名古屋作曲の会(旧:名大作曲同好会)

“音楽”を創る。発信する。

スペクトル学派の技法 初級編②

~前回~
nu-composers.hateblo.jp

 

今回は、実際にスペクトル学派の技法を使ってどのように作曲するのか、自作曲の解説を通してお教えします。 

 

【もくじ】

 

「変調」で素材を増やす

というわけで、スペクトルの技法で作った楽曲がこちら。

 この曲に用いた素材は、前回お話しした通り、北山トライアングルの音をスペクトル解析して得られた音列です。 

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しかし、ある程度長い曲を作るためには、上のような音列1コだけというのはかなりショボい素材です。

雪虫の幻想」は4分の小曲ですが、それでも4分間ずっとこの音列を聞かされ続けていたら流石に飽きてしまいますね。

というわけで、素材を増やそうと思います。

そのために使うのが変調です。

 

変調とは

変調という言葉は、もともと通信用語でした。

電気通信で音声を送受信するために、音声の振幅や周波数などを変化させ、音を加工することを言います。

分かりやすく例えると、ひらがなの手紙を暗号にして書き換えるようなものです。

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暗号


こう言うと難しそうに感じるかも知れませんが、DTMをやっている人にとって変調はむしろ身近です。

なぜなら、リバーブやEQのようなエフェクターは、入力された信号を何らかの形で変調して出力しているからです。

つまり、ごく簡単にいってしまえば、もとの素材を好きなエフェクターにかければ、新たな素材が得られるというわけですね。

 

こういうわけで「雪虫の幻想」では、元の素材であるトライアングルの音の他に、それを加工した音声を7種類用意し、それぞれをスペクトル解析し直して得られた音列も使っています。

こうすることで、1つの音から8つの異なった音列素材が得られるわけです。

雪虫の幻想」では、それらの素材を徐々に変調の度合いが強くなっていくように配置して使っています。

 

スペクトルの弱点、それは――

8つの素材があれば、曲を作るうえで困ることはないでしょう。

しかし、作曲の上でとても重要な点についてまだ全然決めていませんね。

そう、リズムです。

使う音は決まったものの、曲のテンポやメロディ、拍子などが決まっていません。

ところが…………

 

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近藤譲

そう、スペクトル学派の考え方だけでは、リズムを決定することができないのです。

そのことをいち早く指摘したのは、線の音楽で一時代を築いた作曲家・近藤譲でした。

スペクトル学派の考え方は、縦方向(音の高さ)に対してはとても論理的に考えることができます。

素材となる音を科学的に解析するわけですから、当然ですね。

ところが、横方向(音のリズム)に対しては一切の論理性を持っていません。

 

これを解決するため、スペクトル学派はグングン進化していくわけですが…………

今回は深入りしないことにしましょう。

とにかく、リズムの素材は自分で作るしかなさそうです。

存分に創意工夫してみましょう。

 

実例として、「雪虫の幻想」の話をします。

まず、音列のオクターヴ上下移動は許すことにして、マリンバのパートに次のようなメロディ・モチーフを設定しました。

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モチーフ

茫洋とした曲調にしたかったため、テンポや拍子ははっきりしないように滲ませました。

 

次の曲に向けて

というわけで、スペクトルによる作曲の要点は以下の通りです。

  1. 素材となる音を決める
  2. 必要に応じて、好きなエフェクターを用いて素材を増やす
  3. それらをスペクトル解析し、音列を得る
  4. リズムは独自に考えねばならないことに気を付け、作曲する

…………しかし、今回紹介した方法とは少々違う観点のスペクトル技法もあります。

それで作ってみたのがこちら。

 


次回に続く!

 

 

俺がエスペラントやる話 後編

〜前回〜

前回までのあらすじ

好きな曲聴いてたら実はエスペラント詞の曲だった。都合のいいことにエスペラントが出てくる百合ゲーがあったからやりますやります。今回はその実録です。ネタバレもそこそこあるので一応ご注意を。

 

ことのはアムリラートをプレイする

とりあえず始めてみた

紹介動画等々もロクに観ずに始めたので、事前に知っていた情報としては、

・百合ゲーらしい

・なんか異世界に行くらしい

異世界の言語はエスペラントらしい

・割と本格的らしい

ということくらいです。それでは早速、ハジマリハジマリ。

 

主人公・高遠凛鯛焼きを食おうとしたところ、突如平行世界にすっ飛ばされます。

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昼夜問わず空がピンク色のヤベー世界

 

戸惑う主人公...そんな彼女にこの世界で暮らす少女、ルカが救いの手を差し伸べてくれます。

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"Ĉu mi povas helpi al vi?"

 

異国語で。

 

勿論主人公はまだこの言語を理解できていないので、異国語のダイヤログは、彼女が聞いたままのカタカナ表記となっています。主人公がこの世界の言葉に慣れてくるとだんだん異国語表記になっていくんだって。へぇ〜。

ルカはほんの少し日本語が話せる為、ルカの家に泊まらせてもらいその後なんやかんやあって......

