名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

2020年良かった音楽

こんばんは。2020年冒頭に「2020年は復活と再生の年だ......」とツイートしたら、分断と破滅の年になってしまいました。もう言霊なんて信じない。榊原です。

そんな分断と破滅の一年も終わってしまったので、去年と同様にまた性懲りもなく2020年に聴いた曲を発表していきます。

 

その前に

皆さんお気づきのとおり、去年のにはあった「紅白」の文字がないですね?

そうです。なんかもう紅白歌合戦が完全にどうでも良くなったので、紅白の名を冠するのをやめました。*1

 

そして今回は2020年が終わってからの発表になりますが、それは敬愛するHASAMI group 青木龍一郎氏の発言に感化されてのことです。

 こんなこと言われたら、12/31 23:59まで粘るしかないですよね......

 

粘った結果、12/31 23:59前までに選んだ曲から特に変更はありませんでした。(←????????????????????????????????????????????????????)

 

また例によって僕が2020年に聴いただけで新曲とは限らないです。というかほぼ新曲ではないです。なんでだろう、不思議ですね。

そしてこれも例によって、全ての曲は独断と偏見により選考しています。

 

目次

 

ポスト渋谷系発掘経過報告

2020年前半は特に良い新曲に出会えず、ひたすら渋谷系の後継、ポスト渋谷系を聴きあさっていた時期がありました。ここにその成果の一部を公表しますが、ここに挙げるような良い曲はやはり普通に有名だったので別に目新しさはないです。

 

Cymbals - Show Business 

Cymbalsは1997年結成のバンドで、ポスト渋谷系に分類されます。ちょっとパンキッシュなのが特徴です。

僕はカヒミカリィのone thousand 20th century chairsがめちゃくちゃ好きで、それに匹敵する曲を日夜探していたのですが、これやん......となりました。

頭から終わりまで全部サビみたいな曲で、実質とっとこハム太郎うたと同じです(違う、と言いたいところだが、曲形式が同じなので本当にそう)

 

ROUND TABLE - Every Every Every


Round Table - Every Every Every

ROUND TABLEは1993年結成のユニットで、近年はアニメ関連の仕事が多いです。

かく言う僕もコロナで籠城してたときにそれでも町は廻っている(それ町)というアニメを見、BGM担当であったROUND TABLEを知りました。

 

ちなみにそれ町は全体的に音楽が良く、例えばOPはシュガー・ベイブのDowntown のカバーです。この曲のカバーの中では屈指の完成度だと思います。


それ町面白かったのでみんな漫画買って読んでください(アニメより漫画の方が面白い)。

 

COPTER4016882 - J Madd 9

名前が覚えられない。

COPTER4016882はマイナーなようでネット上に情報がほとんど転がってません。何者?

Apple Musicで適当に聴いてたらいつの間にか聴いてました。アーティスト名から察せますが、詩や曲がやたら捻くれてます。その捻くれ具合が好きです。サンプリングも一々シニカルでコミカルで素敵。

 

Qypthone - マフィン大作戦

Qypthoneは、去年紹介した中塚武がやってたグループです。中塚的陽キャサウンドが良いですね。陰キャだけどそう思います。メロディが良い意味でアホっぽいのも陽キャ具合を加速させていますね。別に陽キャがアホだといってるわけではないですよ。

 

Plus-Tech Squeeze Box - Dough-Nuts Town's Map

Plus-Tech Squeeze Boxハヤシベトモノリとワキヤタケシによるユニットで、スポンジボブの映画のサントラに参加するくらいには有名なようです。

これが収録されてるアルバムは全体的にカートゥーンからのサンプリングが過剰で、どれくらい過剰かと言うとサンプリング数4500超らしいです。歌詞までカートゥーンからのサンプリングという徹底ぶり。

ピラメキーノTVチャンピオン「アキバ王選手権」などのテレビ番組でよくBGMとして流れていたので、知ってる人も多いかもしれませんね。

0:40くらいから流れています。

この番組がゴールデンタイムに流れてた時代に戻りたいですね~。TVチャンピオン見てえ〜。

 

鹿乃 - Linaria Girl

鹿乃(かの)は所謂歌い手として活動開始したシンガーですが、今ではオリジナル曲を中心に歌っています。元々こうやって売り出すつもりだったんやろな

田中秀和とかが曲を作ってるので、曲はめちゃくちゃ良いです。

 

婦人倶楽部 - わたしお嫁に行くわ

婦人倶楽部のメンバーは、全員が佐渡島に住む主婦だそうです。コンポーザーである佐藤望佐渡に滞在する際に出会った主婦が台湾旅行に行くというので、佐藤はそのついでに曲を作って台湾公演をしたということです。意味が不明ですが、このイントロを聴くとそういうのがどうでもよくなるくらい素晴らしいです。台湾旅行のついでとかいうレベルじゃないです。

 

今年発売の新曲も良かったです。

君にやわらぎ

君にやわらぎ

  • 婦人倶楽部
  • ポップ
  • ¥204
  • provided courtesy of iTunes

 

 

洋楽 

Dorian Concept - No Time Not Mine

Dorian Conceptはオーストリア出身のOliver Thomas Johnsonによるソロプロジェクトです。別にドリア旋法を軸にした新しい音楽体系とかではないです。多分。 

