名大作曲同好会

“音楽”を創る。発信する。

「机上の空中散歩」収録曲を語る② 「18時のクラレット」by なんすい

2. 18時のクラレット

 

どうも、なんすいです。

実は夏くらいからブログ執筆班に入れて頂いてたんですが、なんだかんだ1記事も出せてないまま秋が来て冬が来てコロナウイルスが来て、今回の曲解説が初めての記事となってしまいました。いろんな方々にごめんなさい。

 

 

 

 

 

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この曲は、初めてDTMで作った自作曲です。

今回のCD企画の話を初めて聞いたときは、DTMという新しいツールでの作曲にめちゃわくわくしていました。

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わくわくしていました

私にとっては初めてのDTMでの作曲ですが、名作同としてもDTMはめったに使いません。

そこで私が思ったのは、

「せっかくDTMを使うんだから、DTMだからこそ出来る、むしろDTMでしか作れないような曲を作りたい!」

ということでした。

 

そうなれば話は早い。

私はまず、「生演奏では無理だけどDTMでは出来そうなこと」をひたすら書き出すことにしました。

 

 ・めっちゃ跳躍するメロディー

 ・めっちゃ細かいパッセージ

 ・超微妙な音程

 ・なめらかな音程変化

 ・ほぼ無音からのクレシェンド

 ・やばい変拍子(32分の31とか…)

 

夢が広がりますね~~~~~DTM半端ねぇ~~~~~~~😁👍👍👍

もしかしたらDTM界隈では使い古されてる技法もこの中にはあるのかもしれませんが、私にとってはすべて「新しい地平」でした。いったいどんな音楽が出来るんだ。わくわくが止まらない。

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わくわくが止まらない

と思っていました。

 

しかし、止まらないわくわくがあれば止まるわくわくもある…私のわくわくが止まったのは、実際に作り始めてからでした。

まあ何事もそうですよね。大学の講義も履修前が一番楽しい。これはジョークです。

 

まず、使ったことがない技法をどう使えば良いのかわからない。それはそう。

曲で使いたい細かいことばかり先走って考えてしまって、曲そのものをどう書き始めていけばいいやら。

それから、やりたい技法が出来ない。そう、なんすいはDTM初心者なので、技術的知識を何も持ち合わせていなかったのです。

 

あと、「シンセサイザー」というやつ。もちろんDTMにはピアノとかフルートとか生楽器の音源も入っていますが、せっかくのDTMなんだから極力エレクトロニックな音源を使っていきたいなと思っていました。

ところが、その音源たちもクセが強いのばっかりで使いどころが分からない。しかも音源名全部英語で書いてるから目が痛い。

 

とうとう、「これは無理だ」と思い、やりたかったことは一旦全部あきらめることにしました。

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これは悔しくてハンカチを噛む人のイラスト

残念無念極まりませんが、方向を180°転換して、

 ・慣れた生楽器を使う

 ・その代わり自分が好きな音楽性をしっかり表現する

という感じで作っていくことにしました。

 

ここでやっと、今回の「18時のクラレット」を作り始めました。

実に3ヶ月、記事にして1200文字分の間悩んだ末の苦渋の決断でした。

 

 

 

 

 

 

 

さて、そんなわけでこの曲では自分の好きな感じをいっぱい表現しようとしました。

 

私はいわゆる「フランス音楽」が大好きです。

「フランス音楽」といっても大昔のフランス人が作った曲からF-popまで何でも指してるのではなくて、20世紀初頭にフランスで興った音楽性を指しています。

作曲家で言えば、ドビュッシーとかラヴェルとかサティとか…

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ドビュッシー。かっこいい

フランス音楽の特徴は色々ありますが、今回私がやろうとしたのは「調性をぼかす」ことです。

 

普段みなさんがよく聴く音楽は基本的に「中心になる音」がはっきりしてると思います。

ドレミファソラシドのドで音楽が「終わった感じ」がするとか、そういうのが分かりやすいと思います。これが「調性」がはっきりしているということです。

曲の途中でこの「中心になる音」が変わることもよくあって、それは「転調」とか「転旋」によるものです。

 

じゃあ、この「中心になる音」をコロコロ目まぐるしく変えていくとどうなるでしょうか?