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なんやかんや(サービスシーン)

この世界の文字の講釈が始まります。この世界の言語はユリアーモと呼ばれているそうです。文字はだいたいアルファベットの原型をとどめているので、自分はすぐ覚えることができました。

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まだまだ余裕だな!

 

そして街へ連れ出され、街を案内してもらうのですが...

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八百屋さん、魚屋さん、肉屋さん。

そのついでに、ユリアーモにおける店の呼び方の講義が始まりました。この世界では(売ってるモノの名前)+ヴェンデーヨで店の名前を示し、略してエーヨと呼ぶそうです。例えばパン屋だと

 

パーノ(パン)+ヴェンデーヨ(店)ネーヨ(パン)

 

といった感じ。おお、なかなか本格的ですね。

 

その後凛ちゃんは、役所(的なところ)へ連れていってもらい、ヴィズィタント(訪問者)として登録してもらうのでした。この世界では異世界から人がすっ飛んでくることは稀にあるようです。まあひとまず、ヨカッタヨカッタ。

 

エスペラントを調べてみた

ここまで本格的となると、流石にエスペラントについて知りたくなってきました。エスペラントが、私、気になります。

さてさてネットで調べてみると、めちゃくちゃ教材が充実してるんだなこれが。流石は世界共通言語です。ここで、良かった(良さそうな)サイトをいくらかピックアップしておきますね、読め。

ウィキブックス エスペラント/文法

とりあえずザクッと文法の全貌を知りたいならこのサイト。内容もシンプルで、英語とかで使った文法用語を知っておけばすぐ読める。オススメ。

 

萌えるエスペラント語 っ!

中学時代に知った(前述)時にググったら出てきたサイト。当時は一部工事中だったが今ではフルで公開されている。キャラクタを使い、会話形式で講座が進むのでかなり読みやすい。

 

おほもと エスペラント学習

新興宗教の大本は教義でエスペラントの学習を推奨してるから、教団のホムペにこういうページもある。割と教材が充実してるし、アンチ宗教とかじゃなければ普通に活用できると思った。

 

ネットワーカーに贈るエスペラント語入門

沼津エスペラント会による入門者向け解説講座(ガチ)。例文・例題がめちゃくちゃ豊富なので、これちゃんとやればだいたいマスターできるのでは。

 

ドリル式エスペラント入門

文法解説もあるけど、「ドリル式」ということもあり例題が主。一旦ちゃんと学んだ後とかの復習用とかにピッタリだと思った(やってない)。

 

ガッツリ勉強させられた

さて、ストーリーを進めていくと最初の勉強モードにブチ当たりました。まずは数詞の勉強です。

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数詞まで覚えさせられるのか...

勉強モードだけあって、もちろん選択式の問題があります。勉強モードは設定でスキップ可能ですが、ストーリーよりエスペラントやる方が楽しくなってきたのでちゃんとやりました。

 

さらにストーリーを進めると...

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???????

今度は例文を覚えさせられました。

 

「やべぇ、このゲーム、“ガチ”じゃん。」

 

薄々気づいてはいましたが流石にここまでとは思っていなかったので、慌ててノートを買ってきて暗記ノートを作成しました。何やってんだ...

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何やってんだ俺...

こんな例文どこで使うんじゃい!!!!!!と、思った矢先。主人公は習ったことを活用すべく街へ買い物へ行く、というストーリーがあるのでした。

このストーリーでは異国語ペラペラ現地人 vs カタコト訪問者の構図が完全に成立しています。海外で現地の店に入ってなんとかして買い物をしようとする時の、もどかしいような緊張するようなあの感覚がこのストーリーでは体感することができます(冷汗)。

 

普通についていけなくなった

ストーリーもそこそこ楽しみつつエスペラントの学習も楽しんでいた私ですが、ここで大きな壁にブチ当たります。それは相関詞の登場です。

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相関詞の一覧表

相関詞とは、日本語でいう「こそあど言葉」みたいなもんです。「こ・そ・あ・ど」のアタマ4種類×色んな語尾 でモノだったり場所だったりを示しますよね。それがエスペラントではアタマ5種類×シッポ9種類計45種類あるのです。

これをバカ真面目に覚えようとしましたが、「あ、これ絶対途中で気力折れるやつだ」と思いました。従属接続詞がガチ解説されるゲームなんて見たことねぇよ。

 

さらにこれに追い討ちをかけるように「作文の勉強」という大量の副詞&前置詞&その他諸々が出てくるモードが登場し、そして私は真面目に覚えることを放棄しました。因みにこの「作文の勉強モード」には60問ブッ通しの選択問題があります。

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これの答えはLaŭ (〔前〕〜に沿って、〜によって)

 

そしてその後は、エスペラントの学習はそこそこに、後は楽しくストーリーを進めてクリアしたのでした。おしまい。

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楽しくストーリーを進めて(ただしガチエスペラント)