ジャズからEDM、ロックにサイケを縦横無尽に行き来するサウンドにグッときます。

というのもこの曲が収録されているアルバム全体的にジャズ的なサウンドを"模倣"したらしく、模倣であるが故にジャズになりきれないが、そうであるが故にかえって奇妙で独自性のある音楽になっているっぽいです。

 

Tennyson - L'oiseau Qui Danse 

Tennysonはカナダ出身の兄Luke Tennyson、妹TessTennysonによる兄妹ユニットです。

音色からしkawaii future bass的な何かかと思ってたんですが、やってることが全然かわいくなくてウケました。

元々ジャズ出身のようで、もうそういうのがあふれ出ちゃってますね。

 

Knower - Overtime

会長の記事でお馴染みですね。ルイス・コールは元々知ってたんですが、何故かKnowerは知らなかったです。

まあ例の記事で語るべきことは語り尽くされている気がするので、次行きましょう。

 

Tigran Hamasyan - Levitation 21

Tigran Hamasyanはアルメニア出身のジャズピアニストです。メタルも好きらしく、随所にメタルっぽいリフがあるのが特徴です。変拍子大好きマンでもあるので最近はインド音楽のモチーフも取り入れているようです。

Levitation(=空中浮遊) 21という題名にあるように、21/16拍子を拡大・分割して様々なリズムパターンを生成し、浮遊するかのように演奏しています。プログレジャズ最高〜。

 

 

邦楽

ASA-CHANG & 巡礼 - 事件

ASA-CHANG&巡礼はもう何度か話に出してるので、特に紹介することはないです。

2010年にユザーンが脱退した後はリズムも平坦で、管楽器やヴァイオリンが曲にあってるとも思えなくてイマイチ面白味に欠けてたんですが、ここに来て現体制での最善の形になったのではないかと思います。かつてはタブラによって付与されていた楽曲の推進力が、今作ではちゃんと管楽器・ヴァイオリンによって付与されているように感じます。

声がいとうせいこうというのがまた絶妙で、曲終盤にかけての迫力がヤバいです。

同じアルバム収録の駅弁ソング(英語バージョン)もよかったです。駅弁食いてえ~

 

avissiniyon - 煙に水をかけましょう 

煙に水をかけましょう

煙に水をかけましょう

  • provided courtesy of iTunes

avissiniyonはiPhoneで楽曲を作るイマドキな uamiと激ヤバギタリストの君島大空によるユニットです。が、この曲に関しては君島大空の主張が強すぎてほぼ君島大空です。

サビでヌルッと拍子が変わるのが非常に気持ちいいです。ここだけ30回くらい聴いた。君島聴いてて常々思うんですが、途中明らかにヤバい音色が混ざるのに調和してるのが凄いです。なぜ?

同じアルバム収録のOrganはさらに音色がぶっ壊れてて良いです。

Organ

Organ

  • provided courtesy of iTunes

  

SUPER JUNKY MONKEY - あいえとう

SUPER JUNKY MONKEYは1991年結成のガールズ・アヴァンギャルドメタル・バンドです。FUNKY MONKEY BABYSではないです。確実に。

曲名が意味不明でまず面白い(焼津の祭りのはやし言葉らしいです)のに、ライブ映像も面白すぎるのはずるいと思います。

 

呆然とする中尾ミエと踊り狂う観客の対比最高じゃないですか?ジッと見つめるタモリがさらに異様さを引き立てています。

 

君島大空 - 縫層

君島大空は去年も書いたので、今年特に説明することはないです。

曲名は「ほうそう」と読むらしいですが、言われるまで「ぬいそう」と読んでました。

「縫層」は君島による造語で"内省のいつも雨が降っている場所、ひらかれた空の手前にある雲のようなもの、声や顔の塊、同音意義の包装や癒着という言葉が投影されるような、人がひとりの中で編み、勝手に育っていってしまう不安や喜びの渦を指す"言葉らしいです。なんかわかるようなわからんような気がしますが、前作と比べて激しい音やかわいらしい電子音の比率が高いので、そういうところでコンセプトが反映されてるんだろうな~と思います。

 

MYTH & LOID - FOREVER LOST

メイドインアビスというオタクホイホイ漫画・アニメがありまして、その劇場版の主題歌なんですけど、バキバキにカッコいいですね。劇伴を担当するKevin Penkinが作曲を担当しています。劇伴も良いので暇な人はどうぞ。

 

HASAMI group - 景色がほしい

2020年は、恐らくどの曲よりもHASAMI groupの曲を聴いた自信があります。何ならここ6,7年ずっと聴いてます。

HASAMI groupはアマチュア音楽グループです。聴けば「ああ、アマチュアだな」となること間違いありませんが、アマチュアならではの肉薄した感じがあって良いです。まあそれだけじゃあないんですけどね!それを書くとこの記事が冗長になりすぎるんですよ。既に冗長ですが。

 

この曲を聴きながら電車で帰るのがこの世で一番しゅき。

 

 俺たちの2020年はまだこれからだ!!!!!!

てな感じで、今年こそは復活と再生の年になるといいですね。おわり。

*1:ちなみに紅白歌合戦は全部見ました。Official髭男dismの曲は良かったです。