関はプロパガンダ社会主義核心価値観)を提示することが義務付けられていること、公的機関以外も掲示の有無が査定に影響することです。

以下検閲基準です。

  1. 社会主義核心価値観を持つ人間を育成するため、中国共産党は中国の各学校・病院・会社・ネットカフェ・店舗・ショッピングセンターなどの場所に「24文字」のある横断幕や電子掲示板が立たされることを要求している。学校・病院などの公的機関に対しては、要求ではなく、義務として付けられ、効率的に宣伝をする。
  2. 毎年は公的機関の宣伝や報道の総量を統計し、2か月ごとに以下のものをチェック:「24文字」の価値観をランダムに新聞サンプル・テレビのスクリーンショット・コアバリュー・公共サービス広告に書き込み、普及の効果を果たす。
  3. 社会的にこの価値観を信じていることを造るため、予告無しに住宅地・回廊・路地・建物の囲い地・駅・公園・広場などを検査し、「24文字」が無い場所の所有者に警告をする。
  4. 大学・中学校・小学校の写真を毎月一回に提供し、学校の雰囲気が「24文字」に合うかどうかをスポットチェックする。合格した学校はその校内生活の様子を録画し、所在地のメディアに広める。(Wikipediaより)

この国には住みたくねーと思いつつ、日本も富国強兵のプロパガンダもといスローガンのもと発展していった過去があるのでなんか複雑な気持ちですねー。まあ彼らが満足してるならそれでいいんじゃないでしょうか。

 

 

 

 

 

以上です。

という感じで、(悔しいことに)わりにカルチャーショックを受けてしまいました。

日本から2時間飛行機で飛んだところに、ここまで文化の違う土地が存在することには正直驚きです。百聞は一見に如かずってやつは(悔しいことに)本当です。

なお、中国はかなり面白い国ではあったんですが、住みたいかと言われるとNoです。観光にはかなりおすすめですが、見どころがありすぎて住むと疲弊しそうです。次行くとしても5年~10年は最低間をあけないと体がもちません。住むならアメリカとかのほうが絶対いいですよ。アメリカもよく知らないですが。

 

といいつつも、中国に行けたことはかなり良かったと思います。
別に中国じゃなくてもアジア圏ならどこでもよかったと思いますが、自分と大して見た目も変わらない人間が(同じような社会階層にもかかわらず)全く違う文化圏で生活をしているのを目の当たりにすることで、自分の生活を客観視することができました。自分の生活を客観視するのは国内でも可能です(ex. 貧乏人としゃべる、金持ちとしゃべる、バカとしゃべる、インテリとしゃべる)が、国内では得にくい新たな評価軸を得たような気がします。
(だから――これは本当にどうでもいい話ですが――インド行って人生観変わる男とか、語学留学して西洋かぶれになる女の気持ちが(マジで、気持ちだけですが)わかるようになりました。彼らが愚かなのは、新たに得た価値観が善だと盲信しているところです。)

 

なので、みんな海外に行ったらおもしろいんじゃないかな~と思います。暇ならなお行くべきでしょう。ヨーロッパやアメリカじゃなくて東アジア、そのなかでも中国は日本と離れ過ぎず近すぎない、いい文化的距離感だと私は思いますよ。

 

おわり

 

 

*1:そもそも中国は国際免許証が使えないのであまり関係ないのだが

*2:揚州が特に多く、10秒に1回は必ず鳴っていた

*3:南京の方のホストは飲兵衛だったので、その影響かもしれませんが