 

ひとまずプレイし終わった

さて「ことのはアムリラート」をプレイした感想ですが、このゲームかなり楽しめました。ストーリーもそこそこ面白かったのですが、個人的にはストーリー2:語学要素18くらいの割合で楽しんでいた気がします。さらに、クリア後にはユリアーモ表記のダイヤログをエスペラント表記に変える機能や、訳文を表示する機能が追加されたり、公式グッズとしてエスペラントフレーズ集が販売されていたりとアフターフォローもばっちりです。本格的どころではありませんでした。ガチでした、このゲームは。

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公式エスペラントフレーズ集(買いました)

 

しかしながら、エスペラント、そして語学要素に触れたことで私の視点は大きく広がったのでありました。世の中には語学の勉強を楽しんでる「語学オタク」な人が居ますが、そんな人達の気持ちがちょっとだけ理解できたような気がします。また、丸善の語学コーナーを通り過ぎる時に「すげぇ!世界にはこんだけ言語があるのか〜」という感情になったのは今回が初でした。すごいですね、語学の世界って。

 

あと、今回このゲームをプレイするに至った元凶である「ルーミス・エテルネ」ですが、文法的にはかなり単純で辞書さえ駆使すれば容易にその内容が理解できることも分かりました(ま、後半で日本語でエスペラントの内容を日本語で歌ってますが...)。自分でもほぼ歌詞も暗記できちゃったレベルなので、これからエスペラントをやる方は聴いてみてはいかがでしょうか(隙あらば宣伝)。

 

ルーミス エテルネ

ルーミス エテルネ

 

おわりに

とまぁ熱心に語ってきた訳ですが、「2ヶ月経ったらすぐ熱が冷める」という生まれつきの性分によって、今現在はエスペラントには全く触れられてないです...

が、雑ゥ〜に勉強したら、実力(と勘)によって60問ぶっ通しモードで50問正解できたりもしたので、知識ゼロ状態からは圧倒的な成長を遂げている訳で。エスペラントに触れることができた、というこの経験は一生モノじゃないかなぁ〜、なーーーーーんて気もしてます。

新年度、ちょっと違うことをやってみたい人は、エスペラント学習にでもチャレンジしてみては?

 

...やれよ?

 

ではまた。

 

〜つづき〜

さらば、DC/PRG

2021年2月22日、Daft Punkが解散を発表しました。

 

そしてその裏で、菊地成孔率いるDC/PRGもといdCprGもとい菊池成孔DCPRGもといDCPRGもといDATE COURSE PENTAGON LOYAL GARDEN (以下DCPRGで統一。名前がコロコロ微妙に変わりすぎ。)というビッグバンド も解散宣言を発表していました。

 

mikiki.tokyo.jp

 

非常にショックでした。今までバンドの解散に対してショックを受けることが全くなかったため、二重に衝撃だったのですが、全くどうしてこうもショックなのでしょう。ちょっと思い返してみました。

 

ライブ唯一のMCで

菊地成孔「このツアー3時間コースなんだけど、名古屋だけ移動の都合で2時間ね」

と言っていたのに、ライブ後普通に打ち上げして普通に翌日の朝に大阪に移動してたせいかもしれません(3時間コースできるじゃん......)。

もしくは、サインしてもらうときに菊地が私の名前間違えたのを根に持ってるからかもしれません。

しかし、やはりそれはDCPRGから得られる音楽体験が、他ではなかなか得られないものだからだとおもうのです。

 

DCPRGの音楽

DCPRGの音楽はいわゆるクラブジャズにあたるものだと思われます。が、そうとも言い切れない部分も多く、巷ではよくわからない・ノれない・ジャズではない等の声も聞きます。ここではその音楽がいかなるものであったか、解散を機に思い返してみたいと思います。

 

菊地雅章・エレクトリックマイルス

DCPRG菊池成孔によって1999年に結成されましたが、その目的の一つに菊地雅章のCircle/Lineを演奏する、というものがありました。


Masabumi Kikuchi-Circle/Line

ちなみに菊地雅章はマイルスデイビスとセッションしたことがある数少ない日本人の一人です。

 

そしてみごとなる完コピ。


DCPRG - Circle/Line~Hard Core Peace

 

そしてコンセプトの主軸となったのがエレクトリック・マイルス。それはマイルス・デイビスが電子楽器とズンチャカやってたときのやつ。凄い怒られそうな書き方をしています。


M Davis Bitches Brew 1970Full Album] HD 1080p (1)

これらを軸にDCPRGは活動しました。特にマイルス・デイビスDCPRGの活動、ひいては主宰の菊地成孔の中核になっています。

 

ポリリズム

さらにDCPRGを特徴付けるのはポリリズムでしょう。

アフロポリリズムやファンク、現代音楽を取り入れることで、クラブカルチャー/ダンスフロアに、従来とは異なる律動構造をもったダンスミュージックを提示することを音楽的な主眼として結成された。(Wikipediaより引用)

