皆さんいかがお過ごしでしょうか。
いきなり寒くなったかと思えば猛烈な勢いで年末が迫り、あれよあれよという間に今日はクリスマスです。
今年は何につけてもコロナ禍抜きでは語れない1年でしたが、クリスマスも例外ではありません。
大勢で集まってパーティーをしたり、都会に繰り出して喧噪に揉まれたりすることは、この世相では難しかったことでしょう。
しかし、そんなときでも音楽というのは強いですね。
電波に乗ってみんなの元へ届いてくれます。
そういうわけで、今年のクリスマスは家で慎ましくクリスマスソングに耳を傾けてみてはいかがでしょう。
たまにはそんなクリスマスの過ごし方もリッチじゃないですか?
先日、名作同の会員たちに声をかけ、みんなのお気に入りクリスマスソングを集めてみました。
ジャンルも雰囲気もばらばら、さながらクリスマスソングのるつぼという感じですが、あなたのお気に入りのクリスマスソングを1つでも見つけていってもらえると嬉しいです。
【もくじ】
- 交響曲第2番「クリスマス」/Krzysztof Eugeniusz Penderecki
- ルーマニアのクリスマスキャロル /Bartók Béla
- サンタが町にやってくる(ジャズver.) /Dave Brubeck Quartet
- Christmas Time Is Here(cover)/Dave Koz
- きよしこの夜(レゲエver.)/Carlos Malcolm
- ペチカ(cover)/嶺川貴子 + rei harakami
- No.9 /鈴木慶一とムーンライダーズ
- ひそやかな12月 /松木美定
- おわりに
交響曲第2番「クリスマス」/Krzysztof Eugeniusz Penderecki
いきなり大曲ですが、「広島の犠牲者に捧げる哀歌」などで知られるクシシュトフ・ペンデレツキがこんな交響曲を書いています。
選者は榊山先生。
【選者のコメント】
一般的には後期ロマン様式に転換したあとの作風で書かれたと言われる交響曲で、重厚かつじっくりと展開する単一楽章の交響曲です。本来のクリスマスの過ごし方を考える時、あるいは今年のような世界的受難の年にはまた違う聴こえ方がするような気がします。ミサ的であるこの曲には「きよしこの夜」が引用されている点も面白いかと思います。
非常に重厚で荘厳な、本当に神様が降りてきそうなオーケストラ曲ですね。
古典的な作風に回帰した響きがとても神聖です。
ルーマニアのクリスマスキャロル /Bartók Béla
お次はピアノ曲。
選者はなんすい会員。
【選者のコメント】
(バルトークが)民俗音楽を分析してその語法をどんどん取り入れている初期の頃の作品です
ルーマニアにはコリンダっていう伝統的なクリスマスキャロルがあって、子供たちがそれを歌いながらハロウィンみたいに家を回ってお菓子とかもらう風習があるらしいです
ルーマニアにそんなかわいらしい風習があるとは知りませんでした。
この曲を聴いても見知ったキャロルは出てきませんが、何となくうきうきした気分になるのはやっぱり国境を超えた力なんでしょうか。
サンタが町にやってくる(ジャズver.) /Dave Brubeck Quartet
クラシックが続いたので、そろそろポップスに移ってみましょう。
クリスマス・キャロルのイカしたジャズアレンジ、心躍りますよね。
選者は榊山先生。
【選者のコメント】
変拍子をジャズに持ち込んだ巨匠で、ウェスト・コーストジャズの第一人者として知られるデイブ・ブルーベックが、サックスのポール・デスモンドらと組んでいた伝説的クァルテットである、デイブ・ブルーベック・クァルテットがクリスマス・キャロルやクリスマス・ピースをカヴァーしたものから、サンタが町にやってくるです。
渋みの中に童心のときめきみたいなものが残っていてナイスなプレイだと思います。
派手すぎない落ち着いたサウンドが大人っぽく、それでいて自然とノッてしまう名アレンジだと思います。
途中「荒野の果てに」のメロディが隠れているのもチャーミングですね。
Christmas Time Is Here(cover)/Dave Koz
もう1曲ジャズ行ってみましょう。
非常に色っぽいサックスで有名なデイヴ・コーズ、このアレンジもとても懐かしく感傷的です。選者は榊山先生。
【選者のコメント】
現代のacid jazz、smooth jazzのサックスプレイヤー、デイブ・コーズのクリスマスカヴァーアルバムから、これも定番曲のChristmas Time is Hereです。
たまには普通に楽しめるプレイもいいですね。
「Christmas Time is Here」は、スヌーピーで知られる「Peanuts」のクリスマスアニメ版をきっかけに作られた曲です。
原曲もとてもいい歌なので、ぜひ聞いてみてください。
きよしこの夜(レゲエver.)/Carlos Malcolm
さて、今度は変わりダネ。
なんとクリスマスソングの本場ジャマイカ版アレンジです!
選者はg会員。
別の曲を探す過程で偶然見つけてしまったそうですが、西洋の厳かな雰囲気とはやっぱり違って面白いですね。
アルバムの名前が「クリスマス・レゲエ」なのも、そのまんま過ぎて面白いです。
ペチカ(cover)/嶺川貴子 + rei harakami
「ペチカ」といえば、山田耕作による純国産の童謡です。
クリスマスソングなのかどうかは微妙ですが、ペチカを囲んで家族で団らんを楽しむ様子はとてもクリスマス的だと思います。
そんな暖かい歌を、rei harakami が非常に大人っぽくアレンジしたヴァージョンを紹介します。
選者は私、トイドラ会長です。
クリスマスの夜にぴったりなアレンジですね。
No.9 /鈴木慶一とムーンライダーズ
さて、お次は映画のサントラから。
選者はgyoxi会員です。
【選者のコメント】
クリスマスといえば『東京ゴッドファーザーズ』、ということでこの曲。
3人のホームレスが赤ちゃんを拾ったことから始まるドタバタ劇。
今年6月くらいに初めて観ましたが、とにかく色んなことが巻き起こるので常にドキドキして非常に楽しめました。
この歌はヴェートーベンの第9「歓喜の歌」のアレンジ(というか替え歌)になっているのですが、歌詞はだいぶやさぐれています。
映画を見ながら過ごすクリスマスもアリかも?
ひそやかな12月 /松木美定
最後に、J-popミュージシャンである松木美定の歌を1つ紹介しましょう。
とてもお洒落でありつつ、童心にも響く気がします。
選者は榊原副会長。
【選者のコメント】
元々ジャズ畑出身というだけあってジャズの語法をJ-popに落とし込み、ナイスな曲に仕上がっています。
クリスマスというと家族や恋人と過ごさねばならないような空気を世の中が醸し出していますが、この歌みたいに喧騒を離れて一人クリスマスを過ごすのもまた一興だと思います。
クリスマスとジャズの相性は抜群ですね。
よく眠れそうです。
おわりに
いかがでしたか?
名作同の紹介するクリスマスソングたち、気に入ってもらえたでしょうか。
最後の最後に、会員が作ったクリスマスソングを少しだけ挙げて終わりにしたいと思います。
皆さんメリークリスマス、そしてよいお年を。