名大作曲同好会

“音楽”を創る。発信する。

渋谷系の時代⑥ トラットリア編

~前回の記事~

 

nu-composers.hateblo.jp

 

こんにちは。

今回はミュージシャン単体ではなく、とあるレーベルにフォーカスしていこうかなと思います。

 

それはこちら

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トラットリアです。

 

トラットリアとは

トラットリアとは、1992年にポリスターというメジャーレーベル内に、小山田圭吾によって創設されたレコードレーベルです。

小山田圭吾が創設したため渋谷系という扱いを受けていますが(実際その側面も大いにある)、中身をのぞいてみるとブリティッシュ・ポップからノイズへと、相当アバンギャルドに展開されています。トラットリア(=イタリア語で"定食屋")なのは伊達じゃないですね。というわけでその中身をざっくり見ていきましょう。

  

ブリッジ

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ジャンルで言えばいわゆるネオアコに属します。カジヒデキがかつて在籍していたことでも有名です。フリッパーズギター解散により空いたネオアコ枠に上手く入り込んだようです(そう解釈している)。

 

 

シトラス

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非常にインディーな香りのする宅録ユニットで、個人的にめっちゃ好きです。

どの曲も基本滅茶苦茶短く、解散するまでついぞアルバムを出すことがなかったらしいです。しかしベストアルバムは存在するので、現在聴く分には困りません。

 

カヒミ・カリィ

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小山田の元恋人。たばこを吸う美人。良い。いわゆるウィスパー・ボイスの先駆け的存在です(もっと前からいるにはいますが)。あと、バックについてるミュージシャンが強すぎて曲が異常に良いです。

 

ASA-CHANG&巡礼 

KUTSU

KUTSU

  • provided courtesy of iTunes

現在は完全にヤバい曲を作ることでおなじみのASA-CHANG&巡礼も、初期はこんな曲を作ってました。今よりインド要素が強いですね。

ちなみにリーダーのASA-CHANG氏は元々東京スカパラダイスオーケストラのリーダーです。どうしてこうなった。

 

暴力温泉芸者

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中原昌也のソロユニットである暴力温泉芸者は、デス渋谷系の筆頭です。デス渋谷系とは所謂ノイズミュージックです。渋谷系全然関係ないです。売れるために、渋谷系を聴くファッションリスナーを殺すために安全そうなガワを被っています。

中原は文筆家としても活動し、最近はむしろそっちの方が有名です。

 

人生は驚きに満ちている

人生は驚きに満ちている

 

 

 

沖野俊太郎

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沖野俊太郎は、Venus Peterというバンドでブレイクし、解散後はソロで活動しています。聴いてわかるとおりアシッドジャズやファンクに影響を受けた、所謂渋谷系のイメージに近い作風となっています。ちょっと歌謡曲っぽかったり、逆に洋楽っぽいメロディーラインだったりして個人的に面白いです。

00年代にはアニメの主題歌をいくつも手がけ、海外ではむしろそっちの方で認知されてるとかされてないとか。

 

ムッシュかまやつ

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ムッシュかまやつは、60年代にザ・スパイダースというバンドで活動していたことで有名です。

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すげーUKロックですね。

正直ムッシュかまやつを一つのジャンルでくくるのは不可能なのですが、少なくとも90年代はファンク寄りの音楽を志向していました。若い世代のミュージシャンとの交流も活発に行っていたようで、新しいジャンルも貪欲に取り込んでいたようです。

 

 

ボアダムスとその一派

ボアダムス

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ハナタラシで活動していた山塚アイにより結成されたノイズバンド。正直渋谷系は全く関係ないが、90年代アヴァンギャルドを語る上で絶対に避けては通れない存在です。

 

ハナタラシ

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山塚アイのソロユニット。ライブハウスを破壊しまくったり、火炎瓶投げて一頃仕掛けたり(未遂)、本当に頭がおかしいです。これ一つだけで記事にできるレベル。

ちなみに山塚アイはトラットリア内にショックシティーというノイズミュージックのレーベルを立ち上げ、無数の作品を世に放ちました。狂気。

 

OOIOO

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ボアダムスのYoshimiOによるガールズバンド。チャットモンチーとかサイレントサイレンと同じ括りなので、めっちゃ安心して聴けますね。

このころはボアダムスとの差別化があまりされてませんが、次第にガムランなど民族音楽的なアプローチが多くなりました。

 

思い出波止場

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ボアダムス山本精一によるプロジェクト。個人的にめちゃくちゃ好きです。

フォーキーながら、どこか明らかに壊れた音楽です。

 

DJ光光光

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ボアダムス山塚アイの別名義。おそらくサンプリング主体の作品はDJ光光光名義で出してます。てかDJ光光光ってなんて読むんだ?

 

ボアダムス関連はここでおわりです。派生ユニットが多すぎますね。やれやれ。

 

 

補足・あまり長くてもアレなのでそろそろ〆る

トラットリアは上記の日本人ミュージシャン以外にもイギリスのインディーズや海外アーティストの再発を行っていました。というのもトラットリア自体が日英ポップスの交流の場として作られたからです。実際には当初のもくろみ以上に機能しましたが、2002年にレーベルは解散しました。多分、音楽出版の不況を受けて......。

しかし、92年から02年の10年間にリリースされた250の作品達は、きっと今でも聴かれ続けていることでしょう。中古で全然見かけないので多分そうだと思います(適当)。おわり。