とあるように、ポリリズムDCPRGの目的にとって欠かせないものでした。ここにはアフロ(=アフリカ)とありますが、アフリカ的なポリリズムからは外れたモダンな用例も多く見られます。

 

構造Ⅰ 現代呪術の構造


DCPRG - 構造Ⅰ (現代呪術の構造)~Live Version

最初は5/4拍子ですが、すぐに16分音符5つ分を一拍とする4/4拍子のリフが同時に演奏されます。

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つまりこう



 

HEY JOE


2017年0124 新宿BLAZE DC/PRG「HEY JOE」

構造Ⅰの発展系とも言えるのがこれです。17/16拍子の上に4/4拍子のテーマを気合いで乗せています。最近理解しました。前ブログに載せた時よくわかってませんでしたが、理解してもよくわかりません。ちなみに17/16と4/4の組み合わせにはおそらくちゃんとした理由があります。

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こういうこと

このように17/16を64分音符で分割して、64分音符17個で一拍とすると4/4にできるのです。結構綺麗に割れるもんですね(人間が演奏できるとは言ってない)。これらように拍を割ることで、複雑なポリリズムでありながらちゃんとフロアでノれるような律動を維持しているというわけです。多分。知らんけど。

 

さて肝心の曲ですが、前半の摩訶不思議な構造とは打って変わって、後半では超明快な4/4でカタルシスがすさまじいです。構造としては普通ですが、ライブ映えが半端じゃなく、筆者はライブでこれを聴きながら涙したといいます。

 

ちなみに元のアレンジはこう。


DCPRG 「Hey Joe」

 

 

更にちなみに原曲はジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンスです。


The Jimi Hendrix Experience - Hey Joe (Official Audio)

ずいぶん換骨奪胎してますね。

マイルスはジミヘンが大好きだったらしく、なんと一緒に録音する計画まであったようです。

 

マイルスイズム

ここまで私が提示する音源をちゃんと聴いてくれた(聴け)皆さんならおわかりだと思いますが、どう聴いても編成が所謂ビッグバンドのそれではないですね。キーボードが二台ある時点でなにやら不穏ですが、更にツインドラムにタブラ・パーカッション、CDJ、時にはチューバ、ホルンと、時代と共にメンバーを入れ替え、何でもありの様相を呈しています。

 

DCPRGはエレクトリック・マイルスを基軸にしている(というか主宰の菊地がマイルス大好き)ことから、これらは全てマイルス・デイビスの思想=自分より若い優秀なミュージシャンと活動しなければならないに影響を受けて意図的に行われているのだと思われます。特にメタルのギタリストを加入させたのは、マイルスがジミヘンと共同録音する計画を現世で実現させた場合どうなるのか知りたかったからなのではないか?と勘ぐってしまうほどです。(HEY JOEのカバーも同様の疑問から行っているのではないかと思います)

 

さらに演奏も何でもありのご様子で、坪口(Key)の緻密な音色を菊池のワウオルガンがぶち壊していますし、ギターはギターで場違いな高速メタルソロを披露しています。

調和しているとはとても言いがたく、要するに個が衝突しまくっています。この点が個人的に凄くジャズっぽい(というか、"らしい")と思います。

DCPRGはジャズではないと言われがち(だし、曲を聴くかぎりではそう思う)ですが、このような思想面を考慮すると非常にジャズらしいバンドだと言えます。

 

 

ちなみに~おわりに

DCPRGは2000年代前半に一度解散しています。なのでそのうちまた再結成するんじゃね~(ハナホジ)と思う自分もいるにはいますが、前回は解散しても裏では活発に活動していたのにくらべて、今回はコロナ禍ということもありライブもできず、レコーディングもしているわけでもないようです。

解散宣言に「伝統芸能化がポリシーにそぐわない」とあるように、DCPRGでやれることはやりつくしてしまったのでしょう。

バンド名がコロコロ変わったり、メンバー交代が激しかったのは、音楽的な行き詰まりをどうにかして打破しようというあがきだったのかもしれないと今になって思います。とはいえこんな希有なバンドがなくなってしまうのは本当に残念です。そしてさようなら。

 


DC/PRG結成20周年ツアー<20YEARS HOLLY ALTER WAR MIRROR BALLISM>トレーラー(over 30 min)

酒と女と歌とバラと泪と男?

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酒宴

 酒と音楽については多くの芸術家が、各界の名士がその官能を同列に語っている。

 

 え?下戸にいわないでくれ?