細かい部分では確かに調性を感じるけど、通して聴くとどこが中心なのかよく分からない…みたいな感じになるわけです。

これが、私のやろうとした「調性をぼかす」ということです。

 

調性をぼかすために、色々な方法を考えました。

この記事ではそのうち1個だけ簡単なものを紹介します。

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上の7つの音で作られたメロディーがあるとします。

このメロディーはある長調の基にあるものとすると、それは下の2通りが考えられます。

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それぞれド、ソを中心とする長調です。

なんで1通りの長調に決まらないかといえば、メロディーに「ファ」ないし「ファ♯」が出てきていないからです。

このように、何通りかの調性が考えられるようなメロディーの下では、いくつかの調を目まぐるしく行き来しても不自然に聴こえなさそうです。

この方法は主題となるメロディーをはじめとして今回の曲全体に使われています。

 

他にも、部分的に刺繍音教会旋法なんかを利用して「調性をぼかす」試みをたくさんやってみました。別の機会に書くかもしれません。書かないかもしれません。調性もモチベも移ろいます(は?)

 

 

 

 

 

 

次に、「18時のクラレット」に私が込めたサムシングを書きます。

クラレットというのは、色の名前です。クラレットっていうワインが由来らしいです。

こんな色です。

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クラレット

赤紫ですね。

じゃあ「18時の赤紫」でいいぢゃん笑🤣とも思いますが、「赤紫」と言ってしまうとどうしても先入観が入ってしまう(私の場合は「赤紫」と聞くとアサガオが思い浮かぶ)ので、出来るだけみんな聞きなれてない色の名前を使ったわけです。つまりマニアックな名前なら別に他の色の名前でも良かったです。

 

さて、クラレットの意味が分かったところで、この曲のテーマは「小学生時代の夏の思い出」と「去年の夏休みに友達とひまわり畑を見に行った時の思い出」と「夏の終わりの夕方の帰り道の心情」を足して3で割った、という感じです。

わけがわからないですね。

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なんせ夏

大学の初めての夏休み。めちゃめちゃ長くて自分は無職なんじゃないかと思うくらい長かった夏休みの終わり。半分くらい無職の気持ちになっていた私は「え、1週間後から私大学通うってマジ???」という感じでした。

 

夏休みの楽しかった思い出が走馬灯のように浮かんできます。

大須で飲んだタピオカ、いろんなカフェ、そして友達と見に行ったひまわり畑。

いやあれめっちゃきれいだったな。

 

見に行った時は昼だったけど、夕方のひまわり畑ってどんな感じなんだろうか。ふと思って画像検索かけてみました。

やっぱりきれい…沈む夕日をバックに大輪の花を咲かせているひまわりたち。夕日に当てられたひまわりの花はクラレットに染まっていました。

 

↑ ん?

なんでひまわりが夕日をバックに咲いてるんだ?ひまわりって太陽の方を向くんじゃなかったっけ?

このひまわり偽物か?ガセか?アベか?アベの陰謀か?

 

調べてみると、アベの陰謀ではないっぽかったです。なんかそういうもんらしいです。まあ毎日一日中太陽追いかけてたら疲れるしね。

 

ともかく、私はこの夕日に向かっていないひまわりの画像を見て、夏が終わるという現実から目を背けたい自分の心持ちをひまわりに重ねました。

ひまわりって、花の中でも陽キャ中の陽キャみたいな感じなのに、沈む夕日から目を背けて夜が来る現実から逃げたりもするんだなぁと。なんだか不思議な気持ちでした。

 

それと同時に、「夏」という概念に付随する強い主観性に思いを馳せました。

ここから、小学生時代の思い出にも繋がっていくのですが、その経緯は今回は割愛します。実はあんまり覚えてないです

 

 

 

 

 

 

最後に、今回の曲の反省を書きます。

 

まず、音を重ねすぎたことです。

ある程度曲のベースをピアノで作ったのですが、ピアノでいい感じに響いた和音をそのまま別の音源で鳴らすと濁った響きになったりしちゃいました。

あとパートを増やし過ぎて、いわゆる「音圧」の面で満足いかないままの提出になってしまいました。

 

それから、リズムが単調すぎたことですね。

調性のことばっかり考えてて、リズムに変化が全然無かったのも要反省です。

 

そして、締め切りを思いっきり過ぎてしまったこと。

これは本当に良くない。もっと計画性を持ちます。

ちなみに本記事もかなりギリギリで書いてます。時間マジやばい

 

今期は大学のセミナーでDTMを使った作曲をやってるんですが、CD企画の反省も踏まえて、ちょっとは成長出来てるかなと思います。

DTMもブログ記事もまだまだ拙いですが、地道にスキルアップしていけるように今後も頑張ります!

 

 

 

 

 

締めの言葉が思いつかないので、ひまわりで面白いこと言います。

 

ひまわりの警察、ひまわりさん

 

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