 

 まあそうなんですが、今日はお酒が飲めない人には申し訳ないですが、酒と音楽の官能について、いろいろな曲を聴いて見たいと思います。

 

 そもそもなんで酒と女なのか。

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人間の堕落

 多分それは「酔う」ものだからなのではないでしょうか。
 そしてそれは根源的には「神への捧げ物」だからなのかもしれませんね。
 本体神への捧げものである、それらを人間が頂くことで、至上の快楽を得る。
 まあ、人間の堕落の象徴といえばそれまでですが、苦しい人生に許された僅かな楽しみということも出来るのではないでしょうか。


 しかしそんなことよりなによりみんな「好き」なんでしょうね。

 

 かく言う私もお酒は大好きです。
 若い頃のようには飲めなくなりましたけど、機会があれば美味しい酒を楽しんでいますよ。

 あ、私は大の日本酒党でして
 日本酒と、ビール、ほんの少し焼酎をのみますが、ほとんど日本酒ばかり飲んでいます。
 お好きな方、是非ご一緒しませんか?
 げっそりするぐらいディープに語り合い、最後は荒れ狂う嵐のごとく…。ゴホンゴホン

 

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Deacon Blues/Steely Dan

 音楽と酒、もちろんPopsでは普遍的命題すぎて山のように名曲がありますね。
 酒とバラの日々、ホテルカリフォルニア、ディーコンブルース

 

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酒よ/吉幾三

 日本にももちろん「演歌」がありますのでこのテーマは親しみがありますね。
 舟歌、酒よ、これが呑まずに居られるかい…

 

 さて今回はクラシックではこの命題でどんな曲があるのか聴いていってみることにしましょう。

 

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ヨハン・シュトラウスII

 それならまず出てくるのは間違いなくこの曲、ヨハン・シュトラウスII世ワルツ「酒、女、歌」でしょう。

www.youtube.com

Wein, Weib und Gesang/Johann Strauss II

 

 この曲はジョセフ・ベルの詩にシュトラウスが曲をつけたものです。
非常に長い序奏とウィーン気質のワルツが印象的、ワインを注ぎまくる悦楽がありますね。

 あ、私はワインは飲めません(聞いてません)

 

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ジュゼッペ・ヴェルディ

 そしてもう一つクラシックの酒の大名曲といえば、オペラの巨人ジュゼッペ・ヴェルディの書いた名曲がありますね。
 歌劇「椿姫」から「乾杯の歌」です。

 

www.youtube.com

La traviata - Libiamo ne' lieti calici/Giuseppe Verdi

 

 青年と娼婦の恋を、複雑な青年の嫉妬心などを織り交ぜ描き、乾杯の歌は青年と娼婦の出会いの場になったパーティのシーンで歌われます。
 酒席の高揚した気分が見事に表現された大傑作だと思いますが、なんと初演は大失敗だったらしいですね。

 

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カミュサン=サーンス

 ちょっと通っぽくなるとこんな曲も出てきます。
 フランスの作曲家、カミュサン=サーンスの書いた歌劇「サムソンとデリラ」の中の「バッカナール」です。

 

www.youtube.com

Samson et Dalila - Bacchanale/Camille Saint-Saëns

 

 バッカナールというのはそもそも神様バッカスの名前から来ています。
 バッカスはワインの神様であり、これを祀る酒宴の踊りを描いたシーンなんですね。

 

 そしてこのバッカナールを「饗宴」と約して書いた日本の作曲家がいます。
それは黛敏郎です。

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黛敏郎

 黛敏郎は日本の芸術音楽の勃興を支えた世代の作曲家で、芥川也寸志團伊玖磨と三人の会を結成し、クラシック音楽の布教啓蒙活動をしたことでも知られ、TV番組「題名のない音楽会」のMCとしてテレビにも登場、お茶の間にも親しまれた作曲家です。
 仏教に取材した作品も多く、激しい保守の論客でしたが、この若い頃の作品は、Jazzや当時の現代音楽が野心的に融合され、他に例を見ない曲となっています。
 どうして黛先生はそういう立場をとったのか、そしてその音楽に息づく日本人としての民族主義の匂いは、当然師匠である伊福部昭への尊敬から来ており、右翼という楽壇では稀有な立場をとったのも、もとを正せば反骨の裏返しだったと言われいます。

 

www.youtube.com

Bacchanale/黛敏郎

 

 ちょっと目先を変えてみるとこんなおしゃれな曲があります。

 

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ゴフ・リチャーズ

 イギリスで放送音楽を中心に活動されているゴフ・リチャーズが書いた「高貴なる葡萄酒を讃えて」です。
私がまだ吹奏楽の世界に携わっていた頃、この曲は結構流行ってあちこちで演奏されていました。

 

www.youtube.com

Homage to the Noble Grape/Goff Richards

 

 この曲は金管八重奏のために書かれ、各楽章のサブタイトルが以下のように、ぶどう酒の名前になっています。

1.シャンパ
2.シャブリ
3.キャンティ
4.フンタドール

 そしてコルク栓を抜くような擬音が用いられるなどおしゃれでかわいい曲ですね。

 

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日本酒

 実は各言う私もこのリチャーズの曲に影響されて日本酒をテーマに曲を書いたことがあります。
 もともと金管五重奏のために書かれたのですが、初演が流れてしまい、その後金管六重奏、管楽十重奏とアレンジを重ね、最近ピアノ・リダクション版をなんとなく書いてみました。
 組曲「日本酒に魅せられて」と題して7曲からなるこの曲も、各楽章は特定のお酒の印象をもとに書いたもので、その特定名称のようなものをサブタイトルにしました。

1.純米発泡酒
2.本醸造
3.純米酒
4.醪酒
5.純米吟醸
6.大吟醸
7.純米大吟醸斗瓶取り大古酒

 若い頃の作品なので内容はマダマダ感がありますが、このピアノ・リダクション版も初演の日が迎えられたら嬉しいですね。
 興味があるという方はお問い合わせいただけたら嬉しいです。

 さて我らが名作同会長トイドラ氏も大のお酒好きなんですね。様々な酒を自作したり、ツイッターでビールや日本酒のレビューを書いたりとなかなかの好きっぷりを垣間見ることができます。

 彼は今後お酒と音楽にどんな関係を導いて、どんな曲を書くんでしょうか。
 そんなことも気になりますね。

 コロナ禍で外飲みをする機会が奪われてしまい、大好きな酒を飲みに行くのをやめて、はや一年が経過しています。
 以前は当たり前だったことが、当たり前でなくなったときに、そのことの尊さ、素晴らしさを再認識するのはなんとも皮肉なものですが、この困難のを乗り越えた先には、       またあの悦楽の夜を楽しみにせずにはいられません。

もちろん飲み過ぎはだめですけどね(激しい自戒を込めて)。

スペクトル学派の技法 初級編①

音楽は時代と共に変化しています。

その変化には2つの側面があって、それは文化的な変化技術的な変化

つまり、時代の流れの中で過去の価値観が新しい価値観に塗り替えられていくのが前者、

技術が発展して昔できなかったことができるようになるのが後者です。

最近流行っているDTMなんかは、まさに後者の代表例ですね。

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PCを使って作曲する現代人

今回は、そういった技術的な発展によって実現された作曲法として、スペクトル学派の作曲法を見てみます。

入門編なので全然難しくないよ。

 

【もくじ】

 

スペクトル学派とは

スペクトル学派とは、ひとことで言えば

ある音の倍音構造に注目して作曲を行った人々

のことです。

ふつう、1つの音(に聞こえる音)にはたくさんの倍音と呼ばれる音が混じっています。

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倍音

上の図で基音と書いてある音が、我々の耳に知覚される音です。

上の図では「ド」ですね。

ピアノで「ド」を弾いた場合、耳で聞いても「ド」の音しか聞こえないかもしれませんが、じっくり聞くとその1オクターヴ上の「ド」(第2倍音)、その上の「ソ」(第3倍音)、その上の「ド」(第4倍音)、……なども同時に鳴っている、というわけ。

こういった倍音たちがどういった比率で含まれているかによって、その音の音色が変わって聞えます。

例えば、クラリネットの音には奇数倍音が多く含まれ、偶数倍音はあまり含まれません。

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クラリネット倍音

要するに、我々が普段1つの音として聞いている音は、実はたくさんの音のかたまりでできているということです。

この音のかたまりを分解してみたり、逆に人為的に音のかたまりを作ってみたりするのが、スペクトル学派の特徴です。

 

特徴と実例

スペクトル学派の音楽は、上で紹介したように自然倍音列に基づいています。

時として激しい不協和音を含むものの、自然倍音列に従った不協和音なのであまり厳しい響きにならず、むしろ美しく感じられます。

良い例として、藤倉大の「春と修羅」を挙げておきます。

また、厳密に自然倍音列を再現する場合は微分音を含む場合があります。

この例はJonathan Harveyの「towards a pure land」を聞いてみましょう。

 

方法

スペクトル学派の最も典型的な作曲法は、まずある音を素材と決め、スペクトル解析することから始まります。

スペクトル解析にはコンピュータが必須です。

自分は「Sonic Visualiser」というフリーソフトを使っています。

スペクトル解析を行うことで、その音がどういった音のかたまりなのかが分かります。

たとえば、川のせせらぎを解析すると次のようになります。

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川のせせらぎ

上の方が全体的に黄色いですね。

つまり、高音がまんべんなく全体的に鳴っている状態ということになります。

これをピアノで再現しようとすると、こうなります。

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うげぇ

流石に聞けたもんじゃないですね。

ということで、せせらぎは素材としては使えなさそうです。

では、トライアングルの音はどうでしょうか。

しかも、めっちゃいい音がするということで話題の北山トライアングルの音を解析してみましょう。

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北山トライアングル

黄色い部分がだいぶはっきりと表れましたね。

黄色くなっている部分の音だけを拾ってみると、こうなります。

 

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 かなりの不協和音ですが、聞いてみると確かに北山トライアングルの音に似ていませんか?

 

というわけで、この和音を素材として作曲すれば、立派な(のかは分からないけど)スペクトル学派の音楽になるはずです。

まあ、実際にはこれだけだと素材が貧弱すぎるので、もう少し工夫する必要がありますが……。

 

というわけで完成した楽曲がこちら。

 

次回に続く!

俺がエスペラントやる話 前編


どうも、gyoxiです。

 

突然ですがみなさんエスペラントって知ってますか。そうです、アレです。「世界共通の言語を作ろうぜ!」ってなって作られたあの言語です。今回はそのエスペラントの概略と、私がエスペラントに触れるまでの前日譚です。

 

そもそもエスペラントとは

あまりにも冒頭説明が適当すぎるので一応Wikipediaから引用しておきましょう。

 

エスペラント (Esperanto) とは、ルドヴィコ・ザメンホフとその弟子(協力者)が考案・整備した人工言語母語の異なる人々の間での意思伝達を目的とする、国際補助語としてはもっとも世界的に認知され、普及の成果を収めた言語となっている[要出典][1]。

エスペラント - Wikipedia

 

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ルドヴィコ・ザメンホフ

ユダヤポーランド人であるザメンホフ「世界の言語バラバラ問題、なんとかならねぇかな〜」と考えていたのですが、とりあえずラテン語をやってみてこう思いました。

 

ラテン語むっっっっっっっっっっっず」

 

そう、そもそも言語習得はクッッッソ難しいのです。中高で英語に触れた皆さんならお分かりでしょう。「この単語の過去形、例外だからね♡ 〜ed型じゃダメなの♡」とか平気でやってのける訳ですよ、奴らはこれでは言語による溝は深まるばかりです。

 

そこで、彼は「例外規則をできるだけ無くした、誰でも学びやすい言語」を整備し、発表しました。言葉の壁を超えた交流の補助になるようにと希望を込めて......それがエスペラント(Esperanto)です。

エスペラント"espero"「希望」という意味で、"〜anto"が英語の"〜er(〜する人)"と同じような意味なので、"Esperanto" は希望する人(の言語)=希望の言語といったところでしょうか。


ザメンホフさんが文法をキチンと整備してくれたお陰で、英語で1000時間くらいかかる学習エスペラントでは200時間くらいで済むと言われているので、そう考えると学習するのがすげーーーーーーー楽だということがわかります。ま、言語習得が血と汗と涙の道ということに変わりはありませんが...

 

結局、エスペラントは思ったほど普及しなかった訳でありますが、それでも第二言語として使うことのできる人は100万人くらいはいるらしい(Wikipedia情報)ので、普通にすげぇんじゃねぇの?と思います。

 

自分がエスペラントをやるまで

私がエスペラントの存在を初めて知ったのは(多分)中学生くらいの時でした。英語の先生が「こういう言語があるんやぞ〜w」って授業中に言ってて「へぇ〜〜〜〜〜〜〜〜」と聞き流していたのが最初でした。

 

時は流れて2020年、努力と文字がクソ苦手なため英語の基礎すら頭から抜け落ち、Twitterばりの貧弱日本語力しか持たん人間がここに誕生しました。そうです、今の私です。そんな人間でも音楽を聴くことはできたので、私はいつでもいつまでも、音楽を聴き続けておりましたとさ。

 

さて2020年8月、そんな音楽関係で嬉しいニュースが飛び込んできました。アニメ系音楽レーベルであるフライングドッグがサブスクを解禁したことにより、以前ブログでも取り上げましたARIAサウンドトラックがサブスクで聴けるようになったのです。

 

 

ARIAのサントラは2枚所持しているのですが、3枚目のアルバム『「ARIA The Origination」ORIGINAL  SOUNDTRACK tre』は未入手だったので、そのアルバムは特に大喜びで何度も聴きました。ありがとう。

 

そしてそのアルバムを何周もして数ヶ月、時は2020年11月。アルバムに収録されている「ルーミス エテルネ」という挿入歌を聴いていた私はあることに気が付きます...

ルーミス エテルネ

ルーミス エテルネ

 

「なんかこの曲、歌詞ついてね?」

 

そりゃあ歌だもの、歌詞はあるでしょうよ。ただ、他のアルバムに入っている挿入歌は架空言語で歌われており、調べても歌詞が出てこんのです。しかしこの曲は検索したら歌詞が出てきた。どういうことだ、これは。

 

歌詞は前半がエスペラント、後半が日本語で内容はほぼ同じことを歌っている。タイトルはエスペラントで "Lumis eterne" と書いて「ずっと輝き続けている」といった意味になる(対応する日本語詞は「永遠(とわ)に輝く」)。

ルーミス エテルネとは (ルーミスエテルネとは) [単語記事] - ニコニコ大百科

 

エ ス ペ ラ ン ト 

で  た  わ  ね

 

そういやそんなのあったなぁ〜!!!、と思い出すのと同時に、私はある事を思い出しました。

 

「なんかエスペラントの百合ゲーあったよな?」

 

あります。それがSukeraSparoよりリリースされております「ことのはアムリラート」です。

 

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ことのはアムリラート(PC版パッケージ)



一部界隈で話題になっていたり、4年前くらいに人工・架空言語好きの友人からオススメされたりして存在は知っていました。が、文字嫌いなワタクシ、もちろんダイアログ読みも嫌いなので、当時はやる気など起きる筈も無く......

でも好きな曲の歌詞がエスペラントだと知っちゃうと気になってきちゃうんだな。さらにその当時、忙しさに生活を詰められて自由に対するフラストレーションが溜まっていたので、もう心の起爆剤としては充分すぎます。しかもスマホアプリ版があるではないか。

 

......よし、やるべ。

 

そうして私は、「ことのはアムリラート」をプレイすることになったのでした。

 

《次回へつづく》

インターネット詰め合わせ

皆さんこんばんは。今日は単発でブログ書くほどではないけど面白かったものを一挙に3つ紹介します。ある意味出オチです。どうぞよしなに。

 

もくじ

 

久しぶりにたまを聴いたら良かった件

皆さんたまというバンドを知っていますか。知らなくても「さよなら人類」という曲や、癖の強すぎるボーカルは耳に残ってると思います。ちびまる子ちゃんのEDもやってましたね。

僕はそれなりに好きでアルバムも色々聴いてましたが、イカ天出演時の映像は見たことがありませんでした。 

(ちなみにイカ天というのは89-90年にあった三宅裕司いかすバンド天国というオーディション番組で、対バン相手に5週勝ち抜くとグランドイカ天キングになりメジャーデビューできるというシステムがあります。この番組が切っ掛けでBEGINとかJITTERIN'JINNとかがデビューしたらしいです。)

 

そんなある日、YouTubeイカ天出演時の映像を見つけたので見ました。YouTubeには何でも載っている。YouTubeは偉大。

司会者と知久(変な髪の人)の会話が一切成立してないのが既に良いですね。

初登場での「らんちう」の衝撃だったり、「オゾンのダンス」で柳川幼一郎(ギター)がクネクネしながら歌うのだったりも好きですが、やはり何と言ってもグランドイカ天キングになった時の「まちあわせ」(20:11~)が良いです。

 

売名は済んだし勝っても負けても今週で最後だから、という理由で演奏されたこの曲は

ゲンゲンゲロロ~という謎の歌い出し(全くイカしてない)

・編成がボーカル、ギター、おもちゃの笛、パフパフ、ガラガラ(所謂"バンド"ではない)

・超短い

という、「イカすバンド天国」の中のイカさないバンドじゃない地獄、普通に考えたら勝ち抜きようがない最悪の曲でした。

しかし審査員が4週かけてたまに慣れてしまったために、グランドイカ天キングになってしまったのであります。あるいは強烈なオリジナリティに惹かれたということにしておきたいですね。

なにはともあれ、この曲でキングを獲ったのは非常に格好が良いなあと思ったのでした。

 

宮台真司、ギャルに囲まれ困惑する

宮台真司といえば、90年代にオウム真理教の研究や援助交際をする女子高生の研究をしていた社会学者です。

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宮台真司

援交研究していたので当然ギャルに詳しいおっさんなのです。ギャル如きに動じるそこら辺のおっさんとは違います。

しかし哀しい哉、時代は2020年代。彼がフィールドワークしていた時代から30年も経つとこうなります。

 

2:40くらいから出演

 

事前に内容を知らされていなかったのか、めちゃ困惑しています。

宮台「なにこれ......」

という心の声が聞こえてくるようです。

ちなみに宮台がメディア出演するときは基本真顔で論破するときなので、困惑する顔は非常にレアです。ここぞとばかりにガン見しましょう。

 

初見では宮台に目が行ってしまい気づきませんが、リリックも

私マジギャル宮台真司 give me a die, give me a die

 

と、パワーワード全開です。どういう韻の踏み方だ。

 

最初に紹介し忘れましたが、このZoomgalsは緊急事態宣言によりZoomで仲良くなったラッパーのギャルたちで結成されたギャルサークル(ヒップホップクルーではない)だそうです。今風ですね。

ちなみに曲は全然好きではないです。

 

けもフレの謎文化でディグる

 けものフレンズとは動物を可愛いおにゃのこに擬人化させたゲーム・アニメ・漫画のメディアミックス作品な訳ですが、インターネット上では謎のミームと化していたりもします。

 

今回紹介するのはこちら

Dancing Birds Of Paradiceです。

 ご覧の通り、けものフレンズのキャラを背景にダンサブルな音楽を流しているだけです。

それだけです。

 

それだけなのになぜか根強い人気があり、派生アカウントも存在します。

どういう経緯で発生し普及したのか全くわかりませんが、ツイッターで DancingBirdsOfParadise と検索すると、よく知らない音楽に気軽に出会えて楽しいのでおすすめです。

 

おわりに

インターネットは何でも知ることが出来て便利ですね。みなさんも何か面白いの知ってたら是非教えてください。では良きインターネットライフを。